冬は高齢者だけじゃなくカメラなどもヒートショックに注意しましょう
2019/06/12
今年の冬は暖かいのでまだマシですが、冷え込んだ夜に浴室・脱衣所・トイレなどに入ると、体が熱を奪われまいと血管を細くするために血圧が上がってしまい、結果脳卒中や心筋梗塞などを引き起こすリスクが上がります。その現象はヒートショックと呼ばれ、高齢者や心臓などに疾患がある人は特に注意をしなければなりません。
でも、実はカメラなどもヒートショックに注意しなければなりません。
暖かい場所に入る場合はカメラもヒートショックに注意
カメラの場合は、人間と逆です。
人間のヒートショックは、
暖かい場所⇒寒い場所
への移動で注意が必要ですが、
カメラの場合は、
寒い場所⇒暖かい場所
への移動で注意が必要です。
人間の場合は、暖かい場所から寒い場所へ移動すると、体温を奪われないように血管が細くなり、血流を抑制します。その副作用として血圧が上がってしまい、脳卒中や心筋梗塞を引き起こすリスクが上がってしまいます。
カメラの場合は、寒い場所で使用してキンキンに冷えた状態のカメラを暖かくて湿気の多い室内に持ち込むと結露が発生します。この結露がカメラにとって大敵なんです。
結露はカメラの様々な場所で起きます。ボディーは勿論、
- レンズ
- 電子基板
- バッテリー端子
など、水分を嫌う部分でも結露が起きてしまいます。
表面の結露は拭くことができますが、内部で結露をすると一時的に使用不能になる場合があります。電子基板やバッテリー端子などの結露は誤作動や故障の原因になります。
ズームレンズは便利なのですが、レンズがキンキンに冷えた状態でズーミングをすると、レンズの筒の中の空気が出入りをして、冷えた筒内に暖かく湿った空気が触れて、筒の中のレンズなどに結露が生じる可能性があります。この結露した水分と吸い込んだ空気の中の有機物を元にしてカビが発生する原因にもなってしまいます。
冷えたカメラを暖かい室内で使うには慣らしが必要です
屋外で使用してキンキンに冷えたカメラを室内で使用するためには、一手間が必要です。
- 屋外でカメラにビニール袋を被せる
- ビニール袋に入れたまま、カメラを室内に持ち込む
- ビニール袋の中の空気と一緒にカメラを室内の温度に慣らす
- ビニール袋の上から触ってカメラが冷たく感じなくなったら、袋から出して使用可能
ビニール袋の代わりにカメラバッグやジャンバーやコートに包む方法もありますが、厚ければ厚いほどカメラの温度が上がるのに時間がかかりますので、その辺りはケースバイケースで時間を変える必要があります。(包みを開けずに、手を突っ込んでカメラの温まり具合を確認してから開けると安全です。)
温度差と室内の湿度がある程度のレベルを超えないと結露はしません。ただ、冬場は屋外で使用したカメラを室内に持ち込む際には、常にヒートショック対策をしておいた方が安全です。
一手間が面倒な人は、カイロなどで機器を常に温めておくことも効果があります。でも、その方が遥かに面倒なので、特別な場合(厳冬期などで機器の作動温度を下回ってしまう)を除けば、暖かい部屋に入る前に一手間加える方が簡単です。
コンデジ、携帯、スマホ、パソコン、タブレットも結露に注意しましょう
防水レベルが高い機器で、内部の湿度が低く保たれている場合を除けば、ほとんどの光学機器・電子機器についてヒートショックに注意をした方が安全です。
今まで問題がなくても、結露⇒蒸発を繰り返すうちに、基盤が錆びたり、レンズが曇ったり、カビが生えたりする可能性がありますので、過信は禁物です。
一眼レフのレンズやボディーほど神経質になる必要はないかも知れませんが、それでも故障すると困るものが多いので、ある程度注意をしておいた方がいいと思います。
寒い屋外で使用した場合は、
- 室内に入る前に内ポケットなどに入れて、機器の温度を上げておく
- 室内に入る前にカバンに入れて、使用する前に暫くそのままにしておく
- 使用する前に、ポケットやカバンに入れたままで触って温度を確認する
ようにすると安心です。
結露させてしまった場合の対処方法
結露させてしまった場合は、
- 直ぐには拭かず、自然に蒸発するのを待つ
- 外部の結露が消えるまで、作動はさせない(恐らく内部も結露しています)
- 機器の温度が上がって、結露も十分に消えてから使用開始
- 一眼レフなどの繊細な機器の場合は、帰宅してから防湿庫に入れてしっかり乾燥させましょう
- 一眼レフの交換レンズはレンズクリーナーを使った正しい清掃方法でクリーニングしておけば、結露痕が残ったりせずに済みます
冬以外でも結露に注意すべき場所があります
結露は冬に起きますが、実は冬以外でも結露に注意をしなければならない場所があるんです。写真を撮ろうと思ったら、レンズが真っ白で何も見えず、スイッチを入れたら反応もしないなんてことがあるかも知れません。初めて行かれる方は注意してください。
- 室内プール
- 植物園の温室
- 動物園や水族館の熱帯動物館
- 調理場
冬場のヒートショック対策と同じことをしておけば、結露による不具合を気にせず、安心して撮影に集中することができます。
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