自転車保険に入りましょう 高校生が衝突した女性が死亡
2019/06/13
千葉県船橋市で高校生が自転車で死亡事故
11月5日午後6時頃、千葉県船橋市で自転車で走行中の男子高校生が女性に衝突して、女性が死亡する事故がありました。車道を走行中の男子高校生(15)が、後方から近づいてくる自動車を避けようとしてバランスを崩し、縁石にぶつかったはずみで、道路脇にいた女性(48)に衝突、女性は頭を強く打ち、病院に運ばれましたが死亡しました。
男子高校生は車道を走行していて、女性は勤務先の歯科医院の駐車場からゴミ出しの為に歩道に出ようとしていたとのことですが、車道を走っていた男子高校生が縁石にぶつかったはずみで歩道を越えて女性に衝突したというのには若干の疑問も残ります。
かなりの速度を出して歩道を走行中に女性に衝突し、罪が重くなることを恐れて、車道を走行していたと嘘の供述をしている可能性もあります。灯火についても疑問があります。「後ろから来た車を避けようと車道上を歩道側に寄った際にバランスを崩し、勢いでそのままぶつかった。」と供述しているようですが、恐らく車道の左側を走行していたのでしょうけど、後ろから走行してきた自動車は視界に入りにくいためそれを避けるという場面は余りありません。道路の左側の歩道をかなりの速度で走っていたのではないかと思います。警察が事故の起きた時の状況を詳しく調べていますので、いずれ真相が分かるはずです。
自転車が加害者になる場合に備える必要があります
これは今に始まったことではありません。
かなり前から自転車事故における加害者としての賠償責任が高額化していることは知られていて、自転車保険の必要性が言われていました。
道路交通法の改正もあり、自転車の危険性が見直され、一気に話題に上がるようになった訳です。道路交通法の改正によって、自転車事故が減る傾向に動き、そして自転車保険の加入が増え、損害賠償がきちんとされるようになることを期待しています。
いち早く兵庫県が自転車保険加入を義務化しましたが、全加入への道のりは平たんではありません。また、義務化した兵庫県でも難しい位ですから、他の都道府県では自転車保険の普及には時間がかかるものと思われます。多くの人は「自分は大丈夫」や「ルールを守って、速度を出さなければ大きな事故にはならないはず」などと考えて、何も対策をしないうちに事故を起こして青くなる。事故ってそういうものです。
自転車に乗る以上、事故を完全に防ぐことはできないと思って、必要に応じた付保をすべきです。1億近い損害賠償をキャッシュで払えるような人は保険加入は不要ですが、分割でも厳しいという人は保険に入る必要があります。因みに僕は入る必要はありません。金持ちかって?違います。今は自転車持ってません。
どこの自転車保険がいいのでしょう?
恐らくどこでも同じです。
自動車と違ってロードサービスなどのサービスが要らない自転車保険は比較が難しいです。ほとんど金額だけの比較になってしまいます。(弁護士費用は検討が必要ですね)
でも、保険単体で検討するのは面倒ですよね。そんな時、今加入している自動車保険の補償に関する特約で
自転車運転者損害賠償責任補償特約
が特約として付けることができるか、または自動セットになっていたりするかどうか、一度確認してみましょう。もし付いていない場合は、次の保険契約見直しの時期に、自転車運転者損害賠償責任補償特約も含めた金額で見積もりを取って、比較検討するとよいと思いますよ。
単体の契約よりはお得に契約出来ますし、自動車の任意保険で使っているのと同じ会社ならサービスについても安心できます。
是非自動車保険の更新時に思い出してくださいね。
あとがき その1
ニュース映像を視たところ、想像していた道路とは異なっていました。
推測では、歩道と車道が縁石で明確に分けられた片側一車線の道路で、縁石は高さ10~15センチほどあり、駐車場はゲートなどで仕切られた中にあると思っていました。
しかし、実際は歩道の幅は80センチほどと狭く、車道と歩道の段差は3センチほどで、いわゆる「縁石」と呼ばれるものとは違いました。歯科医院の駐車場は歩道からそのまま続いていて、縁石などでバランスを崩さなくても、ハンドル操作を誤っただけでも駐車場の中に自転車が入り込んでしまうことはあり得る構造です。
ニュース映像には、高校生が自転車で歩道を走行したり、車道から歩道に入って走っていく場面が映っていますので、車道と歩道の区別なく、車の往来に合わせて走行しているような状態であったものと考えられます。
冒頭で、
「かなりの速度を出して歩道を走行中に女性に衝突し、罪が重くなることを恐れて、車道を走行していたと嘘の供述をしている可能性もあります。」
と書きましたが、映像には自転車のタイヤが段差に当たった際に付いたと思われる黒い跡が映されていますので、歩道だけを走行し続けている中で操作を誤って駐車場に突っ込んだというのは考えにくいです。
少年が供述しているように、
「後ろから来た車を避けようと車道上を歩道側に寄った際にバランスを崩し、勢いでそのままぶつかった。」
という状況が発生し得る環境だとは思います。
ただ、「歩道側に寄って縁石にぶつかった」のか「車道から歩道に上がって走行しようとした」のかには疑問も残ります。実際、今回事故が起きた道路とは別の普通の縁石がある歩道に上がろうとしたり、歩道から車道に下りようとして転倒する自転車を何度も見たことがありますし、自分も段差で転んだことがあります。
僕はこの少年を断罪するつもりはありません。そんな権利はありませんし。ただ、どのように事故が起きたのか、可能性を洗い出して、同じような事故を防ぐための参考にしたいと思っています。
