その絶望感や苦痛 薬で楽になる可能性があります
2019/06/12
京都府では小学生が兄の大麻を吸引、岐阜県で女子高生、そして茨城県では女子中学生が覚せい剤を使用するというショッキングな事件が立て続けに起きました。そして、今回の清原和博氏の逮捕。いかに薬物が身近な存在になっているかを感じさせます。
「薬物なんて自分には関係ない」って思っている人がほとんどだと思います。「手を出すのは馬鹿だ」って思っている人も多いでしょう。
でも、薬物に手を出してしまった人も同じように思っていたと思います。薬物に手を出す、出さないは、意思の強さもあるかも知れませんが、「運」もあると思います。悪い方の「運」です。
重症のうつ病の苦痛は想像を超えています
うつ病になったことがない人には
- 怠けているだけだ
- 気持ちを切り替ればいいのに
とか思えてしまうかも知れません。そんな人も重症のうつ病を経験したら、考えを改めるとことでしょう。(もっとも改めるのは、うつ病がある程度落ち着いてからになると思いますが。)
耐え難い苦痛にどれほど悶ても、周囲は誰も理解してくれません。その苦しみは時間が経過しても、楽しいことを目の前にしても、食べても、寝ても覚めても消えることはありません。
頭や心を押しつぶされるような、引き裂かれるような、表現ができない苦しみが延々と続きます。
僕も重症のうつ病になった時、薬物に手を出すことを考えました。それで楽になるのなら、と。自殺を考えた時は、どうせ死ぬ位だったら、薬物で楽になるか試してみようとか。色々思いました。でも、自分でその苦しみがうつ病によるものだと認識できていたので、寸前で止めることができました。ただ、軽いうつになった時に初めて吸ったタバコの量が増え続け、一日に数箱吸っていました。しかも、重いやつを。あの時のせいで肺はだいぶん黒くなってしまったと思いますが、薬物に手を出さずに済んで良かったです。
親や知人がうつ病になるなど、うつ病について知識がある人は、耐え難い苦しみに追い詰められた時でも、「この苦しみはうつ病のせいかも知れない」と気付いて、病院で治療を受けることができます。
でも、
- 「うつ病」を知らない人
- 自分が「うつ病」なったことを認めたくない人
は、治療を受けることが出来ないため、運良く自然治癒する場合もありますが、中には薬物に手を出してしまったり、自殺を選んでしまう恐れがあります。
延々と続く苦しみはうつ病を疑った方がいいです
うつ病でなくても耐え難い苦しみを生む出来事はあります。
愛する人やペットの死、受験や仕事での失敗、大きな病気になった時などです。ですが、どんなに悲しくて苦しくても、明日はやってきますし、次第に苦しみは和らいでいくはずです。
それが全く和らぐことがなく、耐え難い苦しみが延々と続いたり、強まったりした時には、不幸な出来事に対して苦痛を感じているのではなくて、脳自体が苦痛を生み出し、それを感じる状態(うつ病)になってしまっています。
もしそんな状態に陥ったら、近くの心療内科か精神科を受診してください。
抗うつ剤でその耐え難い苦痛からの解放へと一歩踏み出せます
医師の診断に基づく抗うつ剤を服用すれば、耐え難い苦痛も和らぎます。直ぐに効果がでなくても、服用することで苦痛が和らぐことに希望が持てるようになります。
抗うつ剤の服用に否定的な方もいるとは思いますが、苦痛に耐え切れずに、死を選んだり、危険な薬物に手を出すことと比べれば、些細なことです。
心療内科や精神科を受診することは全く恥ずかしいことではありません。
歯が痛ければ歯科、胃が痛ければ内科、関節が痛ければ整形外科。
心が痛い場合は心療内科・精神科。
まったくもって当然のことです。
恥ずかしいと思わずに、どれほど、どんな風に苦しいのかを医師に伝えて、適切な薬を処方してもらってください。
危険な薬物は苦痛から解放せずに、新たな苦痛を生み出し、あなたの人生を崩壊させます
あなたが苦痛で地獄をさまよっている時に、優しく声をかけてくれる人は神様に見えるかも知れません。その人にすがりたくなる気持ちも分かります。
でも、その人が「楽になるから」と危険な薬物を勧める時、その人はあなたのことなんて微塵も心配していません。自分の利益だけを考えて、その薬物を勧めているだけです。騙されてはいけません。
違法とされている薬物では、苦痛から解放してくれないだけではなく、新たな苦痛を生み出し、地獄の更に深いところに落ちてしまいます。
甘い言葉に騙されずに、医師が処方する正しい薬を服用してください。
こどもの様子に注意してください
大人でも自分がうつ病だと気付けなかったり、うつ病であることを恥ずかしいと思って誰にも言い出せなかったりします。
それが、こどもの場合はなおさらです。友達にも、親にさえ言えずに一人苦しんでいる可能性があります。
「大丈夫?」
「うん」
で会話を終わらせてはいけません。
こどもの様子から「うつ状態」を感じ取らなければなりません。
こどもの自殺や危険薬物の使用を止められるのは、厚生労働省でも、学校でも、警察でもありません。救えるのは親だけです。
こどもの様子に注意するだけではなく、普段の会話から
- うつ病とはどんな病気なのか
- うつ病は決して恥ずかしい病気ではない
- うつ病による苦痛は薬で和らげたり、治すことが可能
などをこどもに伝えておくことも重要です。
薬物に手を出してはいけないことを知っていても、大人でも泣き叫ぶほどの苦痛に襲われた時にこども達が正しい判断ができるとは思えません。
うつ病の話をタブーにせずに、オープンに話をすることでこども達を守ってあげましょう。
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