切断ビーナスに代わる名前

オリンピックは今週の土曜日に開会式、そしてパラリンピックは9月7日に開催式と、本当に秒読みになってきました。未だに不安要素が多いままのリオデジャネイロでの開催ですが、熱い戦いを期待しています。

「切断ビーナス」に代わる名前が欲しいです

パラリンピックで活躍する選手を見て、勇気や元気をもらう人は多いと思います。

国内では「切断ビーナス」によっても勇気や元気をもらった女性は少なくないでしょう。

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写真集のタイトルらしい刺激的なネーミングですが、もっと一般的な呼称があったらいいのにと思います。

「ビーナス」という言葉の印象もありますし、「切断」という言葉は強いですし、切断ではない人もいます。

そしてなにより男性もいます。

ただ、そもそも「呼称」なんて不要なのかも知れません。

視力が悪いからメガネをかける、歯が無くなったから入れ歯を入れる、それと比べると苦労は全く比較になりませんが、でもそんな風に自然に受け取られるようになればいいと思っています。

DAVE BARR氏と会った時に衝撃を受けました

ハーレーダビッドソンに乗って世界一周旅行をしている最中のDAVE BARR氏と初めて会ったのは今から26年も前になります。初めて会った日のことは今でも鮮明に覚えています。

「カシャーン、カシャーン」という金属音と共に、彼はハーレーダビッドソンのパーツがいっぱい詰まったダッフルバッグを肩に担いで僕の前に現れました。

彼の右足は義足で、金属が剥き出し。（後で知ったのですが、左足も義足。）

クッションのゴムは付いていましたが、少し地面に当たるのか歩く度に金属音がして、まるでターミネーターのよう。

彼は「歩くのに邪魔だったから」と足首から先のパーツを手にして笑っていました。

それから、1ヶ月弱彼と共に過ごしたのですが、驚きの連続でした。

彼は17歳のアメリカの海兵隊に入隊し、ベトナム戦争などで兵役についた後、傭兵となり様々な国を渡り歩く中、南アフリカでジープで移動中に地雷を踏み、両足と片耳の聴覚を失いました。

そのような状態では普通の生活を送るだけでも簡単ではないはずですが、彼はそれまでに誰も成し得ていない

ハーレーダビッドソンに乗り、単独で世界一周をする

ことを目指し、旅に出ます。

その旅の途中の彼に僕は出会った訳です。

彼はカレージを間借りして、そこで愛車のショベルヘッドの修理をしていましたが、必要な部品の中には絶版で入手が困難なものもありました。

そんな時、彼は部品を加工して修理するのですが、バイクの周りに取り外されて並べられた部品の一緒に彼の義足が並んでいるのを見た時にハッとしました。

その時までの僕には義足や義手は凄く神聖なものというか、じっと見てはいけない、口にしてもいけない物という感覚がありました。

ですが、彼は自分の「パーツ」として扱っていました。

彼はバイクを修理する時と全く同じように自分の義足も修理して、メンテナンスしていました。

彼が超人であったこともありますが、彼と一緒にいた時、彼が「障がい者」だと感じたことはありません。（※初日に彼が肩に担いでいたダッフルバッグは50kg位あって、僕には一人で運べませんでした。。。）

彼が「足」を外して作業台の上で修理していたとしても、違いを感じませんでした。

ナイキを履くのか、アディダスを履くのか、という位の違いに思えました。

DAVE BARR氏についてはこちら（Kickassmotorcycling.comの記事に飛びます）

サポートが必要か不要かに関わらず、みんながそんな感覚になったらいいのにと今改めて思います。