加西市の中学校で教師が生徒を焼く

兵庫県加西市の市立中学で教師が生徒の頭を焼く

兵庫県加西市北条中学校で国語の授業中に教師（26）が生徒を頭をライターで焼く暴行事件が発生していました。

兵庫県加西市立北条中学校

事件が起きたのは1月20日午後2時半頃で、１年生の国語の授業中に「姿勢が悪い」と指導しても直さなかった生徒に対して、ズボンのポケットに入っていたライターを取り出して火を付け、男子生徒の左側頭部にの髪を焼きました。

男子生徒は髪の毛を焼くだけで、怪我はしませんでしたが、加西市立北条中学校は教育委員会に報告をせず、事件の隠蔽を図りました。事件はメディアが関係者に取材して発覚したものです。

髪を焼くのは傷害罪

勝手に髪を切るのは傷害罪に当たりますので、当然ライターで髪を焼くのも傷害罪です。

校則に違反して髪を伸ばしていたことを指導し、教師が髪を切ることも傷害罪ですが、若干意見が割れるところかも知れません。僕の時代では、他の生徒の前で、女子は前髪を切られ、男子はバリカンで刈られるという懲罰が普通でしたから、古い人間には「仕方ないんじゃないの」的な反応があってもおかしくありません。

ですが、ライターに火をつけて、それを頭に近づけて髪を焼くというのは暴行でしかありません。そんなことが、学校内で、しかも授業中に行われたとしたら一大事はなずです。

しかし、

1. 暴行の直後に生徒に「冗談のつもりだったが、不適切な行為だった」と謝罪
2. 1月20日夜に生徒宅を訪問し、保護者に謝罪
3. 1月21日に男子生徒は普段通り登校

以上で禊が終わったとして、校長は教育委員会への報告もせずに事件の隠蔽を図りました。

事件を起こした男性教師は

「なぜしてしまったか分からない。」

と話しているといいますが、自己分析もきちんとできていない状態ではこの教師が今後何をするか分かりません。

加西市教育委員会は寝耳に水の状態

学校からの報告はなく、メディアから事件のことを聞かされた加西市教育委員会が学校に報告を求めると、

• 当事者が納得してくれて、平常通り登校もしていたので、解決したと思っていた。
• ほかに問題行動があったとは把握していない。

と言っているそうです。

暴行事件を起こしたのであれば、示談の有無に関わらず、重大事案として教育委員会に報告する義務があるはず。教育委員会への報告によって、被害生徒への不利益が生じる部分は少しもなく、困るのは校長と加害教師のみですから、要は自分たちが叱られたくない、評価を下げたくないがために、隠蔽を図ったということです。

北条中学校いじめ防止基本方針（※事件後に削除されました）を見てみると、判を押したような基本方針ですが、そこにも

（2）重大自体への対応

校長が重大事態と判断した場合、直ちに、加西市教育委員会に報告するとともに、校長がリーダーシップを発揮し、学校が主体となって、いじめ対応チームに専門的知識及び経験を有する外部の専門家である保護司、民生児童委員、人権擁護委員等を加えた組織で調査し、事態の解決に当たる。

なお、事案によっては、加西市教育委員会が設置する重大事態調査のための組織に協力する。

出典：兵庫県加西市立北条中学校　「北条中学校いじめ防止基本方針」（※事件後に削除されました）より抜粋

校長が「重大事態」だと判断した場合は、いじめは加西市教育委員会に報告することになっていますが、

生徒の髪を授業中にライターの火で焼く

という暴行事件が重大事案ではないと判断するような校長では、どんなに酷いいじめが発生しても、「重大事案ではない」と判断して、教育委員会には報告しないのではないかと思えてしまいます。

加西市立北条中学校　平成26年度　学校評価・関係者評価　報告書（※事件後に削除されました）も読んでみましたが、何が問題点なのか分かっていないのではないかと思えました。

自校の問題点を把握できず、重大事案が発生しても「重大ではない」と判断する校長がいる学校にどうやって安心してこどもを通わせればいいのでしょうか。

加西市教育長は今回の事件を受けて、

対応が遅れ、認識の甘さから信頼を損ねる事態となり大変申し訳ない。学校教育に対する信頼回復に向け、教育委員会を挙げて調査に取り組み、指導を徹底していきたい。

とコメントしていますが、隠蔽体質のある現場からは何も改善は起きないと思いますので、ここは教育委員会に期待をする他ありません。