セロハンは「紙」なの「プラ」なの?
2019/06/13
当初「セロハンは紙としてリサイクルに出しましょう」という内容でしたが、その内容に誤りがありました。フルタの「セコイヤ」というお菓子に使われているセロハンの包装紙に「紙」マークが書かれていたことに驚いて書いた記事でしたが、セロハンは紙としてのリサイクルが出来ず、またプラとして溶かして再利用することもできないために、燃えるゴミ(または生ごみ)として処理するように自治体から指定されていることをご指摘頂き、記事が正しくなるように訂正しました。ご指摘、ありがとうございました。
セロハンは「紙」としてリサイクルにできません
我が家が資源ごみを出す収集スポットにはごみ奉行的なご婦人(「チェリー坊」に似ているので、」我が家でははチェリーさんと呼んでいます)がいるので、特に注意して仕分けをしています。
元々正確に仕分けをしていますが、カップヌードルのカップなんかは「紙」で出すと誤認逮捕されそうなので、「紙」のマークが見えるように袋の中で向きを変えるか、見えないように奥に押し込んでいます。
2008年4月からカップヌードルのカップは原料の「ECOカップ」になりました!
先日、スーパーでフルタの「セコイヤ」が目に留まり、懐かしいので久しぶりに買って食べました。懐かしい味でした。そんなフルタの「セコイヤ」ですが、包装は透明な部分があるので当然プラだと思って裏を見ると、なんと「紙」マークが!フルタの「セコイヤ」の包装紙はセロハンでした。紙マークがある以上は「紙」としてリサイクルされるのでしょうか?
答は「NO」です。
セロハンは紙としてリサイクとすることができません。従って、燃えるゴミとして焼却処分される場合がほとんどです。ただし、例外がある可能性もありますので、各自治体のルールをご確認ください。(※紙としてのリサイクルの可能性はありませんが、燃えるゴミとして焼却するか、生ごみとして処理するかは自治体によって分かれる可能性があります)
ちなみに、チロルの場合は、個包装の外側がセロハンで、内側が銀紙になっています。その内側には紙のリサイクルマークの表示がありますが、外側に包装は「セロハン」であると明記して、紙のリサイクルマークの対象から外してあります。
セロハンってセルロース製なのに、なぜ「紙」じゃないの?
最近、こどもの工作にもセロハンは余り使われませんが、昔は工作と言えばセロハンでした。透明な部分にはセロハンを使うのが定番でした。でも、プラスチックやポリプロピレンなどの台頭で、すっかり影が薄くなってしまいました。
そんなセロハンですが、その名前の由来にもなっているセルロースから出来ています。
木材を粉砕してパルプを作り、そのパルプを水酸化ナトリウムなどのアルカリと二硫化炭素で溶かしてビスコースにします。その後の処理で薄く成型したものを、酸で中和してセルロースに戻すことでセロハンが作られます。
紙と原料が同じではありますが、セロハンは繊維を溶かしてしまっているので、もう一度紙に戻すことができません。
Q. セロハンは、リサイクルできますか?
紙と同じパルプから作られていますが、繊維を溶解し繊維性をなくしている為、紙として再生出来ないうえ、加熱しても溶融しないのでリサイクルには不適格になります。
ただし、微生物で容易に分解出来る特異性があり、生ゴミとしての扱いになります。
見た目が透明だったりしますが、微生物が簡単に分解可能というのは意外ですね。
セロテープはセロハンからできています
セロテープって見た目は「プラ」に仕分けされそうですが、セロハンが原料なので「プラ」扱いはできません。しかし、原料はセルロースですが、繊維を溶解し繊維性をなくしているため「紙」としてのリサイクルもできません。
粘着成分も付いていますので、
- 可燃ごみ
- 生ごみ
のいずれに分類するかは、各自治体によって違うと思います。区分につきましては、各自治体のルールをご確認ください。
紙に貼ってある状態で「紙」や「古紙」に出してよいところもあれば、剥がすように指示されているところもありますので、各自治体に確認する必要があります。
そんなセロテープですが、ニチバンが製造しているもの以外は、本来
- セロハンテープ
- セロハン粘着テープ
と呼ぶべきですが、初めて日本人が手にしたセロハンテープはニチバンの「セロテープ」だったので、そのままセロテープと呼ばれるようになってしまいました。「ホチキス」と同じ感じです。
このセロテープですが、1930年頃に3M(アメリカ)が製造しました。元々は輸送中の荷物を湿気から守るための包装に使う目的で開発されましたが、その用途では商品化されずに、テープとして世に出されました。恐らく水に濡れた際に大きく強度が落ちる性質が理由だと考えられます。終戦後、日本を統治したGHQが3Mから取り寄せる代わりに日本国内で調達するために医療用絆創膏を作っていたニチバンに打診しました。そうしてニチバンが日本初のセロハンテープ「セロテープ」を送り出すことになりました。(1947年にニチバンはセロハンテープを開発しましたが、実は3Mに少し遅れてイギリスでも1937年にセロハンテープが開発されています。イギリスでも同じように「Sellotape」と同じ名前で呼ばれるのはこのためです。ただ、年代を考えると、ニチバンがイギリスでの商標を真似た可能性もあります。どっちでしょう?)
因みに「元祖ニチバンのセロテープ」は、
- セロハン:木のくずからつくられています。
- 粘着剤:天然ゴムと樹脂などから出来ています。樹脂のほとんどはマツなどの樹液からつくられる天然素材です。
- 巻き芯:再生紙からつくられています。
と非常に環境に優しい製品なんです。
原料や製法を聞いた後でも、セロハンテープが紙の親戚のような存在だとはなかなか信じにくいですね。
関連記事
-
冠水時の避難には杖を使うと安全です
僕の住む町では雨が上がって、久しぶりに晴れています。台風一過の秋空というにはあま …
-
銀杏中毒
銀杏、おいしいですよねー。 タイトルの銀杏中毒は「もう銀杏大好きで、食べないとい …
-
スキー教室で事故 12歳女児が死亡 広島県北広島町
学校のスキー教室中に衝突され死亡 1月2日の正午前、広島市北広島町の「芸北国際ス …
-
じゃがいものポテトグリコアルカロイド
「じゃがいもの芽は毒があるので必ず取り除かないといけない」は家庭科の授業で習った …
-
牛乳をふいたぞうきんが臭い理由
こぼれた牛乳をふいた雑巾が臭い理由は「へこ鬼神」ではないです。つい見ちゃうんです …
-
こどもの靴 サイズは合ってますか
こどもの足は親が思う以上のスピードで成長しています。本当はジャストサイズを履いた …
-
蚊も熱中症 高温に関する異常天候早期警戒情報
気象庁や各気象台は、東海・関東甲信・東北南部にかけて、8月1日から8月10日まで …
-
ふれあい動物園での動物虐待
とある「ふれあい動物園」に行ってきました。 久しぶりに犬や猫以外の動物に接する機 …
-
シマツナソ(モロヘイヤ)の種と茎は有毒です
シマツナソ(縞綱麻)の種と茎にはストロファンチジン という毒があります。このシマ …
-
赤ちゃんの首浮き輪は危険です
お風呂大好きの赤ちゃんは首浮き輪を使うと嬉しそうですが、死と隣り合わせであること …