その長引く風邪、百日咳かも知れませんよ
2019/06/13
百日咳というと幼児がワクチン接種を受けているので、こどもの病気と思われるひともいるかも知れませんが、今やおとなの感染者の方が多い呼吸器感染症になっています。
幼児が感染すると命に関わります
幼児がワクチン接種を受けるのは命に関わるような重症化をするためです。2歳未満のこどもの場合は重症化しやすく、6ヶ月未満の幼児が感染した場合は死亡率が高くなります。
現在、百日咳だけではなく、他の感染症でも幼児期のワクチン接種で得た免疫が薄れてしまったおとなの感染者が増えていることが問題になっています。感染症は自分だけの問題ではなく、周囲のひと、百日咳の場合は特に周囲の幼児の命に関わりますので、適切に対応する必要があります。
風邪と百日咳を見分ける方法
残念ながら初期の段階では医師でも見分けることは困難です。
感染から7~21日までがカタル期と言って百日咳菌の排出が多く、周囲を飛沫感染させてしまいます。この期間を過ぎると菌の排出が減り、感染させにくくなります。風邪にしては長引き過ぎると思って、内科医が百日咳を疑う頃には感染はしなくなっている可能性が高いです。
百日咳の名の通り、完治までに長い時間を要しますので、しっかりと治療をして、完治させなければなりませんが、それまでの間に周囲にいる幼児に感染を広げない努力が必要です。
百日咳の感染を広げてしまわない為に
百日咳と判明するまでの期間に菌をまき散らしてしまう恐れがあるため、事前の対策が重要な感染症です。その対策としては、
- 成人も10年に一度ワクチン接種を受け、抗体をつけておく
- どんな場合でも咳が出ている時は常にマスクを着用する
可能であれば両方がベストですが、もし定期的なワクチン接種が難しい場合は、せめて
咳が出ている時は常にマスクを着用
を徹底すれば百日咳だけではなく、他の呼吸器系の感染症の拡大防止にもなります。すごく当たり前のことが一番効果があったりすることがありますが、これもその一例です。是非「咳にはマスク」を徹底しましょう。
周囲に百日咳と診断された人がいたら
家族、職場、学校などで百日咳の感染者が出た場合は、かかりつけの内科医に相談し、必要な場合は抗菌剤を予防投与してもらえる場合があります。
既に咳が出始めている場合はカタル期に入っている場合もありますので、出来るだけ早く医師に相談してください。
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