新型ノロウイルスも怖くない　最強予防方法

殆どの人が未だ抗体を持っていない新型ノロウイルスGII.17がこの冬に猛威を振るうと予測されています。新型だからと言って特別に症状が酷くなる訳ではありませんが、従来のノロと同じで体力のない乳幼児や高齢者では命に関わる恐れもありますので、今まで以上の注意が必要です。

新型ノロウイルスの感染経路

従来型のノロウイルスと変わりはありません。ただし、従来型の場合は、ところどころにいる抗体を持った人が感染の広がりをブロックしてくれるため、爆発的な感染の広がりを見せませんが、新型ノロウイルスGII.17は抗体を持った人が殆どいませんので、想像を超えた爆発的な広がりを見せます。既に国内で感染者が増え始めていますので、予防策は今から取った方が安全です。

新型も従来型も感染経路は次の4つ。

1. 経口感染：二枚貝などの食品などを介した感染
2. 接触感染：汚物やウイルスのついたドアノブを手で触れることによる感染
3. 飛まつ感染：吐しゃ物などの飛まつを吸い込むことによる感染
4. 空気感染：吐しゃ物・汚物などが乾燥して飛び散ったものを吸い込むことで感染

ノロウイルスは熱にも乾燥にも強いため、一度飛び散らせてしまうと広範囲が汚染され、ウイルスを殺さない限りは長い期間に渡って感染リスクを維持し続けてしまいます。（乾燥した場所では、4℃で8週間程度、20℃で3～4週間生存可能です。）非常に注意すべきウイルスの一つです。

新型ノロウイルスの飛まつ感染・空気感染を防ぐために

ノロウイルスは、口や鼻や目などの粘膜にウイルスが入ることで感染を起こします。（目の場合は、目の粘膜よりも鼻涙管を通って涙と一緒にウイルスが鼻に流れることで感染を起こします。）

口・鼻・目からの感染を防ぐには、

• 密着型のマスク
• 保護メガネ

が有効です。

自分の顔に密着するタイプのマスクを見付けましょう。隙間はティッシュなどで埋めると一層安全です。もし不安がある場合は、医療用のマスクも活用しましょう。

メガネはJINSなどから出ている花粉症対策メガネが使えます。こどもの場合は転倒の際に目の周りを切る恐れがありますので、シリコン製などの柔らかいものを選ぶとより安心です。

身内に感染者が出た場合、吐しゃ物や汚物の処理には、

• 手袋の着用
• マスクの着用
• エプロンの使用
• 袖をまくる（袖にウイルスが付着することによる二次感染を防ぐため）

ことが推奨されていますが、保護メガネの着用が結構漏れています。吐しゃ物や汚物を処理する場合は、必ず保護メガネも着用してください。

また、吐しゃ物や汚物を処理する際には、

拭いたティッシュやキッチンペーパーを誰も触れられないように密封して廃棄する

ことに加えて、拭いている最中や拭いた後に乾燥して塵となって空気中を舞うことがないように、

次亜塩素酸ナトリウムを吹きかけてウイルスを殺す

ことが重要です。特に毛足の長い絨毯やカーペットは奥まで入り込んだ吐しゃ物や汚物が塵となって舞い、集団感染を起こすことがありますので、十分に注意が必要です。奥まで次亜塩素酸ナトリウムを浸透させて、ウイルスを殺しておきましょう。

新型ノロウイルスの接触感染を防ぐために

接触感染と言っても、ウイルスが手に付いただけでは感染しません。

手についたウイルスは、口・鼻・目を触った時に入ったり、食べ物と一緒に食べてしまったり、食器についたりして口に触れたりすることで感染します。

また、生物濃縮でノロウイルスをもった二枚貝を食べたり、汚染された井戸水を飲んだりすることでも感染します。

そのような接触感染を防ぐには、

• 口・鼻・目を指で触れない
• 公共のものに触れた後や食事の前には手指を正しく洗う
• 二枚貝や井戸水を飲食する場合は85℃で1分以上加熱する
• 汚染された可能性があるものは、次亜塩素酸ナトリウムで殺菌する

正しい手指の洗浄方法は以下のサイトを参照ください。

正しい手洗い｜キレイキレイ｜ライオン

ガチャピン・ムックの正しい手洗い方法（YouTube)

正しく手を洗っているつもりでも結構漏れている場合がありますので、この機会に確認してみてください。特に手首が漏れていることが多いと思いますので、注意してくださいね。

それから、時計自体にウイルスが付着している場合がありますので、防水時計の場合は別で綺麗に洗ってしまいましょう。逆を言えば、防水ではない時計は、ウイルスが付着したら除去することが難しいため、吐しゃ物・汚物を処理する際には必ず外すようにすることが重要です。

付着したノロウイルスを殺すには、次亜塩素酸ナトリウムが有効です。それ以外では、加熱（85℃で1分以上）が有効ですが、通常除菌に使用されるアルコールジェルなどではウイルスが残る恐れがありますので、十分ではありません。

感染者が触れたものやトイレの掃除には次亜塩素酸ナトリウムを使用してください。スプレー式が便利です。

但し、次亜塩素酸ナトリウムは人体には決して使用しないでください。手指を洗うには、手洗い石鹸を使用してください。

トイレを介した集団感染に注意しましょう

ノロウイルスは感染すると激しい下痢にみまわれ、殆どの人は感染したことに気付きます。ですが、中には症状が軽く、ノロウイルスに感染したことに気付かず、単なる下痢だと思い、普通に生活している人がいる恐れがあります。また、ノロウイルスに感染して、治ったと思っても長い方は1か月以上もウイルスの排出が続きます。

学校や工場などでは、トイレを介した集団感染が起きやすいため、特に注意が必要です。

• 次亜塩素酸ナトリウムを配備して、掃除に使用しましょう
• 便器周辺にはウイルスが付着していますので、トイレ使用後は必ず正しく手洗いをしましょう
• ウイルスを排出している人は、袖をまくってお尻を拭きましょう（袖についたウイルスは手洗いで除去不能です）
• 便器を水で流す際は、必ず便器の蓋を閉めて流しましょう

便器を水で流す際に蓋を閉めることが案外抜けていることがあります。蓋を閉めないで水を流すと

• 26センチの範囲にしぶきが飛びます
• 飛まつ状になって空気中に飛んだウイルスが90分間漂い続けます

と言われていますので、次に使用する人を感染させるリスクが大きくなります。

過去には便座に蓋がない食品加工工場で、ノロウイルスの集団感染が発生しました。蓋があれば必ず閉めて、蓋がない場合は蓋を付けることを検討してください。

トイレは感染危険エリアなので使用には細心の注意が求められますが、特に水を流す時には蓋を閉めることを徹底しましょう。

注意すべき点がかなり多いのですが、これらに注意して守れば、大流行の中でも新型ノロウイルスの感染を防ぐことが可能です。乳幼児や高齢者が家族にいる場合は、特に徹底してくださいね。