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「重大ないじめ暴行事件があった」 沖縄市教育委員会が発表

      2019/06/12

あの動画をみたら「いじめ」なんてもんじゃないことが分かります。あれは「いじめ」と済ませるべきではない、明らかな暴行事件。あれが「いじめ」として学校内での注意・指導だけで済むのであれば、こども達は無法地帯で生きていることになってしまいます。

沖縄市立美里中学校の生徒が同じ中学校に通う生徒に暴行を受ける動画がネット上に拡散された事件で、当初沖縄市教育委員会は事実関係を調べた上で「いじめとはみていない」と報じられました。

下は暴行が行われた知花都市緑地

その後、騒ぎが大きくなると、結局沖縄市教育委員会は、

重大ないじめ暴行事件があった

と発表しました。

「無抵抗の生徒を一方的に殴り、その動画を携帯電話のアプリに送信するという重大ないじめで人権侵害だ。痛恨の極みであり、責任を強く痛感している。」

と教育長はコメントしています。

沖縄市教育委員会は動画にあった暴行が「重大ないじめ暴行事件」であったとしていますが、いじめが常態化していたかどうかなど、詳細が不明であるため、今後調査を続けるとしています。

いじめを受けた生徒は軽い打撲を負っていて、被害から遅れて沖縄県警に被害届を提出。既に沖縄県警は被害生徒や周囲にいた生徒から事情を聴取していて、今後加害側生徒からも話を聴く予定になっています。

被害生徒の保護者は当初「被害届は出さない」と報じられました

この事件が報じられた当初、被害生徒の母親から「表立ったことはしないでほしい。」との要望があり、美里中学校が全校集会をとりやめたとされていました。

また、被害生徒と加害生徒らは小学校時代からの友人関係であり、中学進学後も家族ぐるみでの付き合いが続いていたこともあり、被害生徒の父親が警察への被害届を出したくないと考えていたそうです。また、被害生徒の父親は加害生徒と直接話をしたいと希望していたため、1月29日に美里中学校内で個別の話し合いが持たれました。

個別の話し合いの後、被害生徒の父親は

「反省しているので、今後も友人関係が続くように学校側に様子を見ていただければ。」

と美里中学校側に対して話したそうですが、この話し合いには暴行を加えたアンダーシャツの生徒が参加しなかったそうですが、僕が父親であればあれだけの暴行を加えた主犯が不在の話し合いは意味が無いと感じると思います。

取り巻いていた生徒達が反省をしていたことを評価はしながらも、その話し合いの場に出てこなかった生徒に対する怒りは当然です。

いじめ被害者とその保護者が加害生徒を告訴したり、被害届けを出すことには大きな障壁があります。

加害生徒の親が有力者であったりすれば圧力や嫌がらせを受ける恐れがありますし、加害生徒達本人から報復を受ける恐れがあります。また、問題を大きくしたとして、学校内で教師たちから不当な扱いを受ける恐れさえもあります。

それでも、被害届けを出したことはよほどだったのだと思いますし、僕もあの動画を見て、気持ちが理解できました。

あれは、単なる「いじめ」ではなく、明らかな暴行事件であり、警察が介入すべきですし、法律に基いて裁かれるべきです。加害生徒の殴る・蹴るの技術が低かったために幸い大きな怪我は負わずに済みましたが、技術が低いがゆえに逆に急所に当たって命に関わった恐れもあります。

状況によっては両成敗とするべき喧嘩も中にはあると思いますが、無抵抗の相手をいわゆる「フルボッコ」することがどんな結果を招くのかについてしっかりと学ばせるためにも、アンダーシャツの生徒は適切な処分を受けるべきです。

昨年5月にも沖縄市立美里中学校で発生していた暴行事件

今回の暴行事件に先立って、昨年5月11日にも美里中学校の生徒が別の中学校の生徒から暴行を受け、それを撮影した動画がLINEを通じて共有されるという事件が起きていたことが明らかになりました。

被害生徒は鼻血を出す怪我を負い、その後8ヶ月に渡って学校を休んでいました。

暴行によって怪我を負い、その様子が動画で撮影され、ネット上に拡散された上、事件後に8ヶ月も学校に行けなかったにも関わらず、学校・教育委員会の対応は淡々としたお粗末極まりないもの。

  • 5月30日に学校は被害生徒の両親から報告を受けて事件を把握
  • 学校側は事実関係を確認した後、削除を指示
  • 学校側は暴行を把握した日に沖縄市教育委員会に報告

この対応に「いじめ」を真剣になくそうとする姿勢が感じられず、結局それが今回の事件を引き起こすことに繋がったはずです。

沖縄県教育庁義務教育課が作った「沖縄県いじめ対応マニュアル」もありますが、色々なところから取ってきた情報をぶっこんだだけで「これ使ってないんじゃないの?」って印象を受けます。

去年の事件についても、学校と沖縄市教育委員会は説明を行うとしていますが、個別案件の説明をして終わりではなく、沖縄市全体で悪質な「いじめ」をゼロにする位の気持ちを持って対策を行って欲しいと思います。

 - 小中高

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