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お餅を喉に詰まらせて救急搬送される前にすべきこと

      2019/06/12

お餅を喉に詰まらせるのは非常に危険です

過去記事「食べ物によるこどもの窒息事故を防ぎましょう」で書きましたが、食べ物を喉に詰まらせると死に至る危険性がありますので、詰まった後で応急処置をする方法を覚えるよりは、防ぐための工夫をした方がはるかに安全で、効果的です。

中でも、お餅は伸びる上に、気道などに張り付いてしまうため、一度詰まらせると取り除くことが難しく、命を落とす危険性が高い食べ物になりますので、特に注意が必要です。

お餅を詰まらせてしまうと、ハイムリック法を覚えても役に立たない恐れもありますし、掃除機で吸い出す方法も、緊急時に応用できるかどうかは微妙です。

お餅は詰まってから対処するよりも、詰まらないように一工夫する方が絶対にお勧めです。

そもそも、なぜこどもや高齢者はお餅を喉に詰まらせ易いのでしょうか

こどもは食べ物を飲み込む能力が未だ十分に発達していません。

食べ物を飲み込む能力は成長と共に発達させていくものですが、せっかく発達させても、加齢に伴ってその能力は弱っていきます。歳を取ると、こどもの頃のように再び食べ物を飲み込むことが困難になってしまいます。

特に歳を取ると、飲み込む能力が衰えるだけではなく、

  • 唾液の量が減る
  • 歯が抜けて、十分に噛むことができなくなる
  • 飲み込む際に、気道を十分に塞げなくなる

などによって、こども以上に気道に食べ物を詰まらせる危険性が高くなります。

しかも、「昔は飲み込めた」という成功体験の記憶があるので、能力以上の食べ物を飲み込もうとして、喉に詰まらせてしまう危険性を高くします。

お餅を喉に詰まらせない方法

お餅を喉に詰まらせないようにするには、幾つかのポイントがあります。

お餅は小さく切って出す

大きなお餅を出せば、大きなものを飲み込もうとするリスクがあります。だったら、予め小さく切って出せば、大きな餅を飲み込もうとするリスクは減らせます。面倒でも、リスクが高い高齢者と子どもには、小さく切った餅を出しましょう。

お餅を食べる前にお茶や汁物を飲んで喉を湿らせる

小さなお餅でも喉に張り付いてしまう可能性があります。唾液量が少ないと喉にお餅が張り付くリスクが高まります。餅を食べる前に、お茶や汁物で喉を湿らせることは非常に有効です。

寝起きは喉が乾きがちですし、唾液量も多くはありません。朝食では餅を喉に詰まらせやすくなりますので、特に注意しましょう。リスクの高い高齢者やこどもには、朝食では餅を出さない、または小さくして出すなどの配慮が必要です。

若い人でもドライマウスの人はお餅には注意しましょう。また、ドライマウスではなくても、きなこ餅などはきなこに水分を取られるので、誰でも喉に詰まらせるリスクが高まります。

「自分は大丈夫」と思わずに、ちょっと口の中がもそもそしているかなと思ったら、お茶を飲むなどして、喉に詰まらないようにしましょう。

お餅を食べる時は、喋ったり、テレビを見たりさせずに、集中させましょう

噛んでいる最中に、何かの拍子で飲み込んでしまい、喉に詰まらせる事故もよく起きています。

  • 喋る
  • テレビを見る
  • 歩く

などをさせず、お餅を食べる時は食べることに集中させるようにしましょう。

お餅はよく噛んで食べましょう

お餅はよく噛むことで小さくする効果もありますし、唾液と混ざることで喉への張り付くを予防することが可能です。また、唾液に含まれるアミラーゼという酵素がデンプンを分解することで、切れた餅が再びくっついて大きくなったり、伸びた時に喉に張り付いたりすることを防ぐ効果がありますので、よく噛んで唾液を出し、噛み切った餅に唾液を絡めることはお餅を喉に詰まらせることを予防する上では非常に有効な方法です。

高齢者やこどもに限らず、お餅を食べる際には、しっかり噛んで食べるようにしましょう。消化もよくなって、膵臓への負担が減るため、健康にもいいですよ。

入歯がある人は必ず入歯を着けて食事をする

面倒だからと入歯を着けずにお餅を食べると誤って喉に詰まらせる恐れがあります。入歯がある方は、必ず入歯を着けてから食事をするように、家族の方はチェックしてあげましょう。

伸びにくいお餅を選ぶ

最近のお餅の中には、事故防止のために、うるち米を混ぜたりして、お餅特有の弾力は保ちながら、伸びたり、張り付いたりすることを抑えた安全なお餅もあります。高齢者やこどもなどの高リスクな家族がいる場合は、このようなお餅を選ぶのも、安全です。是非検討してみてください。

ご参考:株式会社ふくなお さっくりお餅

お餅は縁起がいい食べ物です。そのお餅でひやっとしないように、是非お餅を食べる時は一工夫とちょっと注意をしてください。皆様が、楽しく、安全なお正月を送れますように。

 - 健康, 安全, 生活, 育児

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