この少年が嘘をついているかどうかは僕には知る由もありません。それは警察も同じです。目撃者がいても、その人が正確に思えているかも分かりません。ですから、事故から間もない時点で報道される事故原因をうのみにすることはできません。本当の事故原因は裁判で争われた結果として明らかにされる場合も少なくないと思いますが、その結果を部外者が知ることは殆どできません。初期の報道で流れた情報を元に色々考えることしかできません。
ですから、ニュースで流される事故原因を鵜呑みにするのではなく、他にどんな可能性があり得るか、必ず考えるようにしています。
今回の事故は、起きるべくして起きたと思います。ニュース映像を視ると、車道の幅は狭く、歩道の幅も狭いため、自転車が安全に走行できる環境ではありません。車が自転車を引っかけたり、自転車が歩行者を引っかけたりする小さな事故は少なからず起きていると推測します。小さな事故で済んでいたのは幸運だっただけで、いずれ大きな事故を起こす危険性を孕んでいる道路です。そして今回の事故が起きました。
その道路を走行していて事故を起こした場合であっても、事故を起こせばその責任を負います。今回事故を起こしたのが未成年の男子高校生(15)なので、彼は被害者で可哀想という見方も出来ますが、彼が事故を起こし、その事故によって一人の女性が死亡したという事実は変わりません。亡くなった女性は彼の母親と同じ位の年齢かも知れません。もしかすると同じ位のこどもがいるかも知れません。その家族は母親を一瞬にして亡くしてしまいます。事故を起こした少年は今回のことで未来に傷が付いたかも知れませんが、それをもって彼を被害者だとするのは余り良いとは思いません。傷はついても命はありますから。でも、女性自身とその家族は一人分の未来を完全に奪われてしまいました。何年、何十年経ってもそれは変わりません。
僕はドライバーの視点だけから見ている訳ではありません。(一時的に持っていませんが)自転車はどちらかと言えばマニアの部類です。バイクも乗りますし、車も乗ります。20分位の距離であれば歩いて行きますので、結構歩いている方でもあります。ですから、どちらの側の言い分も分かります。自転車にとっては車は怖いですし、車には自転車は邪魔で怖い存在ですし、歩行者は全ての乗り物からの脅威に晒されて、恐怖を感じています。
今回の事故をドライバーからの視点だけでは見ていません。自転車乗りとしての自戒の念も込めています。歩行者から見た歩道を高速で走る自転車に対する恐怖心も含めています。誰がいいとか悪いとはいうことではなく、事故を減らすには何をどうするべきなのかを考えるように努めています。
今回の事故は、どうすれば防げたのでしょうか。
僕なら、この道路を使うのを止めます。こどもが通学するのであれば、裏道を使って安全に通えるルートを探して、学校にお願いして通学路を変更してもらいます。
地図で見る限り、この道をうまく迂回できる道はなかなか無いかも知れません。うまく迂回はできずに時間が掛かっても裏道を通る他ありません。または、自動車の通行が多くなる時間を避けるか、自動車で送り迎えをするか。公共交通機関を使用する。そんなところでしょうか。
ですが、それを考えるところから、安全実現への道のりが始まります。なかなか険しい道かも知れませんが、行政が何か手を打ってくれるまで危険を感じながら毎日今までと同じように使い続けるよりはいいと思います。
よそものだから簡単に言える部分もあると思います。でも、僕の近所にも同じような道はあります。7~9時は道路脇の住民や通勤などを除いた自動車の通行が禁止されていますが、渋滞を避ける自動車が裏道に通り抜けるのでこどもの通学が危険に晒されています。徒歩通学する児童、生徒、自転車通学する高校生、そして自動車が入り乱れて、いつ大事故が起きてもおかしくありません。僕は僕でこれに取り組んでいる最中です。
今回の事故は千葉県船橋市で起きましたが、これはどこの地域の誰にでも当てはまることだと思います。同じようにいつ事故が起きてもおかしくない場所が近くにないか、ある場合は他の方法がないか、色々考える機会を持ってみませんか。保険加入はいざという時に助けになりますが、できれば「いざ」という時を作らないのが一番です。自転車に乗る人には自転車保険のことを検討して頂きたいですが、それ以外にも毎日通っている道路の安全性を是非考えてみてくださいね。
歩行者、自転車、オートバイ、自動車、そして子供から学生、そしてお年寄りまで、全てのひとが安心して事故なく過ごせますように。
あとがき その2
この事故を起こした男子高校生(16)は19日に書類送検しました。
男子高校生は
- 後ろから車が来てハンドルを切ったら縁石に乗り上げてバランスを崩した
- 縁石と白線を間違えてしまった
- 大変申し訳ないことをした
などと供述している。船橋署では刑事処分が相当と判断し、千葉地検に書類送検しました。
自転車による事故でも高額な損害賠償を請求される可能性がありますから、自動車保険に入ることは大切です。
仮に損害賠償請求を保険を使って補償することが出来たとしても、
- 刑事責任
- 倫理責任
から逃れることはできません。
保険に入ることも重要ですが、何よりも安全運転を常に第一に考えて、事故を起こさないことが大切です。
- 車がクラクションを鳴らした
- 猫が飛び出てきた
- 人が飛び出してきた
- 道に段差ができていた
- 石が落ちていた
などによってハンドル操作を誤って、歩行者などをケガをさせる、または殺めてしまう恐れもあります。
それでも「責任」から解放されることはありません。
自転車は対自動車では被害者になることが多いですが、対人では加害者になり得るということを忘れずに、くれぐれも注意して乗るようにしてください。
春から高校に進学、大学に進学などで自転車通学を始めた学生さんも多いと思いますが、本当に注意して乗ってくださいね。
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