手指にできたイボはヒトパピローマウイルスで感染拡大します
2019/06/12
正月は奥さんの実家に帰省していました。弟夫婦と一緒に姪2人も帰省していたのですが、ふと見ると手指にイボイボがいっぱい。聞けば、小学校で流行しているようで、みんなもイボイボとのこと。母親(義理の弟の奥さん)はそういうことに全く無頓着な人なので、病院で治療を受ける気はないみたいで、何を言っても暖簾に腕押し。そこで、姪達が帰り次第、そこら中を拭き掃除するはめになりました。お陰で手荒れでガサガサです。
手指のイボはヒトパピローマウイルスで感染します
イボはうつらないという人がいますが、イボはうつります。
イボは正式名称「ウイルス性疣贅(ゆうぜい)」と言われ、150種類以上あるヒトパピローマウイルス(HPV)による感染症の一種です。中でも手足や顔にできるイボは「尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)」と言われるものになります。
皮膚にできた小さな傷からヒトパピローマウイルスが侵入し、感染することで発症します。発症について詳しいことが分かっていないようですが、イボが直接触れての感染だけではなく、物を介しての感染も可能なようです。
ウイルス性ですが、イボに免疫はできません
このウイルスは血液内に侵入しないので、免疫ができることがありません。
過去に感染したことがあると言っても、再び感染します。また、過去に触っても感染しなかったからと言っても、感染しない訳ではありません。
学校で流行ったりしていたら、
- 手指を清潔にしておく
- 傷ができたら、バンドエイドや水絆創膏などでしっかりカバーしておく
などして、感染予防に努めましょう。
イボはイボでも水イボとは異なります
同じウイルス感染症ですが、イボと水イボは異なります。
正式名称 | 原因ウイルス | |
イボ | ウイルス性疣贅 | ヒトパピローマウイルス |
水イボ | 伝染性軟属腫 | モルシポックスウイルス |
詳しいことは良く分かっていないようですが、
- イボ:ヒトパピローマウイルスが皮膚の小さな傷から侵入して感染
- 水イボ:モルシポックスウイルスが毛穴から侵入して感染
すると考えられていて、そのため水イボは手指ではなく、体幹や腕・脚などにできることが多いようです。
そのことから、姪の指にできていたイボは水イボではなく、ヒトパピローマウイルスによる尋常性疣贅で間違いないみたいです。
1~6ヶ月間もあると言われる長い潜伏期間
ヒトパピローマウイルスに感染して、尋常性疣贅(いわゆるイボ)が発症するまで、1~6ヶ月間という長い潜伏期間があると言われています。その長い潜伏期間のせいで、感染経路を含めた詳しいことが分からないようです。
ただ、いずれにしても、ウイルス感染症である以上は、
- 患部との接触を避ける
- 患部が触れた物との接触も避ける
ことが重要ですし、有効なはずです。
また、皮膚の小さな傷からウイルスが侵入すると考えられていますので、体育や部活動で小さな傷ができた場合は、しっかりと処置をして、ウイルス感染を防ぐことが必要です。
潜伏期間が1~6ヶ月間もあることから、なかなか対策も取りにくい部分がありますが、一度できると厄介ですから、頑張って対策を行いましょう。
万が一感染してしまい、イボが出来てしまった場合は、早めに病院で処置をしましょう。自然に消えることもあると言われていますが、数が増えたり、他人にうつしたりする恐れがありますので、感染したら早めに治療を受けてください。
因みに治療方法は、
- 凍結治療:何度も液体窒素で患部を凍らせて、カサブタ状にしてイボを取ります。
- イボ焼灼術:電気メスや炭酸ガスレーザーでイボを焼き切ります。
- スピール膏貼付:サリチル酸を含んだ「スピール膏」をイボに貼り、イボを柔らかくして剥がします。いわゆる「イボコロリ」はこれです。
スピール膏は薬局でも購入が可能ですが、イボではない場合(腫瘍など)もありますので、一度皮膚科を受診することをお勧めします。
僕はかつて自分で切り取ったことがありますが、かなり深くまで掘らなければならず、酷く出血もしました。中途半端に触るとイボを増やしてしまう恐れがありますので、自分で処置をするのは避けて、皮膚科を受診することをお勧めします。
姪の学校では流行してしまっているようですが、学校からは特に話は無かったそうです。こどもの間で流行ってしまっている場合、治療をしても免疫ができる訳ではないので、他のこどもが治療をしないと再び感染をしてしまい、堂々巡りをする恐れがあります。
学校で流行が認められる場合は、学校に相談するなど、学校全体での取り組みを働きかける必要があるかも知れません。
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