超危険 倒壊する大谷石塀には近づくな
2019/06/13
大谷石は軽石の一種で、柔らかく加工がし易く、防火性能が高いため、石塀の材料にも良く使われています。そんな大谷石でできた石塀の中には超危険なものがあるので要注意です。
なぜ大谷石の石塀が危険なのか
大谷石は風雨にさらされると劣化して、強度が落ちます。そのため、中に鉄筋を通し、積み上げた石の間にモルタルを充填することで適切な強度を持たせます。このように補強された大谷石塀は外側が劣化で剥がれることはあっても、地震でも倒壊し難くなっています。しかし、大谷石塀の中には弱い揺れでも倒壊してしまうものがあるのも事実です。
宮城沖地震(1978年)においてはブロック塀が倒壊して多くの犠牲者が出ました。登下校中に地震が起きた場合は、塀に沿って歩くこども達が犠牲になる恐れもありますので、大谷石塀には注意が必要です。
倒壊しやすい大谷石塀
鉄筋とモルタル充填などが正しく施行された大谷石塀は他の正しく施行された塀と同じ安全性があります。
でも、大谷石塀の中には非常に危険な塀が存在しています。
- 鉄筋が入っていない
- モルタル充填がされていない(または不十分)
- 高さが1.2メートルを超えている(建築基準法施行令で石組塀の高さは1.2メートルまでに決められている)
- 基礎が浅い(20cmよりも浅い)
- 塀の厚さが「塀の高さ×0.1」よりも薄い
- 4m毎、またはそれ以下毎に「塀の厚さ×1.5」以上の控壁(直角方向に取り付けた支え)がない
このような大谷石塀は十分な強度がなく、小さな地震でも倒壊してしまう恐れがありますので、近づくべきではありません。
古い大谷石塀が特に危険
1970年代の建築基準法改正で石組みしただけの塀の高さが2メートルに規制されましたが、それ以前は2メートルを超える塀も合法でした。そんな積み上げただけの大谷石が経年劣化で角が取れて、倒壊しやすい状態になっています。通学路や生活道路に古くて背の高い大谷石塀があったら、道を変えるか反対側を歩いたほうが安全です。
新しい大谷石塀でも気を抜くわけにはいきません
現在、建築基準法によって1.2メートルを超える石塀は鉄筋を入れなければなりませんが、鉄骨を入れず、モルタル充填だけの手抜き施行が存在しています。そのように危険な大谷石塀を見分けることができればいいのですが、一般市民は鉄筋センサーを持ち歩いていませんので、どの大谷石塀に鉄筋が入っているのかを見分ける手段がありません。
そうなると
大谷石塀の近くは極力歩かない
しかないかも知れません。
通学路や生活道路に大谷石塀に沿って歩く場所がないかを確認して、必要に応じてルートの変更を検討しましょう。こども達にもよく説明して、安全な道を歩くようにさせましょう。
万が一大谷石塀に沿って歩いている時に地震が起きたら、道路に車がいないことを確認した上で至急石塀から離れましょう。
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