台風15号でソーラーパネルの弱点露呈

郊外へ行くとソーラー発電施設が目につくようになりました。もの凄い数の黒い板が整然と並んでいる風景はちょっと不思議な感じです。ソーラーパネルは発電力や耐久性が注目されがちですが、どうやら大きな弱点がありそうです。

台風・突風などで破壊されてしまいます

昔のソーラーパネルと違ってパネル自体の耐久性は上がっています。長年の間、太陽光や風雪にさらされて持っています。、壊れることなく発電を続けることができます。

しかし、今回の台風15号では福岡県行橋市にあるソーラー発電施設が壊滅的な被害を受けました。日本は台風が来ますので、ある程度の風は想定していると思いますが、その想定を超えた風が吹けば破壊されてしまいます。

遊休地などに設置されたソーラーパネルを見るとコンクリート基礎ではなく、アンカー工法を使っている簡素な作りのものが目立ちます。また、アンカー部分だけではなく、支柱や設置架台なども強度をギリギリまで落として重量とコストを落としてあるため、強い力がかかると崩壊する恐れがあります。

また飛ばされたものがパネルに落ちて破損する恐れもあります。市街地と違って、ソーラー発電施設に使用される遊休地は郊外にあり、飛ばされる恐れがあるものが少なくありません。

今後大きな台風や竜巻・突風が発生する可能性は無くなりません

地球温暖化問題が解決しない限り、無くなるどころか大きな台風が発生する可能性は上がり、竜巻・突風が発生する回数も増えるはずです。

ソーラー発電施設を設置する場合は、

• 地形的に風が強まる場所ではないか
• 架台の強度は十分かどうか
• 飛ばされる恐れがあるものが付近にないか
• 保険

をしっかり検討しましょう。

天災よりも怖いかも知れない伏兵「盗難」

ソーラーパネルに強い風は脅威なんですが、実はかなり恐ろしい脅威が隠れています。それは、

盗難

です。

遊休地などに野立てで設置する場合、十分に監視の目が届きません。監視カメラが設置されていない場所もあります。

2014年には、

茨城県大子町でソーラーパネル531枚が盗難

建設中のメガソーラー（大規模太陽光発電所）からソーラーパネル531枚が盗難される事件が発生しています。531枚という規模から恐らく複数の窃盗グループによる犯行と見られています。中古市場が出来上がりつつありますので、今後は更にパネル本体の盗難事件が増加する恐れがあります。

滋賀県野洲市のメガソーラーから銅ケーブル延べ950メートル（被害額406万円）が盗難

メガソーラーで発電用の銅ケーブルが盗難被害にあいました。延べ650メートル分（被害額260万円）が盗難された後にケーブルを金属製のケースで覆うなどの対策を施しましたが、翌月下旬には再び延べ300メートル分（被害額146万円）が盗難被害にあいました。発電用の銅ケーブルは純度が高いため、高値で取引がされます。銅ケーブルの盗難はメガソーラーに限らず発生していますが、警備が手薄（または無い）上に、ソーラーパネルに隠れる形で作業ができるので発見し難いという問題があり、この先もメガソーラーが狙われる恐れがあります。

屋根の上に設置する家庭用ソーラーパネルは比較的安心なんですが、もし遊休地などに大きめのソーラー発電施設を建設して資産運用を図られる場合は、パネルの発電力や耐久性だけではなく、その他の色々な弱点についても十分に検討して、資産が減ってしまうようなことにならないように注意してください。