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LEDに負けた蛍光灯 2020年に実質製造禁止

      2019/06/13

こどもの頃、蛍光灯は未来の光でした。まだ白熱球が幅を利かせていた時代で、蛍光灯の放つ白い光は豊かさの象徴のような存在。しかし、近年は蛍光灯ですら電力消費が多いと言われるようなLEDが以前よりも安く製造できるようになり、白い光も蛍光灯からLEDに置き換わりつつあります。

事実、国内照明市場のトップシェアを誇るパナソニックは、既に2019年3月までに国内販売のオフィスなどの照明器具について蛍光灯をやめて、全てLEDに切り替える方針を公表している位です。

省エネ対策の一環としてLED製造を後押し

  • 白熱球は安いんですが、寿命が短く、電力消費が大きい。
  • LEDは高いんですが、寿命は驚くほど長く、電力消費も驚くほど小さい。
  • 蛍光灯は白熱球とLEDの中間のような存在で、価格もそこそこ、寿命もそこそこ、電力消費もそこそこです。

世界的に温室効果ガス削減に向けて努力を続けていますが、なかなか効果が上がらないのが実情です。日本も目標を掲げていますが、具体的な取り組み策が見付からず、苦慮してきました。今回、その具体策として2020年を目途に白熱球・蛍光灯の製造と輸入が実質禁止になるプランが公表されました。これは11月末にパリで開催される国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)への手土産になるものです。

「トップランナー制度」が照明という括りで統合されます

トップランナー制度について、エネルギー庁のウェブサイトを見ましたが、何だかよく分かりません。ざっくりとした理解では、

基準を決める時点で一番省エネの商品を「トップランナー(先頭走者)」として、その性能を基準として定め、その基準を超えることを製造業者に課す制度

出荷台数の加重平均があったり、お助けもあったりしますが、もしクリアできなかった場合は、ペナルティーとして社名等を公表され、罰金を科されてしまいます。

まるで進学校の定期テストです。というか、それ以上。

これが今までは、

  • 白熱球クラス
  • 蛍光灯クラス
  • LEDクラス

と階級が分かれていましたが、それが一つに統合されてしまいます。無差別級になりました。

無差別級ではLEDの圧勝は確実

価格なら白熱球、全体のバランスなら蛍光灯も勝負できますが、省エネ性能だけの勝負であればLEDに太刀打ちはできません。LEDの圧勝です。これが白熱球・蛍光灯の実質製造禁止・輸入禁止の実態です。

これに合わせて来年には省エネ法を改正する予定だそうです。

これによって何が変わるのでしょうか

高いLEDに無理やり交換しなければならないことには憤慨する人も多いかも知れませんが、今回2020年を目途に白熱球と蛍光灯が製造禁止&輸入禁止になると公表されれば、買い替えが一気に加速するでしょう。その数たるや今までの比ではありません。その大量の交換需要がLED電球のコストを大幅に下げていくはずです。

今は蛍光灯の数倍しますので、寿命が長いことを加味して、「高いけど、電気量も下がるし、時間当たりに換算したら割安だから買い替えようか」と自分を説得する必要がありますが、これが同じ位まで下がるようなことになれば想像を絶する数のLED電球が製造され、販売されていくことになるでしょう。それによって電力消費を確実に下げることができます。(割合は少ないですが、量は少なくありません。)

ただ、トップランナー制度がうまく機能して、開発競争が激しくなり、価格を押し下げることになればいいのですが、カテゴリーを統合することで、撤退が予想以上に起こり、寡占化によって価格の低下が想定よりも進まない可能性もあります。そうなると、白熱球と蛍光灯は変えない、代替品のLEDは高いままで、電力消費は今よりも大して進化しないという思惑外れになる恐れもあります。この制度がうまく機能することを祈るしかありません。

万が一今よりも性能が上がって電力消費を抑えられるようにならなくても、最悪価格だけは蛍光灯並になって欲しいと思います。一消費者として。

LEDから有機ELへの進化も期待しましょう

iPhone8では有機EL(AMOLED)ディスプレイを採用するのではないかという話も出ています。

既にGalaxy S6 edge+とGalaxy Note5には有機EL(AMOLED)が使用されていますし、今後も広がっていくものと思われます。スマホやパソコン、そしてTVなどへの使用によって技術やコストが改善され、やがては照明分野でもLEDに次ぐ新技術として取り入れられると期待されています。

有機EL(AMOLED)と既存照明との比較

なかなか消費行動を制御できていませんが、普段から使っている照明やテレビの消費電力が落とせれば気付かずに省エネをすることができます。自動車の様に燃費が改善したから「遠出しよう」とか「アイドリングしたままでも安心」と逆行する行動には注意が必要ですが、交換するだけで省エネが実現できるのは大きな魅力です。

暫くは様子見ですが、もう少し価格が落ち着いたら、家中の照明を全てLEDに交換しようと思っています。東京オリンピックはLEDの照明の下で観戦(テレビで)することになりそうです。

 - グッズ, 家電, 生活, 省エネ

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