東芝を監査した新日本有限責任監査法人

東芝について色々賑やかなことは気付いていましたが、経済は苦手なので放置していました。でも、さすがにちょっとマズそうなので斜め読みしましたが、結構大変なことになっていて、驚きました。東芝は目立たないけれども、着実にやってそうな会社なイメージがありますが、ド派手な粉飾でオリンパスを凌駕する問題児になってます。ただ、やはり底力が買われて、悪い材料が出きったと思われた今日は株が根を戻したというのは流石です。経営陣を刷新して、再出発。見回せば、家に東芝製品は全くないのですが、サザエさんのこともあるので、応援しています。

新日本有限責任監査法人は何をしていた？

昔から監査法人が企業の粉飾決算を見抜けないケースが後を絶ちません。監査法人は名前の通り「監査」をする法人ですが、今回のようなことが起きると信頼が揺らぎます。

どこが監査法人なのだろうと名前を見て、ちょっと驚きました。新日本有限責任監査法人。この「有限責任」は有限会社とかと一緒で法人としての責任の範囲を言っていることは分かりましたが、こんな名称にしなければならなくなっていたことを知らなかったので、いかにも不祥事に際して「責任は有限です」と言っているようで変な感じです。

日本3大監査法人のひとつであり、しかも最大手

東芝の粉飾決算は組織ぐるみで悪質なものとして今後更に追求されると思いますが、主たる事業が監査である監査法人がこのような巨額の粉飾決算を見逃すとは致命的です。かなり激しく責任を追及されることでしょう。中央青山の二の舞になる可能性が出てきました。

再編に次ぐ再編で久しぶりに見たら訳が分からなくなっていましたが、今後更なる再編で変わっていくのかも知れません。日本は2大監査法人になってしまうかも。でも、プライスウォーターハウスクーパースが仲を取り持って、あらたが返り咲くかも知れず、暫く目が離せません。

東芝の「チャレンジ」的なもの

「チャレンジ」的なものが多くの会社にあると思います。僕も前職で別名称の数値目標があり、それを達成するには何でもあり的なところがありました。さすがに法律を犯すような指示はありませんでしたが、末端の管理職からは倫理に反した指示があったりしました。（詳しく書くと会社がバレるのですみません）

「チャレンジ」的なもので苦しんでいる方も少なからずいると思いますが、中には上層部で行われている違法行為に気付いている方もいるかも知れません。また、止む無く違法行為の当事者になってしまっている方もいるかも知れません。そんな場合は、会社の為にも通報することをお勧めします。自分が所属する会社に対する裏切り行為のようで心が痛むかも知れませんが、違法行為こそが裏切り行為であって、それを通報することは正しい行いです。

上場企業の場合

証券取引等監視委員会　情報提供窓口

非上場企業の場合

国税庁　課税・徴収漏れに関する情報の提供

粉飾に粉飾を重ねた後に事実が発覚すれば会社が倒産する恐れがありますが、早い段階で経営陣を刷新できれば会社が生まれ変わるチャンスとなります。勇気を持って通報しましょう。

あとがき

粉飾決算がされている期間に、東芝は市場から1兆円の調達をしていたとの報道がありました。今後厳しく刑事責任も問われることになると思います。東芝程の規模になるとこの事件によって倒産することはないと思いますが、大きな痛手を負うことになると思います。トップの粉飾に気付いた役員や管理職もいたはずです。傷がここまで大きくなる前に通報することが出来なかったことが悔やまれます。「定年までバレずにいてくれ」と思ってしまうのでしょうか。残念です。