二日目のカレーで食中毒
2019/06/13
カレーは二日目が美味しいってよく言われます。具材に味もしみますし、カレーの味も落ち着いて確かに美味しく感じます。
ですが、二日目のカレーには若干のリスクがあります。
二日目のカレーで静かに増殖する黄色ブドウ球菌
カレーを作る時は、二日目のカレーを食べたくて、多目に作って翌日に残します。(翌日の家事も楽になりますし)
残ったカレーを小さな容器に移し替えるのは面倒ですし、鍋も洗わなければなりません。かと言って、鍋に入れたままでは冷蔵庫に入らない。冬場で気温が低かったりすると、室温でも翌日火を通すから大丈夫かなと思ってしまいますが、それは危険です。
人間の鼻腔や皮膚の表面や毛穴に潜んでいる黄色ブドウ球菌が調理や容器に移す時に菌移りして、夜間に増殖してしまいます。冷蔵庫に入れても菌はゆっくりと増殖してしまいますが、毒素を産出することはできません。しかし、冬季でも室温で保存すると黄色ブドウ球菌は増殖しながら猛毒エンテロトキシンを産出し、食中毒を引き起こします。
黄色ブドウ球菌の菌自体は人間に食中毒を起こさせることはありませんが、このエンテロトキシンを摂取することで食中毒を引き起こさせます。常温で保存された二日目のカレーを食べる前に火を通したとしても、人間に害のない黄色ブドウ球菌自体は死滅しますが、エンテロトキシンを無毒化することはできません。
困ったことにエンテロトキシンは非常に熱に強く
- 100℃で1時間加熱しても毒素は消えずに残ります
- 高圧殺菌(120℃で20分)でも毒は完全に不活性化することはできません
と一般家庭では一度エンテロトキシンが生成されてしまったら、無毒化することは不可能です。そうなったら、廃棄処分しかありません。
二日目のカレーは急速に冷やして冷蔵庫で保管しましょう
鍋にカレーを入れたままで自然に冷却して、寝る前に冷蔵庫に入れるパターンだと、入れるまでの間に黄色ブドウ球菌が増殖し、エンテロトキシンが生成されてしまう恐れがあります。
そこで、食事が終わったら直ぐに冷蔵庫に入る容器に移し替え、氷水につけるなどして早く冷まして、冷蔵庫で保存しましょう。
そんな時に役立つのが琺瑯(ホーロー)の容器です。
- カレーの色移りを心配する必要がない
- 冷蔵庫から出したらそのまま火に掛けて加熱が可能
- カレーが余ったらそのまま冷蔵庫で保存も可能
野田琺瑯の『CozyMomオリジナル ホワイトシリーズ レクタングル深型セット 』
我が家は現在IWAKIの耐熱ガラスの容器を使っていますが、二日目に鍋に移し替えての加熱が面倒なので、野田琺瑯に切り替える予定をしています。
アイスノンとステンレスボウルでカレーを冷却してはいけません
我が家では昨晩カレーを作りました。結構頑張って煮込んで、いい感じに出来上がった頃、近くに住む母がスーパーで安かったからとうなぎを持ってきてくれました。
うなぎとカレーのどちらを翌日に回すかを家族会議で話し合ったのですが、全員一致でカレーは翌日回しになりました。で、うなぎを食べたのですが、さすがに安いうなぎだけあってそれなりの感じでした。でも、我が家には「二日目のカレー」がある、しかもたっぷりあると思うと心が躍りました。
寝ることになってカレーを容器に移し替えようとするとVitaCraftの保温性のせいでカレーはまだアツアツのまま。そこで、冷やすためにステンレスのボウルに入れてしばらく放置しましたが、なかなか冷えてくれません。そこで妻がアイスノンで冷やしたらというので冷え冷えのアイスノンを出して、その上にボウルを置きました。少しグラグラしますが、動くものでもないので倒れるはずもないと思い、冷めるまでの間、隣の部屋で仕事をしていました。
ふと気が付くと時間は午前3時。既に2時間ほど冷やしています。もうさすがに大丈夫だろうとキッチンに戻ってボウルを見た時は泣きそうになりました。ラップをかけてアイスノンの上に乗せたボウルは倒れてしまい、中のカレーがシンクに流れ出ていました。残ったのは1割程度。全部で8皿分作ったので、7皿分以上が流れ出て、無駄になってしまいました。しかも、そこからの片づけが大変でした。
黄色ブドウ球菌で食中毒を起こさないようにと万全の対策をしたのですが、詰めが甘くて二日目のカレーはこどもの分しか残りませんでした。ガラスの容器は熱を逃がしにくいのでステンレスのボウルを使ったのですが、それが災いのもとでした。それも、琺瑯の容器に切り替えれば全てうまく行きます。
早く野田琺瑯の容器を買います。
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