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ツアーバスの事故でこどもを守る方法

      2019/06/12

バス運行会社と国土交通省を盲信するとこどもを殺されます

軽井沢スキーバス転落事故について調査が進めば進むほど、次から次にずさんな管理体制が明らかになっていきます。バス運行会社の「イーエスピー」は大型バス事業から撤退する旨を特別監査後の会見で表明しましたが、それだけで問題は解決しません。

今回国土交通省が実施した特別監査で発覚した違反行為は、ずさんな書類管理や過労運転など、これまでに20件近く確認されていて、国土交通省は

「ここまでひどい状況は例がない。」

として、今後もさらに調査を進める方針としています。

さらっと読み流してしまいそうですが、国土交通省は2015年2月に立入検査をして、

  • 労働安全衛生法で定められた健康診断を運転手に受けさせていなかった
  • 運転手の健康状態や酒気帯びなどの確認をしていなかった
  • 運転手を雇用したときに行う適性診断を受けさせていなかった

などの違反があったとして、事故の2日前に行政処分(車両一台を20日間使用禁止)が実施されたばかりです。

2015年2月の立入検査で

  • ずさんな書類管理
  • 過労運転

などの違反にも気付き、しっかりと改善をさせていたら、今回の事故は防げた可能性もあります。

2月に立入検査を実施し、違反があったからとその10ヶ月後に罰「車両一台を20日間使用禁止」を与えたところで、改善するとは思えません。事実、「イーエスピー」は何も改善していません。

今回の事故は、「イーエスピー」が異常な管理をしていたことが主な原因ですが、そこにバス運行を依頼した「キースツアー」は勿論、2015年2月に立入検査をしながら全く改善させることが出来ず、そのままの状態で運行を続けさせた国土交通省にも責任はあります。他人事のように「ここまでひどい状況は例がない。」などと言わずに、反省し、再発防止のために立入検査のあり方を検討して頂きたいものです。

国土交通省は、

  • 通常の立入検査では十分に問題点を見付けることができない
  • 問題点を見付けても、運行会社に改善をさせることができない

ことから、他にも「イーエスピー」レベルのバス運行会社が存在していても不思議ではありません。

大学生は間もなく学年末試験を終えて、長い春休みに入るところが多くあります。ここ数日の寒波と低気圧で、スキー場のコンディションは良くなっているでしょうから、多くの学生がスキーツアーでバスに乗ることと思います。また、帰省する際にも、長距離バスを利用する学生は少なくないでしょう。

バス運行会社と国土交通省を信用せずに、自分の命は自分で守る覚悟をしなければなりません。(今の国土交通省は信用なりませんが、今後の国土交通省には期待はしています。)

ツアーバスの事故でこどもを守る方法

ツアーバスの事故で生き残る方法については過去記事「ツアーバスの事故で生き残る方法」で書きましたが、今一度おさらいをしておきましょう。

シートベルトは

乗るなら締めろ、締めないなら乗るな

眠る時でも、

シートは極力倒さない

バスの挙動に異変を感じたら、即座に衝突防御姿勢。

  • 床に足を付ける
  • 体を折って手で足首を掴む、または前かがみになって、前のシートに頭を付ける

川や湖など水中に転落した場合に備えて、

グラスブレーカーを携帯

是非これらを実行ください。

こどもが小さい場合は特別な配慮が必要です

道路交通法施行令(昭和三十五年十月十一日政令第二百七十号) 「第二十六条の三の二第一項第六号」で、

(座席ベルト及び幼児用補助装置に係る義務の免除)

六  道路運送法第三条第一号 に掲げる一般旅客自動車運送事業の用に供される自動車の運転者が当該事業に係る旅客である幼児を乗車させるとき。

出典:道路交通法施行令(昭和三十五年十月十一日政令第二百七十号) 

ツアーバスに幼児(6歳未満のこども)を乗せる場合は、チャイルドシートの使用は免除されています。これはバスの安全性を考慮したものでは全く無く、バス運行会社が

  • いつ
  • 何人
  • 何歳

のこどもが乗るか分からないのにチャイルドシートを準備するのは難しいことから、バス運行会社のために免除しています。ですから、バスについてはこどもの安全を確保するには、その保護者がチャイルドシートを準備しなければなりません。

ですが、スキー等の旅行に行くのに大きなチャイルドシートを持参するのは大変です。

かと言って、幼児が2点式のシートベルトだけを使用するのは、

  • ジャックナイフ現象(事故の衝撃でシートベルトの上からすり抜けて天井に衝突する現象)
  • サブマリン現象(事故の衝撃でシートベルトの下からすり抜けて床などに衝突する現象)

を起こし易いため、お勧めできません。

そこで、幼児をバスに乗せる場合は、

トラベルベストECプラス(日本育児)

ハーネスや一般的なベストタイプのものよりもしっかりしていますが、簡易版なので軽く、持ち運びが便利です。

CARES(Kids Fly Safe)

CARESは幼児(~20kg・~101cm)を飛行機に乗せる際に使用することは認められている幼児用補助装置です。公式サイトには、「3点式シートベルトに合わないため自動車での使用はできません。(Absolutely NOT. CARES is NOT certified for use in automobiles and does not work with a three-point (shoulder) harness. NEVER TRY TO USE CARES IN YOUR CAR.)」と書かれていますが、2点式シートベルトを使用するバスの場合には流用できると思います。※流用する場合は、保障などが効かなくなります。

などの幼児用補助装置の使用をご検討ください。

もし急な旅行で何も用意できない場合は、

  • シートは倒さない
  • シートに深く座る
  • 衝突防御姿勢では、しっかりと体を折り曲げさせる

ようにしてください。

また、事故を起こした車両が火災を起こす恐れがあったり、川や湖に落ちた場合は緊急脱出する必要がありますが、その際にベルトを外すのに戸惑わないために、親が取り扱いに習熟するだけではなく、

こどもが自分で外すことができる

ように練習しておくと安全です。(でも、勝手に外さないようにしっかり約束しておきましょう。)

今後バス事故で誰も犠牲になりませんように。

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