こどものイビキ 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性も
2019/06/12
「イビキ」と言えば僕のように太った中年男性のイメージがありますが、実際には女性もかきますし、こどももイビキをかきます。(そして、動物も)
イビキ自体はそれほど悪いものばかりではありません。
ひどく疲れた時や風邪をひいた時、大人の場合は飲酒をした時など、時々かく程度であれば問題ありません。
でも、もし毎日イビキをかいているような場合は、睡眠時無呼吸症候群を疑って診察を受ける必要があります。
特に【ゴーゴーゴーッ。。。。。。ゴーゴー」と時々呼吸が止まっているような場合は睡眠時無呼吸症候群の可能性がすごく高い(というか、ほぼ確定)ので、出来る限り早く診察を受けなければなりません。
そして、それは太った中年男性だけではなく、こどもでも同じ。
もし部活の試合があった日の夜や風邪をひいているなどの特別な理由もなく、毎日のようにイビキをかいているような場合は、肥満傾向がなかったとしても、一度耳鼻咽喉科を受診して、睡眠時無呼吸症候群を起こしていないか検査を受けることをオススメします。
睡眠時無呼吸症候群は
- 高血圧
- 糖尿病
- 肺高血圧症
- 不整脈
- 多血症
- 虚血性心疾患
などの生活習慣病等を引き起こす恐れがあると言われていますので、こどもであっても放置せずに耳鼻咽喉科で診察を受けてください。
イビキが発生する仕組みと治療方法
そもそもイビキとはどうやって起こるのでしょうか?
イビキで調べてみると以下のように書かれています。
いびき
いびき(鼾)は、狭くなった上気道が呼吸時に擦れて出す音。睡眠時や脳梗塞で失神した時などに発生する事がある。
様々な病気や器質的な異常・障害、その他一時的な疲れやアルコールの影響などにより、軟口蓋や舌根が上気道をふさいで上気道が狭くなることがある。この状態で呼吸をすると、出入りする空気が塞いだ物を振動させて音が出る。
イビキとは、
- 病気
- 器質的な異常/障がい
などによって、上気道という空気の通り道が塞がれ、その塞いだ部分を無理やり空気を通すために振動して音が出ることを指します。
そして、そのイビキ2種類に分類することができます。
- 鼻イビキ
- のどイビキ
鼻イビキは、生まれつき鼻腔内が狭かったり、風邪や鼻炎による鼻づまりによって充分な空気の通り道が確保できない場合に発生します。
一方、のどイビキは、
- 口蓋垂(のどちんこ)を含む軟口蓋
- 舌根
- 扁桃腺
- アデノイド
が気道を塞ぐことによって発生します。
「イビキ」とひとまとめにされていますが、実は様々なパターンが存在しています。
- 鼻炎の鼻づまりが原因の鼻イビキ
- 風邪で扁桃腺が腫れていることによるのどイビキ
であれば、鼻炎や風邪の治療を行えば、イビキは解消されるはずです。
ですが、
- 鼻中隔湾曲症などによって生まれつき鼻腔が狭い
- 口蓋垂(のどちんこ)を含む軟口蓋が生まれつき大きい
- 舌が生まれつき長い・太い
- 舌癖があり、舌を正しい位置に保持できていない
- 扁桃腺やアデノイドが普段から大きい・腫れている
などの場合は、外科的な処置(切除)やCPAPによる治療が必要になるかも知れません。
CPAPには色々なタイプがありますが、このような形が多いです。
睡眠時無呼吸症候群の検査方法
実はうちのこどもが睡眠時無呼吸症候群の疑いがありということで、今度一泊の検査入院をすることになりました。
検査入院では、睡眠ポリソムノグラフィ(PSG)などを使用して比較的おおがかりな検査をすることになっています。僕もやったことがありますが、色々貼られたり、付けられたりしているので、睡眠導入剤を使ってもなかなか寝付けずに困った記憶があります。
ただ、確定診断をするには検査入院が必要になりますが、睡眠時無呼吸症候群の疑いがあるかどうかを簡単に検査する方法もあります。
かかりつけの耳鼻咽喉科で貸し出してくれたものはこれでした。
【新品・正規品】【送料無料】スマートウォッチ(Smart Watch) PMP-… |
見た目は2万円位で買えそうな感じで、まさか40万円するとは思いませんでした。
これを使った夜はほとんどイビキをかいていなかったので空振りに終わったと思っていましたが、しっかり無呼吸と低血中酸素濃度が発生していることが記録されていました。
小さいのにかなり凄いやつです。
ほとんどイビキをかいていなかった夜に無呼吸とそれによる低血中酸素濃度を起こしていたとすると、イビキの酷い夜はかなり申告な事態になっている恐れもあります。
もしこの機会を使わずに「あまりイビキをかいていなかった」という家族の感覚だけで判断をして経過観察をしていたらこのまま症状を悪化させてしまった可能性もあり、かかりつけの先生とこの機械に感謝しています。
もしこれを読んでいる中で、
「毎晩のようにイビキをかいているけど、呼吸は止まっていないから大丈夫だろう」
と思っている人がいましたら、ぜひ耳鼻咽喉科に相談して、Smart Watch PMP-300Eなどを使った自宅での検査を行ってみてください。その結果、無呼吸と低血中酸素濃度が起きていないことが分かれば安心して経過観察することができます。
こどものイビキというと、昔は「うるさい」「修学旅行が心配」程度の話でしたが、深刻なものを放置してしまうと、生活習慣病を引き起こす恐れがあるだけではなく、成長や学習にも悪い影響を及ぼす恐れがありますので、「多分大丈夫」と素人判断で経過観察せずに、ぜひ耳鼻咽喉科に相談して、一度自宅で簡易検査を行ってみてください。
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