公費を自腹で払うと処分されるかも

公費のタクシー代を自腹で払った消防職員が戒告処分

兵庫県神戸市消防局は、係長級の男性職員（44）が公費で払われるべきタクシー代金を自腹で払ったとして、12月24日に戒告処分としました。

職員講習の講師の送迎などの公用で使われたタクシーチケット58回分の会計処理を怠ってしまい、公費での精算ができなくなり、自費で穴を埋めたというものです。

この男性自身が公用で使ったタクシー費用ではなく、消防局が公用で使用したタクシー代の精算処理を怠ってしまい、処理ミスを叱責されるのを恐れた男性社員は、このミスを隠蔽するために自腹で精算していました。

横領ならまだしも、自腹で精算したことがなぜ叱責されて、しかも処分までされるのか、不可解に思う方もいると思います。ただ、会計処理を行うものとしては、

• 横領であっても
• 自腹での穴埋めであっても

正確な会計処理を行う義務がありますので、自腹での穴埋めも処分の対象になります。

今回の男性もミスを隠蔽するために自腹で穴埋めしたことで戒告処分を受けた訳ですが、これが逆に着服をしていたら、横領罪などで逮捕されるはずですので、やはり自腹で穴埋めの方がはるかに罪は軽くなります。

25万円も自腹で払って、何も損害を与えていないのに可哀想な気もしますが、今回のミスの後でも2015年4～8月にかけても、コピー機の使用料や施設の管理委託費など約538万円分の処理を怠ってしまい、業者への支払いを滞らせてしまっていますので、かなりのうっかり者のようです。8月に別の部署に異動したとのことなので、ほっとしていることでしょう。そもそも適性を誤って事務処理が苦手な職員を財務・会計に異動させた側にも責任があると思います。この男性職員が、今回の処分を気に病んで、退職したりしないことを祈ります。

今回の処分に当って、男性職員が自腹で支払った約25万円は返金される予定だそうです。

経費精算が面倒で、自腹で払ったりしていませんか？

僕が社会人になった時、直属の上司が「銀行は業務終了時に1円でも計算が合わないと全員が残ってその原因を追求する」「金に関する計算ミスは許さない」と常々言われていました。その教えは、会社勤めをしている間、ずっと守っていました。（その上司は、計算にはうるさい人間でしたが、会社の印紙や切手を金券ショップで換金して、数千万円の横領をしていることが税務調査で発覚し、会社を追われました。金の計算にはうるさいですが、善悪の基準がかなりずれていたんですね。）

公用で外出したり、出張した時に、領収書をもらい忘れたり、領収書だと思っていたら単なるレシートだったりして、財務・会計からギャーギャー言われたことがある人も多いと思います。そんなたかが数十円でガタガタ言われる位なら自腹で払って嫌な思いをしたくないって思う人も少なくないでしょう。

でも、それは余り良いことではありません。交通費位では発覚することはまずないと思いますが、今回のようなケースでは、自腹を切って会社の経費を減らすような行いをしたにも関わらず、処分を受けることだってあるかも知れません。

そんな馬鹿げたことにならないよう、領収書はきちんともらって、期限内に確実に精算してしまいましょう。

2015年もあとわずか。しかも、12月の末締めが近づいてきています。財務・会計もぼちぼち早い人が年末休暇に入り始めて、バタバタしてきていますので、精算忘れがあったら、月曜日にも精算してくださいね。