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日本の毒ガエルはヒキガエルだけじゃないんです

      2019/06/13

この季節、夜になると田んぼでカエルが大合唱。これを聞くと夏が近いのを実感します。

カエルは両生類の中で一番身近で、こどもが好きな動物のひとつです。おやまじゃくしやカエルを小さな水槽で飼ったことがある方も多いのでは。

そんなカエルにも毒があるって知っていましたか?

ヒキガエルは有毒です

写真で見ると確かに毒ありそうな面構えですよね。でも、僕が一番好きなカエルです。

ヒキガエル※ニホンヒキガエルではありません。スミマセン。

日本にはニホンヒキガエル他数種類が生息しています。都市部では余り目にしないカエルなので見たことのない方も多いかも知れません。そんなヒキガエル、耳の後ろにある耳腺という場所から毒汁を出すんです。捕食されないようにするための防衛策なんですが、危機的状況ではその毒汁を飛ばすこともあり、犬がヒキガエルをからかっているうちに毒汁ブシャーってされて泡を吹くことになります。(比喩ではなく、本当に泡を吹きます。)僕は小学生の頃に動物記か何かでこれを読んで犬の散歩の時にはヒキガエルに注意していましたが、未だに一度も遭遇したことはありません。万が一犬が毒汁ブシャーの被害にあったら、即動物病院へ連れて行きましょう。

毒の成分はブフォトキシンなどの数種の強心性のステロイドと発痛作用のあるセロトニンのような神経伝達物質のちゃんぽんです。因みにヒキガエルを好んで捕食するヤマカガシはこの毒を受け継ぎます。(過去記事「猛毒ヤマカガシ」参照)

ヒキガエル以外の毒ガエル

比較的ヒキガエルが毒を持つことは知られている方ですが、その他に毒があるカエルが日本にいることは知られていないかも知れません。実はあの可愛いカエルも毒ガエルなんです。

その名は「ニホンアマガエル」!

そうです、あの可愛いアマガエルにも毒があるんです。手に乗せたことがある方も少なくないと思います。「耳腺から毒を飛ばしても届かないでしょう」って油断すると危険です。アマガエルは耳腺からではなく、全身の皮膚から毒汁を出します。

毒汁というと攻撃的なイメージですが、アマガエルの毒汁は皮膚を細菌などから守るためのもので、捕食を防ぐほどの威力もないようです。アマガエルは両生類なので、常に皮膚の表面が湿っています。それの皮膚を守るために細胞からヒストンというタンパク質を出しているそうです。

ここまで読んで「!」となったあなた、鋭いです。そうなんです。

両生類は何らかの皮膚保護用の毒を持っている可能性大

日本にいるシュレーゲルアオガエルも皮膚からヒストンH2Bを出しますので、近種のモリアオガエルも同じだと思われます。他のカエルについても恐らく皮膚から他の生き物にとっては毒となるたんぱく質を出しているものと思われます。

韓国の研究チームが、ナマズも危機的状況で皮膚からパラシンⅠ(H2Aから作り出されるそうです)を出して皮膚を守っていることを発見しました。ヌメヌメした生き物の皮膚には注意が必要ですよ。

毒から身を守るためにすべきこと

ヒキガエルは毒汁を飛ばすので顔を近づけないなどの特別な注意が必要ですが、他のカエルに関しては共通の注意をすることで安全は確保できます。しかも、簡単ですので、こどもにもしっかりと教えてあげてくださいね。

  • カエルを触ったら必ずしっかりと手を洗う(環境にもよりますが、危険な菌がついている場合もありますので、手洗いは必須)
  • カエルを触った手で粘膜(目・鼻・口)を決して触らない(目は失明の恐れもありますので、触ってしまった場合は流水で洗い流して、至急眼科医の診察を受けてください)
  • 傷のある手でカエルを触らない(毒汁だけではなく、菌感染の恐れもありますので、絶対に止めましょう)
  • カエルを口・鼻に入れない(鼻ザリガニ以上に危険)※過去記事「かなり危険な鼻ザリガニ」参照)

カエルは身近で本当に愛らしい生き物なんですが、ひとが触ったことでカエルの繊細な皮膚に傷がついて病気になる可能性がありますし、ひとがヒストンで粘膜部に炎症を起こす可能性もあります。お互いのためにも、むやみなスキンシップは避けて、良い関係を保ちたいですね。

 - ペット, 健康, 公園, 危険生物, 生活, 育児

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