はやり目(流行性角結膜膜炎)で失明の恐れあり
2019/06/13
流行性結膜炎(角結膜炎)が流行っています。13日時点、28都道府県で増加、宮崎県では警報レベルを超えています。九州での流行が顕著ですが、関東でも増加が見られ、過去4年間の同時期と比べても多いため、今後の推移には注意してください。
はやり目(流行性角結膜炎)はどんな病気
アデノウイルスが引き起こす感染力が強い感染症です。
アデノウイルスと言えばプール熱(咽頭結膜熱)が有名ですが、アデノウイルスには49(または51)種類の型があって、
- プール熱(咽頭結膜熱):主に3・4型
- はやり目(流行性角結膜炎):8・19・37型
とウイルスの型は異なります。免疫も付きにくいため、何度でも同じ病気にかかってしまいます。
学校保健安全法上の学校感染症の一つで、感染の恐れがなくなるまで登校禁止になります。そう聞くと「こどもの病気」かって思ってしまいますが、成人も感染しますし、成人も原則出勤停止キタ━━━━(゚∀゚)━ ━━━!!となります。(あくまで原則です)
それだけに非常に感染しやすいので、こどもが感染した場合は注意が必要です。
はやり目(流行性角結膜炎)の症状
出勤停止・出勤停止になるならかかってもいいかなと思ったあなた。これを知ったら、そんな気持ちは失せるはず。
結膜炎
- 真っ赤に充血し、めやにで目が開かないほどになる場合もある
- 片目がかかって数日後に反対側の目もかかる場合が多い
- まぶたが腫れる
- 視力低下
- 耳の前にあるリンパ節が腫れて痛い
- まぶたの裏の結膜と眼球の結膜に癒着を起こす
- 症状が治まるまで約2~3週間
角膜炎
- 角膜に点状の小さな濁りができて、眼に強い痛みを感じる
- まぶしかったり、視界にもやがかかったように感じる
- 視力低下
- 黒目の表面がすりむけて、ゴロゴロ感などの眼痛がひどい
- 症状は数ヶ月~一年に及ぶことがある
はやり目(流行性角結膜炎)を防ぐには
手についたウイルスが、直接、または間接的に眼に入って感染します。とにかく手を清潔に保つことと眼をこすらないことが重要です。
保育園・幼稚園や学校などでウイルスをもらって、家庭内で感染を広げるパターンがほとんどです。こどもには、
- 手を良く洗う
- 目をこすらない
- 手で顔を触らない
- 乳幼児は診察を受けるとき以外は病院につれて行かない(待合室などでの院内感染を防ぐため)
ように指導して、おとなもそれを守りましょう。これからの季節はインフルエンザの感染を防ぐために、手洗いと顔などを手で触らないことは役立ちますので、是非徹底しましょう。
住んでいる都道府県で流行が確認された場合は、家族でのタオルの共用は念のためやめておきましょう。
万が一、家族に感染者が出た場合は、
- 手をよく洗う
- 手で目をこすったり、顔に触れたりしない
- 風呂は最後に入り、その湯はすぐに捨てる。
- タオル類の共有はやめる(ティッシュを使用して、使用後に捨てるのが安全です)
- 体力を落とさないように、睡眠や休息をしっかりとる
- 治ったように見えても、しばらくの間は外出などは控える
などの注意をしましょう。
はやり目(流行性角結膜炎)で本当に出勤停止になるのでしょうか
会社などに勤めている方は気になると思います。
勤務の制限に関しては下の4つの法律で規定されています。
一類感染症、二類感染症、三類感染症又は新型インフルエンザ等感染症は、就業制限に該当しますが、はやり目(流行性角結膜炎)はノロウイルスと同様に対象ではありません。
O-157(三類感染症)に感染した場合は、法律によって出勤することができません。有給休暇を使うか、欠勤扱いになり、給料を引かれます。
勤務先が従業員の安全配慮義務を果たすために、はやり目(流行性角結膜炎)にかかった社員に対して出勤停止を命じた場合は休業手当を支給する義務があります。
ですが、殆どの会社は出勤停止を命じることはありません。残念ですが。
感染を予防する処置(眼帯と手洗い励行)をした上で注意して勤務することになると思います。とは言え、両目が開かない場合もありますので、医師に相談して、出勤するかどうかは自分で判断することになります。
出勤停止は会社次第で、実際にはほとんどありませんが、悪化させると視力停止や最悪の場合は失明の恐れがある感染症です。眼に異常を感じたら早めに眼科を受診し、適切な診断と治療を受けましょう。
第六十八条 事業者は、伝染性の疾病その他の疾病で、厚生労働省令で定めるものにかかつた労働者については、厚生労働省令で定めるところにより、その就業を禁止しなければならない。
出典:労働安全衛生法
第六十一条 事業者は、次の各号のいずれかに該当する者については、その就業を禁止しなければならない。ただし、第一号に掲げる者について伝染予防の措置をした場合は、この限りでない。
一 病毒伝ぱのおそれのある伝染性の疾病にかかつた者
二 心臓、腎臓、肺等の疾病で労働のため病勢が著しく増悪するおそれのあるものにかかつた者
三 前各号に準ずる疾病で厚生労働大臣が定めるものにかかつた者
2 事業者は、前項の規定により、就業を禁止しようとするときは、あらかじめ、産業医その他専門の医師の意見をきかなければならない。
出典:労働安全衛生規則
第十八条 都道府県知事は、一類感染症の患者及び二類感染症、三類感染症又は新型インフルエンザ等感染症の患者又は無症状病原体保有者に係る第十二条第一項の規定による届出を受けた場合において、当該感染症のまん延を防止するため必要があると認めるときは、当該者又はその保護者に対し、当該届出の内容その他の厚生労働省令で定める事項を書面により通知することができる。
2 前項に規定する患者及び無症状病原体保有者は、当該者又はその保護者が同項の規定による通知を受けた場合には、感染症を公衆にまん延させるおそれがある業務として感染症ごとに厚生労働省令で定める業務に、そのおそれがなくなるまでの期間として感染症ごとに厚生労働省令で定める期間従事してはならない。
3 前項の規定の適用を受けている者又はその保護者は、都道府県知事に対し、同項の規定の適用を受けている者について、同項の対象者ではなくなったことの確認を求めることができる。
4 都道府県知事は、前項の規定による確認の求めがあったときは、当該請求に係る第二項の規定の適用を受けている者について、同項の規定の適用に係る感染症の患者若しくは無症状病原体保有者でないかどうか、又は同項に規定する期間を経過しているかどうかの確認をしなければならない。
5 都道府県知事は、第一項の規定による通知をしようとするときは、あらかじめ、当該患者又は無症状病原体保有者の居住地を管轄する保健所について置かれた第二十四条第一項に規定する協議会の意見を聴かなければならない。ただし、緊急を要する場合で、あらかじめ、当該協議会の意見を聴くいとまがないときは、この限りでない。
6 前項ただし書に規定する場合において、都道府県知事は、速やかに、その通知をした内容について当該協議会に報告しなければならない。
第五条 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。
出典:労働契約法
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