教員免許に点数制度による免停と免取りを導入すべき理由
2019/06/12
教諭による犯罪が絶えません。
「体罰」の名の元に繰り返される暴行事件、そして盗撮・痴漢などの性犯罪や未成年者との淫行など、親として恐怖を感じる犯罪を犯したにも関わらず、再び別の学校で教職に付くという恐ろしい現状は早急に改善すべきだと思います。
勤務先学校の変更は
履歴ロンダリング
になっていて、犯罪行為を犯したとしても、大きな顔をして別の学校で再び教職に就いています。ただ、昔と違うのはSNSやネット掲示板などによって犯罪の事実が拡散されますので、悪質な教諭に対してある程度の抑制は効いています。ですが、「事実ではない」と言われればそれまでなので、やはり法律的な規制が欲しいです。
ただ、仮に教員免許を失ったとしても、事実を隠蔽して、学習塾などで再び教育に携わる可能性はあり、こどもに関する犯罪を犯した教諭から教員免許を取り上げる、または一時的に失効させるだけで問題が解決するとは思いませんが、免許の停止や失う恐怖が与える恐怖感で一定の抑止効果が期待されます。
教員が犯罪を犯しても教員免許は影響を受けないのでしょうか?
教員免許には点数制度はありません。
犯罪をしても、その事実は記録されず、常にクリーンな状態です。とは言え、犯罪を繰り返せば、教育委員会から睨まれて、管轄の地域で教職に就くことが難しくなるかも知れません。でも、そんな時は、教育委員会の手が届かない私学に就職すればいいだけです。そして、私学での勤務後に、転居して別の地域で再び教職に就けば、何事も無かったかのように見えてしまいます。
ただ、ある条件に該当すると教員免許は失効、または取り上げられます。教育職員免許法に以下の規程があります。
この規程によって、かろうじて禁錮刑が確定した場合と懲戒免職処分を受けた時にだけ教員免許は失効・取上げられるとされています。
(失効)
第十条 免許状を有する者が、次の各号のいずれかに該当する場合には、その免許状はその効力を失う。
一 第五条第一項第三号、第四号又は第七号に該当するに至つたとき。(第3号 成年被後見人又は被保佐人、第4号 禁錮以上の刑に処せられた者、第7号 日本国憲法 施行の日以後において、日本国憲法 又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した)
四 禁錮以上の刑に処せられた者
二 公立学校の教員であつて懲戒免職の処分を受けたとき。
三 公立学校の教員(地方公務員法 (昭和二十五年法律第二百六十一号)第二十九条の二第一項 各号に掲げる者に該当する者を除く。)であつて同法第二十八条第一項第一号 又は第三号 に該当するとして分限免職の処分を受けたとき。2 前項の規定により免許状が失効した者は、速やかに、その免許状を免許管理者に返納しなければならない。
(取上げ)
第十一条 国立学校又は私立学校の教員が、前条第一項第二号に規定する者の場合における懲戒免職の事由に相当する事由により解雇されたと認められるときは、免許管理者は、その免許状を取り上げなければならない。
2 免許状を有する者が、次の各号のいずれかに該当する場合には、免許管理者は、その免許状を取り上げなければならない。
一 国立学校又は私立学校の教員(地方公務員法第二十九条の二第一項 各号に掲げる者に相当する者を含む。)であつて、前条第一項第三号に規定する者の場合における同法第二十八条第一項第一号 又は第三号 に掲げる分限免職の事由に相当する事由により解雇されたと認められるとき。
二 地方公務員法第二十九条の二第一項 各号に掲げる者に該当する公立学校の教員であつて、前条第一項第三号に規定する者の場合における同法第二十八条第一項第一号 又は第三号 に掲げる分限免職の事由に相当する事由により免職の処分を受けたと認められるとき。3 免許状を有する者(教育職員以外の者に限る。)が、法令の規定に故意に違反し、又は教育職員たるにふさわしくない非行があつて、その情状が重いと認められるときは、免許管理者は、その免許状を取り上げることができる。
