大阪市淀川区の「たんぽぽの国　東三国園」で1歳児が死亡

またもや悲しい事故。

淀川区の「たんぽぽの国　東三国園」で1歳児死亡

大阪府大阪市淀川区にある認可外保育所「たんぽぽの国　東三国園」で初めての通所時の昼寝中に死亡する事故がありました。

4月4日午後、この男児は初めて「たんぽぽの国東三国園」に預けられました。

しばらくして、うつぶせの状態で昼寝を始め、その後に横向きに姿勢を変えられました。

保育士は昼寝の様子を横目で見ながら、他の子供にお菓子を与えていましたが、15時半頃に男児の異常に気づきました。

そして16時半頃、搬送先の病院で男児の死亡が確認されました。

この日は、保育士と従業員の２人で、１～３歳の11人の子供（亡くなった男児を含む）を預かっていました。

昨年神奈川県平塚市で乳児が亡くなった事故を起こした「ちびっこBOY」では5人のこどもを1名のスタッフで対応していました。

実はこの保育所、昨年8月以降に保育従事者が1人になったり、保育士不在の時間帯があるなど、市の指導監督基準を満たしていない場合があったことが大阪市の特別立ち入り調査で分かっています。

この事故も「防げるはずの事故」であったはずで、残念でなりません。

詳しい事故原因などについては、大阪府警が捜査を進めています。

「たんぽぽのくに」とは無関係です

「たんぽぽの国　東三国園」は、「たんぽぽのくに　三国ヶ丘駅前保育園」とは全く別のものです。

風評被害が心配されます。くれぐれもお間違いのないようにお願いします。

事故を起こしたのは、

• 名称：たんぽぽの国　東三国園
• 住所：大阪府大阪市淀川区東三国5丁目15－14
• サイト：タウンページのサイト「たんぽぽの国　東三国園」　※FC2ブログは閉鎖
• 動画サイト：http://douga-plus.itp.ne.jp/embed/nUX6oHItJHoe
• 設立：平成6年12月

です。

注意しなければいけないのは、「認可外」という名称は、闇とかではなく、国が定めた認可基準に何かの要件が足りない、または要件はクリアしていても行政の都合で認可が下りなかったりする保育園です。

報道で「認可外」と書かれると、そちらの方に誘導される恐れがあり、注意しなければなりません。

「たんぽぽの国　東三国園」の経営母体「ベルサンテスタッフ株式会社」

報道では、同じビルに入居している会社が経営しているとされていましたが、経営法人は

• 法人名：ベルサンテスタッフ株式会社
• 事業内容：人材派遣（保育士・幼稚園教諭・栄養士・調理師・看護師など）
• 代表：代表取締役 中野 栄造
• 住所：大阪府大阪市淀川区東三国五丁目１５番１４号
• サイト：http://www.bellsante.co.jp/index.html　
• サイト：http://www.bellsante.com/

保育や看護に特化した人材派遣業を営む会社のようです。

ニュースなどで謝罪のコメントをしていた中野栄造施設長はこの法人の代表取締役社長でもあります。

保育士や看護師の派遣を行う法人を経営していましたが、その保育所で保育士・スタッフが十分な数いなかったというのは大きな問題です。

こどもの安全をどのように考えていたのでしょうか。

また、この法人は昨年京都労働局から労働者派遣事業改善命令を受けています。

派遣元事業主に対する労働者派遣事業改善命令（厚生労働省）

今回の事故とは「直接の関係」はありませんが、コンプライアンスに関して問題があるようです。

「直接の関係」はないと書きましたが、関係がない訳ではありません。

コンプライアンスを軽んじる会社はコンプライアンス以外でも問題を抱えていることが少なくありません。

起こるべくして起きてしまった事故なのかも知れません。

東京都中央区にある「キッズスクウェア日本橋室町」でも死亡事故

先月の3月11日、職員がうつ伏せで寝かしていた1歳2ヶ月の男児が亡くなる事故が起きています。

事故が起きたのは、キッズスクウェア日本橋室町。

東京都では、保育所でこどもを

• 仰向けで寝かせる
• 呼吸などを細かく観察する

などの基準を設けていますが、この保育所では守られていませんでした。

男児はうつ伏せのままで2時間以上昼寝を継続

しただけではなく、

異常に気付くまでの50分間は放置状態

これを受けて、東京都は都は安全管理の問題があったとして、先月3月24日に施設の立ち入り調査を実施、運営会社である「株式会社アルファコーポレーション」に対しては改善を求める行政指導をしています。

