インフルエンザウイルスに感染しにくくなる4つの習慣
2019/06/12
いよいよインフルエンザも本格的な流行期に入ってきました。例年よりも遅れてはいますが、それほど遅れている訳でもなく、シーズン前に思われていたほど少ない年で済まなさそうな雰囲気です。
出典:レベルマップとグラフはNIID国立感染症研究所のウェブサイトより
こどものクラスではインフルエンザと胃腸風邪で現在欠席6名。隣の学区では学級閉鎖も出ていますので、時間の問題かも知れません。その中で、こどもは未だインフルエンザに感染していません。常々気をつけさせている4つの習慣がありますので、ご紹介させていただきます。
正しい手洗いで手についた原因ウイルスを洗い流す
インフルエンザウイルスは凄く強そうなイメージがありますが、実は結構弱い存在です。
人の皮膚に付着したインフルエンザウイルスが感染力を維持できるのは5分間未満と言われています。人の皮膚には、リボヌクレアーゼ(RNase)というリボ核酸を分解する反応を触媒する酵素があって、それがインフルエンザウイルスを不活性化します。(死滅って書かれることがありますが、ウイルスは生きている訳ではないので、不活性化と呼ぶみたいです。)
人が触れるものにはリボヌクレアーゼ(RNase)が付着していますので、そこについたインフルエンザウイルスは長時間活性を保つことができません。
もし全くリボヌクレアーゼ(RNase)が付着していない紙の上にインフルエンザウイルスが付着した場合は、15分間程度活性を保てると言われています。紙や木のような多孔質の上では活性を長い間保てないと言われています。
無菌室の中で、紙や木と言った多孔質のものではなく、プラスチックや金属のような無機質にインフルエンザウイルスを付着させた場合でも、1~2日間活性を保つのが限界と言われています。
しかも、湿度や紫外線の量によっては更に短くなりますので、感染者が放出するインフルエンザウイルスがそこら中に付着しまくって地雷原のようになっている訳ではありません。
ですから、それほど神経質になって、他の人が触れたものを避ける必要はありません。
でも、付着したばかりで未だ活性を保っているインフルエンザを食べ物と一緒に取り込んでしまうと感染する恐れがあります。手に付着したインフルエンザウイルスは5分間も経てば不活性化していますが、念のため、しっかり正しい手洗いを実行してください。(ノロウイルスなど、他のウイルスや細菌はもっと長く活性を保ったり、生きている場合がありますので、インフルエンザの季節だけではなく、常に正しい手洗いをすることは重要です。)
ファーストフード店で食事をする時手を洗わずに食べてしまう人が多いみたいです。多くの人が出入りする上に、手が食べ物(ハンバーガー・ポテトなど)に触れる機会がありますので、ファーストフード店で食事をする時には必ず手を洗ってから食べましょう。(そんな時、トイレの外にも洗面台があるマクドナルドやモスバーガーは助かります)
極力顔を触らない(特に鼻・口・目)
手洗いをしっかり実行しているこどもがインフルエンザウイルスや各種ウイルスにいつも感染してしまう場合、
- 目・鼻・口を触る癖がある
- 鼻をほじる癖がある
- 爪を噛む癖がある
などをしている可能性があります。
大人でも、デスクワークや会議の最中に無意識に顔を触っていることがあるのではないでしょうか。
また、せっかくマスクを着けているのに、隙間から鼻をかいたりしては意味がありません。
顔でも、特に鼻・口・目を触るとウイルスに感染する恐れがありますので、インフルエンザが流行っている季節は触らないようにしましょう。
うがいが難しい場合は、こまめにお茶を飲む
インフルエンザウイルスを吸い込むと必ず感染する訳ではありません。
- 喉が十分に潤っている場合
- 喉が乾燥している場合
では、喉が乾燥している場合の方が、喉の粘膜が荒れて、インフルエンザウイルスが細胞に侵入する隙を与える可能性が高くなります。
うがいをすることが推奨されていますが、仕事中はうがいをするのも簡単ではありません。特に外回りなどしている時は、結構ハードルが高いです。
そんな時は、
うがいにこだわらずに、飲んでしまいましょう
うがいで扁桃腺周りや喉のインフルエンザウイルスや異物を体外に出すのは勿論効果があります。でも、インフルエンザウイルスを飲み込んでしまっても、胃酸で不活性化されますから問題ありません。
うがいで外に出すことにこだわって頻度が減るよりも、こまめにお茶を飲んだ方が効果的です。
飲むのであれば、カテキンを豊富に含んだ緑茶がお勧めです。カテキン自体にもインフルエンザウイルスを不活性化する効果が期待できますので、こまめに飲んで喉を潤せば、かなりの感染予防効果が期待できます。
人混みの中ではマスクを着けましょう
常にマスクを付けるのは息苦しさもあってハードルが高いのですが、人混みの中を通る時だけでもマスクを着けることで感染リスクを減らすことができます。
密着型のマスクであっても、実は隙間があって完全にインフルエンザウイルスの侵入を防ぐことができないと言われます。それでもマスクで取り除ける飛沫(感染者の咳やくしゃみで放出されるウイルスを含んだもの)がありますから、極力着けましょう。
また、ウイルスを取り除くことができなくても、マスクにとって喉や気道が乾燥から守られますので、お茶をこまめに飲むことと併用すれば大きな感染予防効果が期待できます。
人混みの中では極力マスクを着用して、それ以外の場合でも出来たらマスクを着用しておくと更に安心です。
どれも若干面倒ですが、ちょっとした一手間でインフルエンザウイルスへの感染率をぐっと下げることが可能になります。ワクチンを打った人でも感染しない訳ではありませんので、過信せずに、是非4つの習慣を実行して頂いて、感染せずにこの冬を乗り切りましょう。
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