プリウスで起こる暴走事故
2019/06/12
福岡市博多区にある原三信病院へプリウスタクシー突入し10人が死傷した事故では、逮捕された運転手(64)が乗務歴35年のベテランドライバーであったことが分かりました。
車両の整備に余念がなかったそうですので、整備不良ではなく、ブレーキペダルとアクセルペダルの踏み間違いが事故の原因である可能性が濃厚であると見られていますが、64歳とは言え、乗務歴35年のベテランドライバーでさえもペダルの踏み間違いを起こすということはかなりショッキングなニュースです。
今回事故を起こしたタクシーに使用されていたのはプリウスでした。
そのプリウスですが、もしかするとアクセルを踏み込んだ時の高出力モーターによるアシストが暴走事故の原因なのかも知れません。
プリウスでは、
急加速時
2つのパワーで1クラス上の加速
急加速時は、電池からも電力を供給。エンジン駆動力とともに高出力モーターの駆動力を加えることで、レスポンスのよい滑らかな動力性能を発揮し、加速性能を一段と向上させます
急加速を行う際に、高出力モーターの駆動力を加えることで、レスポンスよい動力性能を発揮すると書かれています。
これは、
- 意図して急加速を行うためにアクセルペダルを踏み込む
- 制動しようとしてブレーキペダルと間違ってアクセルベダルを踏み込む
のいずれの場合においても発生してしまうため、ブレーキをかけようとして間違ってアクセルペダルを踏み込んだ場合、想像を超える加速力で車両が走り出すためにパニックに陥って、ペダルを踏み変えることができなくなってしまっている可能性が考えられます。
意図せずに急加速してパニックに陥ると体は硬直する場合があります
レースなどをしていてハイスピードや強い加速に耐性がある人を除くと、意図せずに車両が急加速をし始めると驚きと恐怖で体が硬直する場合があります。
もしブレーキペダルだと思いこんでアクセルペダルを踏み込んでしまった場合、ペダルを踏み変えることなく、そのままアクセルペダルを踏み続けるでしょう。そんな場合は、衝突した後も踏み続けてしまう可能性も高いです。
実際、昨日静岡県沼津市の仲見世商店街で発生した85歳の女性による暴走事故では、ペダルの踏み間違いをしてはいませんが、コインパーキングの車止めを乗り越えようとアクセルを踏んだところ、強く踏み込み過ぎてしまい、そのまま駐車場を飛び出してしまったと見られています。
ブレーキと間違ってアクセルペダルを踏んでしまっている場合、止まろうとして更に強くアクセルペダルを踏み込んでしまう可能性がありますが、今回は意図してアクセルペダルを踏み込んでいるため、暴走を始めた場合は、アクセルペダルから足をはなせばいいのですが、パニックになるとペダルから足をはなすことができなくなってしまいます。
今回事故を起こした女性は、店舗シャッターに衝突した後もアクセルペダルから足をはなすことができずに、後輪前輪(※この車両はスズキのSWIFTで後輪駆動であるとのご指摘を頂きました。正しくは「後輪」ではなく、「前輪」ですので、訂正をさせて頂きます。)が空転し白煙をあげていたそうです。(※今回事故を起こした車両はプリウスではありません。トヨタistでしょうか。車両はスズキのSWIFTでした。)
これがプリウスのハイブリッドシステムで、
2つのパワーで1クラス上の加速
をしてしまうと、高出力の車に慣れていない普通の人は特にパニックに陥り、更にアクセルペダルを踏み込んでしまう可能性があります。
バイクの場合、急加速をすると体が後ろに引っ張られるため、余計にアクセルを開けてしまい、竿立ち&転倒というお決まりのパターンに陥りますが、四輪の場合はシートに体を預けているため、バイクと同じようにペダルを踏み続けて、加速を止められないなんてことは起きないと思われているところがあります。
ですが、最近の事故のニュースを見聞きするなかで、
衝突した後もホイールが空転していた
というケースが散見されますので、今後注意しておくべきことだと思います。
体の硬直でアクセルペダルを踏み続けてしまう現象にも効くSTOPペダル
ブレーキと間違ってアクセルペダルを踏み込むことを防ぐだけではなく、事前の調節によって、体の硬直によってアクセルペダルをベタ踏みしてしまうこともSTOPペダルの装着することで回避出来ます。
ナンキのSTOPペダル(クリックするとナンキ工業のウェブサイトが開きます)
ここまで事故が続くとメーカーも対策を行ってくるかも知れませんが、それがいつになるかも分かりませんし、また車両を買い替えない限りは変わりはありませんので、どの車両にも簡単に後付け出来て、コスパも優れたSTOPペダルが広く知られ、プリウスによる暴走事故が減ることを祈っています。
わずかながらプリウスに製造上または技術的な欠陥がある可能性も否定はできません
福岡市博多区にある原三信病院へプリウスタクシー突入し10人が死傷した事故では、乗務歴35年というベテランドライバーではありますが、乗車前の点検では不具合が見付かっていなかったという経緯から、整備不良などが引き起こした事故ではなく、ブレーキペダルとアクセルペダルを踏み間違えた運転操作ミスによる事故だというのが大方の見方です。
ただ、福岡県警が明らかにした運転手の供述内容が少し気になります。
「200メートル前の交差点からブレーキがきかなかった。」
運転手の供述によると、病院ラウンジの200メートルほど手前にある萬四郎通りと大浜通りの交差点で、既にブレーキが効かずに停止出来ず、そのまま直進してしまったとのことです。
萬四郎通りを病院に向かって走行した場合、大浜通りが優先され、萬四郎通りを走行する車は一時停止をしなければなりません。
しかし、運転手はこの一時停止の標識で停止ができなかったと供述していて、またその様子を目撃していた証言もあり、福岡県警はドライブレコーダーに記録された映像やEDRの解析を行い、慎重に事故原因を捜査しています。
ただ、ブレーキが効かない状態が発生していたとした場合、病院ラウンジの手前50mから急加速を行ったという事実の説明がつかず、早い原因究明が待たれます。
2009年7月、千葉県松戸市の国道でプリウスが起こした玉突き事故では、運転手が「ブレーキが効かない」と証言をしたことで、国土交通省がトヨタ自動車に対して事故原因の調査を指示しました。この時は、千葉県警がEDR(事故データ記録機)のデータを解析し、ブレーキに異常が見られなかったことが判明し、プリウス自体に構造上の問題はなかったとされました。
『プリウスブレーキ苦情116件、千葉で追突も。』 のクチコミ掲示板RSS(価格ドットコムの掲示板)
今回の事件を契機に、国土交通省がトヨタ自動車に対して再び事故の原因調査を指示する可能性があります。もしかしたら、EDRでは記録ができない構造上の問題が発覚する可能性もあり、今後の動きから目が離せません。
万が一プリウスに製造上または技術的な問題があった場合、世界的に大きな問題に発展する恐れもありますので、トヨタ自動車も協力し、事故原因の究明に全力を上げて頂きたいと思います。また、仮に構造上の問題ではないことが判明したとしても、このような事故を誘発しないような、ハード・ソフトの両側からの開発を進めて頂けるように祈っています。
アメリカでは「でっち上げ」とされて幕引きがされた「Runaway Prius」問題が日本で再燃しないことを祈っています。
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