駐車場で寝ていた高2がひかれる事故
2019/06/12
夏休み真っ最中。浮かれる気持ちも分かりますが、海で、山で、そして街で事件・事故が起きています。こどもも親も今一度気持ちを引き締めなければなりません。
駐車場で寝ていた高校生が従業員の車にひかれて重傷
7月31日の午前3時前、兵庫県神戸市須磨区にある「餃子の王将白川台店」の駐車場で、女性従業員が運転する車が駐車場で寝ていた高校2年の男子生徒(16歳)をひくという事故がありました。男子生徒は内臓を損傷するなどで意識不明の重体。
事故にあった男子高校生は、友人と二人で原付バイクで大阪府堺市から須磨海岸に遊びに来ていて、家が遠いため「餃子の王将白川台店」の駐車場で一夜を明かそうとしていました。
男子生徒が寝ていたのは、1階が駐車場になった部分。仕事を終えて帰宅しようとした女性従業員が、そこで寝ていた男子生徒に気付かず、ひいてしまう形になりました。
「餃子の王将白川台店」は、月~土曜日は24時間営業ですから、31日(土)午前3時前は未だ営業中。2016年6月30日にリニューアルオープンしたばかりのところ、水を差される形となりました。
事故に繋がった3つの問題点
夏休み中、友達と遠くの海に遊びに行きたい気持ちも分かります。大阪から須磨海岸に行く感じ、東京から湘南に行く感じに似てるかも知れません。
本当は暗くなる前に帰るつもりがついつい遅くなって、夜に移動するよりは、明るくなるのを待って移動した方がいいと考えたのも悪くはありません。
駐車場で寝る行為は「営業妨害」か「軽犯罪」に当たる恐れ
飲食店の駐車場などでは、不法侵入(住居侵入)には該当しないようですが、営業妨害や軽犯罪に当たる恐れがあります。(言うまでもなく、お店の人が許可を出していたら問題ありません。)
このお店で飲食をした後であっても、駐車場は車などで来店した客が使用するための施設ですから、一夜を明かすために寝る場所に使ってはいけません。
また、万が一そこしか安全な場所がなく、お店の人に許可を頂いて寝ることにしたとしても、車の動線上で寝てはいけません。
車を運転する人は発進前に周囲に人や物がないかを確認する義務があります
言うのは簡単なんですが、自動車を運転する人の義務です。普通、夜中の3時に誰かがいるとは思わない訳ですが、飲食店の場合、飲食した後に酔って寝てしまっている人がいる可能性もありますので、どんな時間でも発進前に車の周囲を確認するべきでした。
親は寝る場所について確認・注意すべきでした
親御さんが外泊を知っていたかどうかは分かりません。
大阪府の場合、大阪府青少年健全育成条例によって午後十一時から翌日の午前四時までの外出を控えさせる努力をしなければなりません。
大阪府青少年健全育成条例
(保護者の努力義務)
第二十五条 保護者は、通勤又は通学その他正当な理由がある場合を除き、次の各号に掲げる者の区分に応じ、当該各号に定める時間に青少年を外出させないように努めなければならない。
一 十六歳未満の者 午後八時から翌日の午前四時まで
二 十六歳以上十八歳未満の者 午後十一時から翌日の午前四時まで
(平一七条例一一〇・全改)
出典:大阪府青少年健全育成条例
予定では午後11時までに帰宅することになっていたものの、夜に原付バイクで走らせることは危険と考えて、出先で外泊することを親が許可した上の事だとしても、どこで寝泊まりするかを確認・指示するべきでした。
もし、把握すらしていなかったとすれば、親の努力が不足していたと思います。
寝る場所選びは慎重に慎重を重ねて決めましょう
街中で一夜を明かすために駐車場で寝る人は多くないと思いますが、キャンプなどでテントを張って、中で寝るなんて人は多いかも知れません。
テントの中は安全な気がしますが、「3匹の子豚の藁の家」と同じです。
- 川の近く:上流域で大雨が降った時やダムの放水時に流される恐れがあります。
- 海岸:満潮で水に浸かる恐れや地震による津波の恐れがあります。
- 山:熊などの野生動物に襲われる恐れがあります。
- どこでも:犯罪者に襲われる恐れがあります。
寝ている時、人はたいへん無防備です。
それがたった布切れ一枚ですが、テントの中にいるとなんだか守られているような気持ちになってしまいます。ですが、結局は布切れ一枚、家とは違います。
寝ている間に雨が降り、気が付いたら川の中州に取り残されていたなどという事故が起きる可能性もありますし、人を恐れなくなった熊に襲撃される恐れもあります。
また、こどもだけ、女性だけだと分かった場合、犯罪者に襲われる恐れもあります。
眠っている間は、
危険を察知できず、また逃げることもできない
また
場所によっては誰も助けてくれない(※人がいない)
ということを忘れずに、眠る場所を決める場合は慎重に慎重を期してください。
こどもの成長のために計画を自分で決めさせることも重要ですが、計画を出発前に確認するか、または最低でも命に関わる部分だけは計画を立てる段階で参加するなど、親が監督をしてあげてください。
夏休み中に、これ以上悲しい事故が起きませんように。
そして、事故にあった男子生徒が一日も早く回復することを祈っています。
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