保育園児の声は騒音だと35%が同感 厚生労働省調査
2019/06/13
9月26日の朝日新聞デジタルに「保育園児の声は騒音?…35%が「同感」 厚労省調査」というタイトルの記事が出ていました。この手の記事やニュースは珍しくなく、またかといった感じ。厚生労働省の調査結果が出たので改めて記事にしたのでしょう。
35%が保育園児の声を騒音だと感じているのは異常なの?
この記事を書いた記者は、「待機児童を解消するために保育園を増やすことが急務なのに騒音だと思うひとが35%もいたら前途多難」だから「そのために地域活動への参加機会を増やして園児の声を騒音だと感じないようにするなどの努力が必要」とまとめたいのでしょう。
でも、僕には35%という数字は思ったよりも小さくて意外だったし、地域活動に参加するひとが増えれば問題が解消するほど簡単ではないとも思います。
そもそも、このアンケートには問題があります。人口減少に関する意識を探る目的で、3月にインターネットで実施されたアンケートで、3千人から回答を得たそうですが、保育園児の声が騒音だと思う人の割合を知るには保育園周辺に住む人を無記名式で調査しなければ意味がありません。逆に、一般的な意識として35%の人が騒音だと感じているとすると、保育園周辺に住む人の考えはもっと辛辣なものになると思います。
騒音でないはずがないです
大勢のこどもの大きな声は騒音です。学校の校内放送も外に漏れれば騒音ですし、工場の作業音も騒音です。そうです、大きな音は何でも騒音になり得ます。
こども=かわいい
∴保育園の音=かわいい
というのは余りにも短絡的です。(しかも式も間違ってます)
音というのは非常に恣意的で、人によって大きく違うことがありますし、同じ人でもその時の感情によって変わったりもします。
僕は車・バイクの類が好きなので、V8やボクサー4の音なんてたまらないのですが、奥さんには騒音でしかないと言われます。そんな好きなエンジン音ですが、集中して作業している時や体調が悪い時には邪魔に感じることもあります。
ですから、いくらこども達がかわいい存在だとしても、その声がいつでも誰にでも心地よい存在であるかどうかは別の話です。
僕にはこどもがいますので、保育園・幼稚園はお世話になったありがたい存在で、元気な声が聞こえると微笑ましいと思えます。ですが、それが家の横にあって、体調が悪い時も嫌な事があった時も、朝早くから夕方までひっきりなしだとするとしんどくなると思います。それに保育園・幼稚園を引き合いに出さなくても、自分のかわいいこどもだとしても、大騒ぎしているとその声が煩わしく感じることがあります。「うるさいっ、静かにして!」と。
なので、騒音と感じること自体が悪いかのような記事の書き方には同感できません。
騒音を我慢できるかどうかは関係性によります
どんなにかわいい存在でも騒音は騒音です。要は関係性が良ければその騒音も「こどもだから止む無し」と我慢出来るし、関係性が悪ければ「なんとかしろっ」と我慢できなくなる訳で、要は我慢できるかどうかを分ける関係性の問題です。
メディアは社会と保育園・幼稚園との接点が減ったことで、こどもの声を騒音と感じるようになった社会問題的な捉え方をしていますが、僕はそうは思いません。
- 保育園・幼稚園:こどもは声を出すのだから仕方がない。我慢して欲しい。
- 近隣住人:こちらはこちらの生活があるのだから努力して欲しい。
どちらも正しいと思います。
が、近隣住民は音を出されている側なので、やはりまずは保育園・幼稚園側でできることを考えるべきです。
昔々は保育園・幼稚園は住宅密集地にはありませんでした。それが都市化が進むにつれ、住宅密集地の中に建設されるようになり、今の騒音問題に繋がっていくのですが、実はそれだけではありません。
僕が保育園に通っていた頃、保母さん達はかなり厳しい存在でした。いけないことをすると叩くし、正座させるし、押し入れに監禁するし、親の次に怖い存在でした。(それだけに親の次に好きな存在でもありました)
静かにするべき場所や場面では静かにするように躾けられていましたので、今よりも静かだったと思います。ですが、今の保育園・幼稚園はほぼ無法地帯。園長さんの考えによって厳しいところもありますが、モンペを怖がって、こどもを指導しないために、もういつでもおもちゃ箱をひっくり返したような大騒ぎになっているところが少なくありません。
また、こどもだけではなく、送迎に来る保護者の中に、迷惑駐車・駐輪をする、挨拶をしない、門の外で大声でおしゃべりをするなどなど。こどもに引けを取らず、近隣住民の反感を買い兼ねない言動をしている人がいます。
「こどもは声を出すのだから仕方がない」という考えが透けて見えるところが近隣住民がこども達の声を我慢できなくさせているのではないでしょうか。僕にはそう思えます。
- こども達が騒いでいいところとそうでないところを弁える(ある程度)
- 園の責任者・管理者は騒音レベルを抑える努力を怠らない
- 保護者は近隣住民に迷惑をかけていることを認識し、態度を改める(挨拶・迷惑行為をしないなど)
することで変わってくると思うのですが。
ただ、既に存在している園は死ぬほど忙しく、そんな改善努力をする余裕はなく、園が動かなければ保護者が変わるはずもなく。そして、既存の園が変わらなければ、新規に建設を予定している場所の住民の保育園・幼稚園に対する認識が変わるはずもなく。この問題は解決する可能性が非常に低いように思います。
解決策(案)
政府は「住民が地域活動に参加することで理解を深めれば騒音問題も解決するはず」と「ゆう活」的な計画を出すのでしょうが、そんなことでは解決するはずがありません。
こども達の声がうるさいなんて言う人はどうかしているという政治家も、自分の隣に保育園が出来ることになったら、こっそり引っ越しすると思います。どんなにかわいい存在でも、こども達の声は高くて、パワーがあるので、なかなか耐えるのは大変です。
そこで、少子化が進み、多くの公立小学校は生徒がキャパシティーに満たず、スカスカの状態で運営されているのを利用してはどうでしょうか。公立小学校の敷地中に保育園を作って、運動場や校舎を共有すれば、公共施設の有効活用にもなりますし、こども達にとってもお互いに良い影響があると思います。公立小学校の敷地は余裕がありますので、仮に周辺の開発が進んで住宅密集地になったとしても、住宅に届く騒音は許容範囲に収まる可能性が大きくなるはずです。
騒音を騒音でないと思わせたり、我慢させたりするよりは、よほど前向きで精神衛生上もいい案だと思うんですが、やっぱりダメなんですかね。
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