賭博と同じ FX依存症にも治療が必要です
2019/06/13
巨人軍の選手による野球賭博が問題になっています。以前、大相撲野球賭博問題がありましたが、今回はプロ野球野球賭博問題。相撲で起きるなら、野球でも起きるだろうと思っていましたが、やっぱりな感じです。タニマチ(谷町)が存在するスポーツなどには、必ずこの問題は付きまといます。
FXは賭博と同じで依存症になります
法律上、FXは「賭博」ではありませんので、逮捕されることはありません。
しかし、賭博の定義は、
「偶然の勝敗により財物・財産上の利益の得喪を争うこと」
とされていますので、FXも賭博と変わりありません。
賭博には、
- 賭事:行為者(代理者)の動作の結果によって勝敗が決まる(例 賭け麻雀)
- 博戯:行為者(代理者)の動作と関係のない事情によって勝敗が決まる(例 野球賭博)
がありますが、FXは博戯に該当します。
FXは賭博と同じなので、賭博依存症と同様にFX依存症になる恐れがあります。
Wikipediaで賭博(ギャンブル)依存症は次のように定義されています。
賭博・ギャンブルは、人の射倖心をくすぐり、時に中毒的な依存状態を招き、破産や人格崩壊に至り、果てには自殺、殺人に及ぶ場合もある。ギャンブルなしでは生きていけなくなった人における依存症(精神疾患)であり、WHO(世界保健機関)では「病的賭博」と言う名称を使用している。この疾患にかかった人をギャンブル依存症者と呼ぶ。自己の生活基盤・価値観、仕事や学業、家族や友人などの人間関係を犠牲にしてでもギャンブルを続けてしまう、と言う進行性を伴う。
出典:Wikipedia「賭博」
その賭博・ギャンブルをFXに置き換えても、まったく問題なく成立します。
一般的な賭博は、人の射倖心をくすぐりますが、FXは射幸心をくすぐるだけではなく、
- 合法なので罪悪感がない
- 外国為替を扱うことによる「仕事している感」
- FXという名称から来る「ちょっとした未来感」
- 自宅や出先でできるため、同じような中毒患者と出会って「自分は何をやっているんだ」という疑問を持ったり、反省したりする機会がない
という性格があるので、賭博にアレルギーがある人でも手を出す可能性があり、そしてFX依存症を発症する恐れもあります。賭博(ギャンブル)依存症にかかった人をバカにしているような人ほど注意が必要です。
FX依存症の治療
暇な時間にちょっと小遣い稼ぎをする程度であれば問題ありません。仮に大きな金額を動かして、本業以上の利益を上げていたとしても問題ありません。
重要なのは、FXとの関係性です。
もし、
- FXをしたいという衝動を抑えられない
- FXをするために借金をしてしまう
- FXで出した損を埋めようと更に大きな金額をFXに投じてしまう
- 身体的、心理的、社会的健康が害されている
- 言動が攻撃的になるなど、変化が生じている
- 自分自身が苦痛を感じているのに止められない
という状況が生じている場合は、もう既にFX依存症に陥っている可能性があります。
大昔は賭博(ギャンブル)依存症は意思薄弱や性格未熟など本人の資質に問題があると考えられていましたが、現在は精神疾患のひとつであると考えられています。
隔離によるギャンブル断ちなど様々な治療法が試されてきましたが、現在は他の依存症と同じように認知行動療法が最も効果があると考えられています。残念なことに有効な薬もないため、気長にカウンセリングなどを中心にした認知行動療法を受ける必要があります。
FX依存症の治療には、病的ギャンブリング(いわゆるギャンブル依存)治療を行っている病院に相談をしてください。
日本における依存症治療のパイオニアとして独立行政法人国立病院機構久里浜医療センターが有名ですので、関東周辺に住んでいる人はそちらに相談してみてください。
久里浜医療センターの他にも病的ギャンブリング(いわゆるギャンブル依存)治療をしている病院がありますし、自治体が相談ダイヤルを開設している場合もありますので、そちらを利用してみてください。
アメリカの診断基準DSM-Ⅳによる病的賭博の診断(5個以上該当する方は要注意です)
- 賭博に囚われている
- 興奮を得るために、掛け金の額が次第に増えている
- 賭博をすることを抑える、減らす、やめるなどの努力を何度もやったが失敗した
- 賭博をしていないと落ち着かずイライラする
- 問題から逃避する手段として、または不快な気分を解消する手段として賭博をする
- 負けると取り返そうと深追いする
- 賭博したことを隠すために嘘をつく
- 賭博の資金を得るために法律に触れるようなことをしたことがある
- 賭博のために、大切な人間関係、教育・職業上の機会を危険にさらしたり失ったりした ことがある
- 借金して賭博をしたり、賭博による経済的な問題を他人に解決してもらったことがある
ギャンブル依存症は、依存者本人だけではなく、家族など周囲にいる人間への影響も大きく、周囲の人が傷つく度合いにおいてはギャンブル依存症を超えるものはないと言われています。特に家族については与える影響が深刻で、依存者本人とは別にケアを行うことが必要とされています。
もしあなた自身が依存症かも知れない場合や家族が依存症かも知れない場合は、一度相談ダイヤルか病院に相談してみてください。
デフレから抜け出せず、給料が増える望みが薄い現在、少しでも家計の足しや子供の教育費にしたいという思いからFXを始めた方も少なくないと思います。ですが、賭博と同じ性格を持つFXは、気付かないうちに依存症を引き起こし、大切な家族や幸せな生活を奪ってしまう恐れがあります。
今FXをしている人もこれからしようと思っている人も、FXにはそういう面があることを忘れないでください。万が一、上のリストで5項目以上当てはまったり、FXをすることが苦痛に感じるようになったら、迷わずに病院の門を叩いてください。
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