エアバッグが凶器 助手席に座らされた3才児が死亡
2019/06/12
今でも、すれ違う車に乗った小さなこどもがダッシュボードにつかまっていたり、運転席と助手席の間に立っているのを良く見ます。
また、小さなこどもを乗せた状態でも、運転する親がスマホを見ながら・携帯で話をしながら運転しているのを見るのも珍しくありません。
大阪市東住吉区で3才児がエアバッグで死亡する事故
2016年2月17日の夕方、大阪府大阪市東住吉区で、自動車の助手席に乗せられた3才児が、電柱に衝突したことで展開したエアバッグの衝撃で死亡する事故がありました。
母親は足元に落ちた携帯電話を拾おうとした時にハンドル操作を誤り、低速で電柱に衝突したと供述しています。この母親は自動車運転処罰法違反(過失致死)容疑で書類送検されています。
この事故・事件は、2日後に行われた事情聴取で挙動不審であったために実施された尿検査で覚せい剤の陽性反応が出たことで別の事案に発展。母親は急性薬物中毒で入院しましたが、その後逮捕されました。(公判後、母親の弁護人は「事故と覚せい剤の使用に関連性はない」とコメントしました。)
亡くなった女児は、司法解剖の結果、死因は
胸部圧迫による心臓挫傷
とされ、シートベルトによる圧迫痕も確認されなかったことから、シートベルトを着用せずに助手席に座らせていた・立たせていたと見られ、また母親も「近所だったので助手席に乗せた。」と供述しています。
6歳未満の乳幼児はベビーシート・チャイルドシートに乗せるのが運転者の義務
6歳未満の乳幼児を車に乗せる場合はチャイルドシートに座らせるのが運転者の義務です。
お勧めではありません。
法律(道交法)で定められた運転者の義務
です。
今回事故を起こした母親も後部座席にチャイルドシートをつけていました。
つけていたにも関わらず、
- こどもが嫌がるから
- 座らせるのが面倒だから
- 近所だから
- ゆっくり走るから
と助手席に座らせたのでしょう。しかも、シートベルトも着けずに。
これでは全く意味がありません。
後部座席のチャイルドシートに乗せていれば間違いなく助かった命ですし、もし助手席に乗せたとしてもシートベルトを締めていれば死なずに済んだかも知れません。残念です。
エアバッグの展開速度は300km/hに達するとも
エアバッグは体重も重く、体がしっかりした青年・成人を想定して設計されています。
300km/hにも達すると言われるエアバッグが展開する衝撃によってこどもはケガをしたり、命を失う恐れがあるとして、ベビーシートやチャイルドシートへ乗せることが義務付けられています。
また、義務ではありませんが、ベビーシート・チャイルドシートを助手席に設置した場合、正しく着用させたとしてもエアバッグが展開する衝撃でケガを負う、または死亡する恐れがあるとして、必ず後部座席に設置するように各メーカーは製品に注意書きを添えています。
その衝撃をシートベルト無しに直接受けてしまっては、今回の女児のように命を落とすことに繋がります。
ベビーシート・チャイルドシートは必ず後部座席に取り付ける
そして、
車に乗せる時には、必ずベビーシート・チャイルドシートに乗せる
ことを徹底しましょう。
- こどもが嫌がるから
- 座らせるのが面倒だから
- 近所だから
- ゆっくり走るから
などという理由で、絶対に例外を作ってはなりません。
助手席に乗せた犬も死ぬ恐れ
助手席に座らせた犬が窓から顔を出して嬉しそうにしている様子は微笑ましいものです。
ですが、ひとたび事故が起きれば、その様子は惨劇に一変。
犬はエアバッグに打ち付けられるか、フロントガラスを割って飛び出して地面に叩きつけられるかして、命を落とす恐れがあります。
他のリスクとしては、
- 何かに驚いてパニックになった犬が運転者の操作を妨害して事故を起こす原因になる
- 犬が走行中の車の窓から飛び出してしまう(※奥さんの実家の犬が昔窓から飛び出したそうです)
- 窓から顔を出した犬に飛び石、標識、木等が当たる
などして、犬や同乗者の安全や命に関わる場合も考えられます。
犬をキャリアに入れたり、ハーネスで繋ぐのが可哀想だという気持ちも分かりますが、今回の事故のように低速の衝突でもエアバッグが展開してしまう可能性も考えられます。
そんな場合にもっと可哀想なことにならないように、こどもだけではなく、犬もキャリアやハーネスを着用して、シートベルトなどに固定するようにしましょう。
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商品説明用の写真は助手席のようですが、できればワンちゃんも後部座席に乗せたいものです。
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