いじめから絶対にこどもを守る
2019/06/12
浪岡中学校2年生 ネットの脅威で転校を断念
青森県青森市の浪岡中学校2年生の女子生徒(13)がいじめで自殺した事件で、学校側の対応で一向にいじめが改善しないため、両親が転校を考えていたことが分かりました。
今年5月、両親が転校を検討し始めた頃、女子生徒本人も
「転校したいなあ。」
と切り出したそうです。
両親は転校の手続きを調べ、青森市の隣の南津軽郡にある明徳中学校・田舎館中学校など、具体的に学校を絞って家族で話し合っていました。
しかし、
初めは転校で娘は助かると思ったが、同学年の生徒たちは近隣の他校生を含め広くネットでつながっていて、次第に、ラインやツイッターがある限り、逃げ場はないと感じた。
とネットの脅威により転校を断念しました。
また、女子生徒には「彼女が転校をすれば、浪岡中学校に残される友人に嫌がらせが集中するのではないか」という心配もあったことも、転校を断念することの要因ではないかと考えられています。「自分だけ助かるなら転校したくない」とも言っていたそうです。その後は、何かあっても「大丈夫」としか言わなくなったそうですが、そんな友人想い、親想いの優しいこどもが、どうして自殺に追いやられなければならなかったのかのでしょうか。
この事件においては、学校の対応に問題があったと当初から指摘されていました。明らかないじめであっても、「子ども同士でよく発生するトラブル」と片付けてしまっていた浪岡学校の対応には激しい憤りを感じますが、残念なことにそんな学校は珍しくないというか、殆どなのかも知れません。
学校・教師の中にも信頼のおける人は勿論います。ですが、それを期待しているだけでは、自分のこどもを守ることは出来ません。
学校に相談して埒が明かないと感じたら、親は自分でアクションを起こさなければなりません。
世間体とか気にしている場合ではありません。
こどもの命は何物にも代えがたいはず。
学校がダメなら、
- 教育委員会
- 児童相談所
- 文部科学省
- 警察
相談できる場所は他にもあります。
学校に言っても仕方がないと思った時は、そこで止まらずに、即学校以外に相談しましょう。
ネットを使ったいじめを学校は制御できません
浪岡中学校がネットでのいじめに対して
「子ども同士でよく発生するトラブル」
という姿勢をとった原因として、
- 校長・教頭世代がSNSには不慣れで、良く分かっていない
- SNSなどネット上の動きには対処ができないという諦め
が考えられます。実態を知った上で「子ども同士でよく発生するトラブル」であるという判断を下している訳ではなく、「良く分からないから出来れば関わりたくない」というところではないでしょうか。
僕の世代ではSNSはリアル社会のおまけ的な存在ですが、恐らく若い世代、そして特に中高生の間では
- リアル社会
- ネット社会
の境界線が曖昧というか、明確な境界線がないように思います。
そのネット社会でいじめが起きた場合、精神的な追い込まれ方は大人の想像を遥かに超えるはずです。
ですが、僕と同じか、それよりも上の世代である校長や教頭が率いる学校では、ネットを通じたいじめの重大さ、いじめられているこども達がどれほど苦しんでいるかを十分理解することができません。
そんな学校にネットでのいじめへの対応を任せても意味がありません。(※意味がある場合もありますが、その時は運が良かったと思うべきで、期待をすると裏切られる可能性が高いです)
止まないいじめには、先ずは引っ越して、体勢を立て直してから対応を
今回の浪岡中学校におけるいじめ問題で、両親が引っ越しを決行されなかったのは残念です。両親を責めるつもりはありません。亡くなった女子生徒と同じ位に苦しんでいるのが両親のはずですから。
ですが、この悲劇から僕たちは学んで、これ以上苦しむこどもも親も出さないようにしなければなりません。
いじめを学校に相談して、学校が対応したと言うにも関わらず、全く改善が見られない場合、
引っ越しによる転校
は効果があります。
出来れば、出来る限り遠くの学校が望ましいです。
親も仕事の関係や友人関係から今住んでいる場所を離れたくないという気持ちがあると思います。
ですが、そんなことはこどもが感じている苦しみと比べたらゼロに等しい悩みです。
こどもの命を救うためであることを忘れずに、思い切った行動が必要です。
転居せずに、住所を祖父母の家に移したりしての越境通学は自体を更に悪化させてしまいます。
これは絶対にダメです。
ネットによるいじめの影響が簡単に出てしまいますし、通学路まで来ていじめたり、家にまで来る場合もあることを理解しなければなりません。
親には楽ですが、これでは意味がありません。
先ずは引っ越して、こどもの安全と心の平和を確保してから、ネットいじめへの対処をしましょう
ラインなどを通じたいじめを学校に相談し、教師がいじめ犯を叱れば、いじめが改善するところか、更に悪化するだけです。
対処するのは、引っ越しをして、こどもの安全と心の平和が取り戻せてから、警察や教育委員会(必要に応じて文部科学省)に相談して、厳しく対処してもらうようにしましょう。
こどもがいじめられているのを見たら、直ぐに動きたくなってしまいます。ですが、動いた結果、こどもが「針の筵」に居続けることになってしまわないか、行動を起こす前に慎重に検討することも重要です。
ネットへの拡散が酷い場合は、暫く学校へ通わない方法もあります
義務教育は、
こどもが学校に通わなければならないという義務
ではなく、親やその周囲が
こどもを学校に通わせなければならないという義務
ということです。
この義務は「こどもが安心して勉強をできる学校」に通わせることが前提になっていますので、こどもが安心して通える状態になるまで通わせないという判断もありだと思います。
ネットへの拡散が酷い場合は、先ずは引っ越しを行い、暫くは学校に行かせずに、教育委員会・警察などと連携して、ネットいじめへの対処を徹底的に行い、事態の収拾がついてから学校に通うようにすればいいと思います。
こども自身が「義務教育だから学校へ通わなければならない」と思ってしまって、無理して通っている可能性もあります。勉強が面倒くさいとかはダメですが、いじめなどで学校へ行きたくない場合は躊躇なく休んでいいと常日頃からこどもに話をして、意識を改善しておくことも重要です。
こども命を守るためには、犯罪を犯す以外は何でもありです。
こどもは何物にも代え難い宝です。
犯罪を犯すのはだけですが、こどもの命を守るためにはどんなことをしてもそれが正義だと思ってください。
万が一その行動を揶揄する人がいたとしても、言わせておきましょう。
こどもの命が守れるのなら、どんな代償でも安いものです。
判断に迷った時は、このことを思い出してください。
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