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公立小中学校の教職員は4.9万人も削減可能なの?

      2019/06/12

財務省の試算によると、公立小中学校の教職員は、今後10年間で4.9万人を削減することが可能だという記事がありました。

その試算は、現在960万人いる児童・生徒の数が、今後10年間で120万人減少して、840万人になると見られていることがベースになっています。少子化の進行度合いによっては、更なる児童・生徒の減少が起こる場合も考えられ、その場合は更に多くの教職員を削減することが可能だということなのかも知れません。

財務省はこの試算を元に、文部科学省に対して教職員の定員数を削るように求めていく方針のようです。

しかし、文部科学省はいじめなどへの対応には教職員数の増加が必要だと主張をしていますので、これから来年度予算案を編成している上では両者の攻防が激しくなって行くのは間違いなさそうです。

  • 予算を削りたい財務省
  • 教職員の定員数を守りたい文部科学省(できるものなら増やしたい)

この攻防は全く珍しいものではなく、企業の中でも予算を取りたい各部門と経営管理部門との攻防は当たり前の年中行事です。

少子化が進み、児童・生徒の数が減るのに伴って、教職員の数を減らすのは当然のことだと思います。

しかし、

  • いじめ問題
  • 生徒の多国籍化問題
  • 貧困に伴う学力低下問題
  • 部活問題

など、昔は無かった問題もある中、単純計算で教職員の数を減らすのは危険です。

とは言え、企業のように「売上ー経費=利益」で常に追いまくられなければ、人件費は無尽蔵に増やそうとしてしまうのが人の常。文部科学省の主張を鵜呑みにするのも危険だとも思います。

減らしすぎればこどもの教育や安全に支障が出ますし、無駄を出せば税金の垂れ流しに繋がってしまう。

結構難しい問題です。

完全なブラックな職場環境を改善するには頭数が必要です

今、教職員の多くは長時間労働を強いられています。

「労働時間を短くするなら人をくれ」と主張する学校もありそうです。

人を増やさずに、労働時間を短縮し、しかも児童・生徒数の減少に応じて教職員数も減らすには、かなり基本的な部分の改善が欠かせません。

それをしないのであれば、今のままか、それ以上の長時間労働を続けるか、人を増やすかしかありません。

部活について本気で議論する時期が来ています

中学・高校の部活は当たり前になっていますし、小学校でも授業が終わってから毎日全員が部活動を強制的にやらされるという地域もあるようです。

部活動の重要性は分かりますが、本来教職員がしなければならない業務に上乗せされるのはもう限界です。いじめへの対応が遅れ遅れになることの原因は、教職員のヒューマンスキルに問題があるケースばかりではなく、部活によって業務量がパンパンになって、

  • 気づいていても手を出せない
  • 自分自身がもう限界でこども達のことを考えることができない

という状態がいじめへの対応を遅らせる原因になっているのではないかと思います。

部活によって教職員の本業に影響が出ている可能性がある

という気付きまでは到達しつつあるように感じますが、そこから一歩踏み込んで、

部活によって生徒への教育・指導に影響が出ている可能性がある

という部分についても議論がされるようになって欲しいです。

予算編成においては、削減の人数だけではなく、公立学校における業務改善についても踏み込んで欲しいです

予算を削りたい側と削りたくない側の攻防なので、減らせる、減らせないで押し問答になるのは仕方がないのですが、無駄な議論に終わらないように、文部科学省に切り込む方は、

  • 部活の問題
  • 重複した報告業務の簡素化
  • 教育発表の見直し
  • 外部サービスの活用による効率化・省力化
  • IT機器の導入による省力化
  • 小中一貫校制度の普及
  • 幼稚園/保育園の併設(による経費削減)

などについて追求して頂きたいと思います。

人員削減はするものの、結果として公立小中学校の教職員の方々が人間的な生活の実現が可能になり、いじめなどへの対応が細やかに行えるようになる、また教育に関しても更に熱心な授業が行えるようになるなど、トータルでプラスになる改革に繋げて頂きたいです。

 - 学校等, 小中高

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