株式会社アルファコーポレーションと言えば、京都に本社がある会社で、全国に保育所・託児所や幼児教室を展開するこの分野のパイオニア的な存在です。

• 法人名：株式会社アルファコーポレーション
• 事業内容：チャイルドケアセンター／キッズスクウェア、ベビーシッターサービス、スクール／アルファ・アカデミーなど
• 代表：代表取締役　坂本秀美
• 住所：京都市下京区四条烏丸東入長刀鉾町8 京都三井ビルディング4F（本社）
• サイト：http://www.alpha-co.com/

市川市の保育園が立地の問題で開園を断念した件で、新しいスタイルの保育所としてホテル内に保育所を開設した例として

HOPPAからすま京都ホテル

をコメント欄で紹介させて頂きましたが、ホテルへの進出では株式会社アルファコーポレーションが業界で一歩も二歩も抜きん出ています。

キッズスクエア

• 六本木ヒルズ
• アークヒルズ
• 東京ドームホテル
• 丸の内東京ビル
• 横浜ベイホテル東急
• さいたまスーパーアリーナ
• 永田町
• 銀座三越
• 日本橋室町
• 有明セントラルタワー
• 丸の内永楽ビル
• 東京スクエアガーデン
• 京都ホテルオークラ店
• 帝国ホテル大阪
• ハービスOSAKA
• JR長岡京
• 中之島フェスティバルタワー
• 福岡天神南

クレアナーサリー

• 新百合ヶ丘
• 千住大橋
• 足立さくら園
• 向ヶ丘遊園
• 宮前平

万全の設備で、安全について十分な配慮を行っていたとしても、たった1名のスタッフのミスで大事故が起きてしまうという、このサービスの危険性・難しさを示す事例だと思います。

昨年の「ちびっこBOY」、そして大阪市淀川区の「たんぽぽの国　東三国園」のような事故が起きると、しっかりした経営母体、万全の設備、十分な人数のスタッフがいれば事故は防げたはずと言われ、私達もそのように思ってしまいます。

実際に僕も上で「防げたはずの事故」であると書きました。

ですが、それほど簡単なことではなく、「防げたはずの事故」かも知れませんが、100％安全・確実に保育園・保育所・託児所を運営することは非常に難しいことだと思います。

また、そこで勤務される方の負担も相当なものであるはずです。

金銭面でもそれほど優遇された仕事ではありません。

今、日本では保育園などを増やして、待機児童を減らすことが急務と言われています。

ですが、やみくもの増やせば、今回のような事故が増えてしまう恐れがあるのも忘れてはなりません。

数を増やすのと同時に、質の向上も図っていかなければならず、大変難しい道のりが予想されます。

株式会社アルファコーポレーションの「キッズスクエア」ブランドで死亡事故が発生したことで業界に激震が走っていると思います。

「勝者の驕り」や「人材不足」で片付けずに、どうしたらこのような事故の再発を防げるか、とことん議論して、今後の運営にフィードバックして行って頂きたいと思います。

また、運営手法だけではなく、積極的に技術を取り入れて行って頂きたいとも思います。

2016年1月にプレスリリースされた京都大学とPanasonicが共同開発を行った「非接触で心拍間隔を計測する生体情報センシング技術」など、今後接触・非接触共にこどもの生体情報を簡単・安価にモニタリングする技術が更に出てくるはずです。

それをいち早く取り込んで、こどの達の不幸な死を減らす努力をして頂きたいと思います。

亡くなられたお子さんのご冥福をお祈りします。

お子さんを亡くされたご家族の悲しみが少しでも癒えるように心からお祈りしています。