学校内暴力 生徒は逮捕され、教師はもみ消しされる現実
2019/06/12
津田中学校での暴行事件は結局もみ消しされるのか
愛媛県松山市立津田中学校で教師が中1生徒を鍵をかけて密室化したトイレの中で20分間に渡って暴行を加えた傷害事件は、未だ愛媛県警によって「傷害の疑いもあるとみて捜査中」という状態です。
傷害以外の何物でもないのに、教師は未だ逮捕されていません。鍵をかけて密室化したトイレの中で20分間暴行を加えても体罰だとでも言うのでしょうか。「殺してやろうか。耳を聞こえんようにしてやろうか。」という罵声も、愛していたからこその発言だとも言うつもりでしょうか。
生徒が教師に手を上げると簡単に逮捕される現実
事例1
2006年3月7日、愛知県で中3女子生徒3人が逮捕。学校内で女性教師(43)に注意されたことに腹を立てた女子生徒は、教師に暴行。
- 強引に引き戸を閉める→女性教師は足の指を骨折
- 花壇から抜いたひまわりの茎で教師の頭や腹を突いた
教師が被害届を出したため、愛知県警は女子生徒を逮捕。
事例2
2014年4月15日、草加市の中3男子2人が暴行容疑で逮捕。同級生に対する教師の指導が「気にくわない」として
- 50代男性教師の胸ぐらをつかみ、壁に押しつけるなどした
ことが逮捕容疑。教諭に怪我はなし。草加市教育委員会は「複数の教諭で対応しても制止が利かなかった。」と通警察への通報を正当化。
事例3
2014年5月7日、さいたま市の中3男子生徒が暴行容疑で逮捕。頭髪を指導されたことに腹を立てて、
- 30代男性教師の胸を殴るなどした
ことが逮捕理由。さいたま市教育委員会は「以前から段階的に指導を積み上げてきた。」と通報を正当化。
他にも胸ぐらをつかんだだけで逮捕されたケースはあります。「胸ぐらをつかむ」なんて、対生徒では良くされている行為です。教師が生徒にすれば教育の一環で、生徒が教師にすれば暴行→逮捕というのは理屈が通りません。
文部科学省は生徒の問題行動にしか興味なし?
文部科学省の統計を見ていると、生徒の問題行動をどうするべきかというものばかりで、教師による暴行についてのものがありません。確かに、文部科学省はこども達をどう育てていくかを管轄するお役所なので、こどもがメインになるのは分かりますが、学校でこどもを教えるのは教師である以上、教師の問題行動についても扱ってもらわなければなりません。
児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査>平成26年度>【9月速報値】>1.暴力行為>1-5 加害児童生徒に対する学校の対応
を確認すると、2014年9月時点で、児童生徒が学校内で暴力を振るったとして「警察等の刑事司法機関等と連携した対応」した件数です。
学校内 | 学校外 | 計 | |
国立小学校 | 0 | 0 | 0 |
公立小学校 | 287 | 82 | 369 |
私立小学校 | 0 | 0 | 0 |
国立中学校 | 1 | 0 | 1 |
公立中学校 | 2529 | 1123 | 3652 |
私立中学校 | 4 | 2 | 6 |
国立高校 | 0 | 0 | 0 |
公立高校 | 158 | 186 | 344 |
私立高校 | 29 | 51 | 80 |
※単位:人
もの凄い数に驚かされます。それに対して、教師が生徒に行った暴行で警察が介入したケースがどれほどあるのでしょう。
学校内は密室化しています。生徒が教師に暴行を受けても、
- 学校と教育委員会が結託し、暴行は無かったものとして処理
- 警察沙汰にしたら内申書に不利になると考えた保護者が泣き寝入り
- 被害届を出しても、教師による証拠隠滅で立件できない
などによって、事件化していないのではないかと思います。
今回の松山市立津田中学校での暴行事件を受け、文部科学省にも重い腰を上げて欲しいです。
生徒も教師も暴行は違法です
この記事を書いて、生徒による教師への暴力を正当化しようとはしていません。
過去に、体罰がすぐにバッシングされる環境になってきて、「武装解除」された状態で荒れたこどもをどう扱っていいのか分からないという教師のコメントを読んだことがあります。
確かにその気持ちも分かります。が、どんな状況であれ、体罰は暴行ですし、教師がそれに訴えることは許されません。ただ、こどもだから暴力を振るってもいいという訳ではありませんので、「こどもだから」と警察沙汰にしないようにするのも間違っていると思います。
とは言え、「暴行」がどこからかという線引きは非常に難しいと思いますので、紋切り型に「ここからは暴行」という対応はできないと思います。ですが、線引きが無理だからと言い続ければ、今の状況は永遠に変わりません。
- こどもなのに、ちょっと教師を叩いただけで逮捕はおかしい
- 教師が指導上の必要性から生徒を叩いたのに逮捕はおかしい
少なくとも、今まではまかり通った上のような考え方ができなくなるような状態にはする必要があります。
先ずは文部科学省は
と同じように、
教師の問題行動等学校教育上の諸問題に関する調査
を実施して頂き、実態の把握をきちんとして頂きたいです。先ずはここから始めましょう。
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