WEAR VEGAN ウールも見直す時期かも知れません
2019/06/13
ダックやグースからダウンを取る時のひどい扱いについては過去記事「毛皮のコートがダメで、ダウンジャケットはなぜいいの?」で書きましたが、その中でウールは刈り取られるだけ未だマシという書き方をしました。でも、ウールを刈り取られる羊は全て羊毛刈り取りショーのような丁寧な扱いをされているとは限らないようです。
ウールを刈り取られる羊は拷問を受けているかも
かつては高級品だったウールも価格競争に晒されています。こどもの頃、ウールマークの付いたセーターを買ってもらった時は凄く嬉しかったのを覚えています。ですが、今はウールマークの付いたニット製品も格安で手に入る時代になりました。
色々進歩しましたが、羊毛の刈り取りに特別な進歩がなく、昔ながらバリカンかハサミで刈り取られる訳ですが、熾烈な価格競争に巻き込まれたせいで、羊への扱いは劣悪なものになっているという話を耳にします。
PeTA(動物の倫理的扱いを求める人々の会)がYouTubeにアップしている動画は正視が難しいものばかりです。(※動画にはショッキングな内容が含まれます。自信のない方は見ないでください。)
以下はPeTAがアウトドアブランドのパタゴニアのウールサプライヤーを取材したものとしてアップされています。これが真実だとしても、パタゴニアがこれを認知していない可能性もありますので、パタゴニアを批判するものではありません。ただ、マクドナルドのチキンナゲットに期限が切れ問題のように、供給元が不正を行っている場合もありますので、メーカーがサプライヤーの管理が出来ていないという問題は残ります。
また、中には羊へのストレスを極限まで減らし、刈り取った後の羊に防寒着を着せる牧場もありますので、全てが悪い訳ではありません。ただ、消費者は意識せずに着ているウール製品は、毛皮と同じように羊の命を奪って得たものである可能性があることを知る必要があると思います。
WEAR VEGANという選択もあります
僕はかつて食のVEGANでした。PeTAはその頃に存在を知りました。
主食は生野菜、果物、そしてミューズリー。簡単なようで、非常に大変です。自宅以外で食べることはほぼ不可能になります。友人と喫茶店に行っても食べるものは、ほぼありません。レストランもダメです。そばなら食べられそうですが、つゆにカツオを使っているので無理です。VEGANを貫くというのは大変な覚悟が必要です。(僕は結婚を機に諦めました。)
食のVEGANと同じように、衣類のVEGANもあります。これは皮革や羊毛などの生物由来素材の衣類を着ないということを意味しています。これも非常に難しい道です。
靴やかばんには革が、セーターにはウールが、ネクタイにはシルクが使われてしまっています。全て化学繊維かコットンで揃えるのは、案外難しいものです。
衣類のVEGANは目指したことはありませんが、VEGANの大変さは一応理解しています。なので、VEGANを目指すことをいきなり始めるのではなく、どちらを選ぶか迷った時にはできる限り生物由来繊維ではないものを選ぶように心がけることから始めてはいかがでしょうか。
ウールとフリース(化繊)とで迷ったらフリース(化繊)を選び、レーヨンとシルクで悩んだらレーヨンを選ぶところから始めれば拷問にあう動物の数を減らすことができるかも知れません。
オーガニック製品のような認証機関が必要です
生物由来繊維を全て否定することは少し過激な感がありますが、今の状態では自分が着ている服が動物を拷問にかけた結果かどうかが分からず、嫌な気持ちがするのも分かります。
ブランドによっては自社が使用しているウールは「 responsibly sourced wool(責任をもって供給されたウール)」などと表記がされているようですが、実態は拷問をともなっていたりする場合もあるようです。
PeTAが取材をしたOvis 21 networkはパタゴニアにウールを供給するサプライヤーですが、動画の通り羊に拷問を行っています。表向きと実態が違うのは、中国やアルゼンチンに限ったことではなく、日本でもあり得ることです。(Ovis21については、PeTAが特集ページを作っていますのでそちらを参照くださいーただし、ショッキングな画像・映像を含みますので、その点をご了承ください。)
原料の供給を受けているメーカーが分からないことを消費者が分かるはずはありません。
この問題を解決、またはせめて改善するには、オーガニックを認証する機関のようなものを作り、動物虐待がないかを査察するなどするしかありません。
PeTAのような組織が努力をしてくれていますが、私達も商品を購入する際に、極力動物由来原料を避けることに努めたり、せめてタグを見てどんな原料が使われているかを見て、「WOOL」と書かれているような場合は、その毛を刈り取られる時に羊は無事だったかどうかに思いをはせることをしてみませんか。本当に小さな一歩かもしれませんが、何か変わるかも知れませんよ。
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