洗濯物の生乾き臭を防ぐ工夫
2019/06/13
くっさー 牛乳ぞうきんの犯人で書いたことがあるんですが、生乾き臭の犯人は「モラクセラ・オスロエンシス(Moraxella osloensis)」です。その菌が活動して、排泄する脂肪酸の一種の「4-メチル-3-ヘキセン酸(4M3H)」が臭いの正体です。菌の排泄物だから臭い、なんだかすごく納得。
生乾き臭を防ぐには 減菌編
モラクセラ菌はどこにでもいます。養分・湿度・温度が揃うと爆発的に増殖して、あの嫌な臭いを放出します。全ての洗濯物にはモラクセラ菌がいるんですが、一度臭くなった洗濯物にはモラクセラ菌が増殖したままですので、正しく洗っても乾けばまたあの臭いがしてしまいます。
ですから、先ずは洗濯物についたモラクセラ菌を減らすことが重要です。
減菌方法
モラクセラ菌は熱に弱いので、熱を上手く利用するのがおすすめです。
- 熱湯をかける(タオル・布巾にはこれがおすすめ!)
- 40℃のお湯に粉末洗剤と酸素系漂白剤を溶かし、20分間つける
- 50~60℃のお湯に 10~20分間つける(色落ちが心配な衣類にはこれがおすすめ!)
- 生乾きの状態でアイロンをかける(シャツなどには一石二鳥)
生乾き臭を防ぐには 干し方編
干し方で非常に重要なのは
とにかく1秒でも早く干す
です。洗濯機の中で団子状態になっている時は一番モラクセラ菌が増殖し易くなります。洗濯終了のブザーが鳴った瞬間に取り出して、そのまま干してしまいましょう。
- タオルなど色落ちの心配がないものは、できる限り日光に当てましょう(早く乾けばモラクセラ菌に増殖の機会を与えません!)
- 色落ちが心配な衣類は、風通しの良い場所で陰干ししましょう(風通しがポイントです!)
- 室内干しをする時は、エアコンや除湿器を使って湿度を50%以下に下げながら、扇風機の風を当てましょう
- 洗濯物同士は15cm以上あけて干しましょう
- 素地が厚いものは、筒状になるように干しましょう(ジーンズ・スウェットシャツなど)
- 前がジッパーやボタンの衣類は、前を閉めずに、開けて干しましょう
- 素地が重なる縫い目などの部分が表に出るように裏返して干しましょう
- 湿度は低い場所にたまるので、できるだけ高い場所に干しましょう(カーテンレールは窓やカーテンとの間で湿気が溜まるのでNG)
生乾き臭を防ぐ 洗濯機編
洗濯物に注意が行きがちですが、洗濯機も非常に重要です。色々なタイプの洗濯機がありますが、全て共通です。
- 洗濯機を洗濯かごの代わりに使うのは止めましょう
- 洗濯物を取り出した後、蓋を開けたままにして内部を乾燥させましょう
- 洗濯機に取り付けるタイプの埃取りも毎回外して干しましょう
- 洗濯に残り湯を使うと菌に栄養を与えてしまうので、仕上げすすぎは必ず水道水を使用してください
- 月1~2回、洗濯槽用クリーナーで清掃できるとベストです(できない場合は、蓋を開けて内部を常に乾燥させた状態に保ちましょう)
洗濯物の生乾き臭はちょっとした工夫で防げます。じめじめした梅雨の季節をいい匂いの洗濯物で気持ち良く過ごしましょう!
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