歯石除去したら献血できないって本当なの?
2019/06/12
本当なんです。
ただし、歯石除去から3日以内限定。
歯石除去だけじゃなくて、抜歯など出血を伴う歯科治療の後は3日間は献血できません。
その理由は、歯石除去や抜歯などの歯科治療によって口の中に傷が出来て、その傷口から口腔内常在菌が血液中に移行し、菌血症になるリスクがあるためです。
「菌血症って何?」ってことなんですが、本来無菌であるはずの血液中に細菌が存在する状態です。
ニュースなどで見聞きする「敗血症」とダブりますが、敗血症は「感染を原因として全身性に炎症が起きている状態」を指しますので、だいぶん違います。でも、血液の中に細菌が存在していることは共通しています。
菌血症になると血液の中にいちゃいけない細菌が存在するので一時的に献血ができなくなりますが、免疫が正常な人であれば自分の免疫で細菌を排除するので、細菌がいなくなれば再び献血をすることが可能になります。それが3日間という訳です。
ただし、免疫が正常ではない場合は、血液中に入った細菌を自分で排除できずに感染性心内膜炎を発症するリスクがあるため、抗菌剤などを服用する必要があります。
もし歯石除去のことを忘れて献血してしまったらどうしよう
大丈夫です。
献血前に記入する問診票にちゃんと項目が含まれています。
「3日以内に出血を伴う歯科治療(抜歯、歯石除去等)を受けましたか。」
http://www.jrc.or.jp/donation/pdf/ketsueki_monshinhyo_2013ver.pdf
問診票を書く時に思い出しますので、万が一うっかり受付をしてしまっても安心です。
他にも献血が一定期間出来なくなる場合がありますのでご注意ください
に出血を伴う歯科治療(抜歯、歯石除去等)を受けた場合は3日間ですが、他にも一定期間献血ができなくなる場合がありますので、献血を予定されている方はご注意ください。
6ヶ月以内にいれずみ・タトゥーを入れた人
エイズ、B型肝炎およびC型肝炎などのウイルスに感染した可能性を考慮して、6ヶ月間は献血ができません。
6ヶ月以内にピアスの穴を耳にあけた人(医療機関以外)
医療機関以外で、友人同士などで安全ピンや針を共用して穴をあけた人は、エイズ、B型肝炎およびC型肝炎などのウイルスに感染した可能性を考慮して、6ヶ月間は献血ができません。
1ヶ月以内にピアスの穴を耳にあけた人(医療機関)
友人同士で穴をあける場合と比較するとリスクがずっと下がりますが、傷口から細菌等が感染した可能性を考慮して、最低1ヶ月間は献血ができません。(「最低」なので、期間は穴の治癒状態に応じて伸びる可能性があります。)
唇、舌、鼻など粘膜を貫通してピアスの穴をあけた人
粘膜を貫通してピアスの穴をあけてしまった場合は、医療機関であけたかどうかには関係なく、ピアスを止めて、穴が治癒するまでは、献血が無期限で出来なくなります。
海外旅行・出張に行った人
渡航先に関わらず、帰国日(入国日)の当日から4週間以内の人は、血液を媒介して感染するリスクがあるウイルス感染症等のリスクを考慮して、献血をすることができません。
薄毛治療用にプロペシア、プロスカー、アボダート、アボルブを使用した人
プロペシアとプロスカーは1ヶ月間、アボダートとアボルブは6ヶ月間、献血を行うことができません。
ヒト由来プラセンタ注射薬(ラエンネック、メルスモン)を使用した人
現在ところ、無期限で献血することができません。美容の為にヒト由来プラセンタ注射薬のラエンネックやメルスモンを注射された人は、厚生労働省の指示により平成18年10月10日から安全性が確認されるまでの間は献血をすることができません。
以上の献血ができない場合というのは、裏返すと感染症や副作用のリスクがあるということでもあるので、実行に移す前には十分に検討してください。タツゥー・いれずみやピアスは「皮膚の表面だから」とか「耳たぶだから」と過信しがちですが、皮膚も耳たぶも体の一部には変わりなく、ウイルスや細菌感染リスクは十分にありますので、実行する場合は「衛生面」もしっかりと確認してください。
注意一秒、怪我一生
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