4 前三項の規定により免許状取上げの処分を行つたときは、免許管理者は、その旨を直ちにその者に通知しなければならない。この場合において、当該免許状は、その通知を受けた日に効力を失うものとする。
5 前条第二項の規定は、前項の規定により免許状が失効した者について準用する。
出典:教育職員免許法
ややこしい書き方がされていますが、要は
- 禁錮以上の刑に処せられた
- 懲戒免職の処分を受けた
場合に、教員免許は失効する、または取上げられます。
これを見ると少し安心してしまいますが、実はその逆です。
犯罪を犯しても、禁錮刑以上の判決や懲戒免職を喰らわない限りは教職免許は維持されます。
体罰、淫行、窃視・盗撮、セクハラ、強制わいせつなどで仮に逮捕されたとしても、懲戒免職処分を受けるか、禁錮刑以上が確定しない限りは教員免許は守られると書かれているのと同じです。
合宿中に就寝中の女子生徒の胸を触ったとして、2016年10月13日に準強制わいせつの容疑で札幌市の中学校に勤務する男性教諭が逮捕される事件がありました。この事件では、合宿で生徒たちが寝ている部屋に入り込むという悪質性が高い事件であったため、札幌市教育委員会はこの男性教諭を懲戒免職処分とした上で、この教諭を管理監督する立場にあった勤務先の校長についても戒告処分としました。
この事件では教育委員会が
懲戒免職処分
を下していますので、この男性教諭の教員免許は失効するため、再び教職に就くことはかなり難しくなります。(ただ、再取得までを禁止してはいません。しかし、年齢的に学習塾などに流れるのではないかと思います。)
残念なことに生徒に関する犯罪をはたらいた教師が必ず懲戒免職になる訳ではありません。また、警察に逮捕されたとしても、書類送検で終わるケースも少なくなく、禁錮刑以上の刑が確定するケースは多くはありません。
これは自動車の免許に例えるならば、
- 酒酔い運転(35点)
- 麻薬等運転(35点)
- 共同危険行為等禁止違反(35点)
- 酒気帯び (呼気中のアルコール濃度0.25以上)運転(25点)
- 過労運転等(25点)
は一発免取りになるものの、それ以外は減点なし、だから累積なし。無法地帯になって、事故だらけになることでしょう。危なくて運転する気も道路を歩く気も失せます。
こども達が毎日通っている学校では、そんな馬鹿げた免許制度がまかり通っています。
教諭の規律が保てないはずです。
いい先生がいても、バカで悪質な教諭に駆逐されてしまいます。
絶対に教員免許の制度改革は必要です。
教員免許も点数制にして、免取りだけではなく、免停も新たに設けるべき
何も突飛なアイデアではなく、ごく普通の考えだと思います。
- 禁錮刑以上が確定
- 懲戒免職
以外の場合は、教員免許が影響を受けないなどとは全く馬鹿げた話です。
運転免許と同じように、点数制を導入。
教諭にあるまじき行為を挙げ、それぞれに減点点数を決める。
教諭にあるまじき行為を繰り返し、減点数が規定に達した場合は、先ず「免停」。
そして、更に行為を繰り返し、減点が加算される場合は免許取上げ。
- 暴行(体罰)
- 淫行
- 窃視・盗撮
- セクハラ
- 強制わいせつなど
は逮捕されるかどうかに関わらず、事実が認められる場合は、一発免取り。
そして、禁錮刑以上が確定、または懲戒免職処分を受けた場合は、一発免取りに加えて、再度の免許取得を不可能にする。
この位にしないとダメだと思います。
教師という職業は、こどもを育てるという重要な役割を担い、そして真剣に取り組めば本当に大変な仕事です。犯罪を犯した教諭の免許の扱いを厳格にしなければ、真面目に取り組む教諭の皆さんに失礼ですし、悪い影響も出ます。(ダメな教諭のせいで、良い教諭の評価まで下がる恐れがあります。)今のように、教員免許の管理を甘くする理由は全く見当たりませんので、ぜひとも制度の見直しを図って頂きたいと思っています。
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