電通に東京労働局が強制調査「臨検監督」
2019/06/12
電通と言えば、インターネット広告における不適切業務がニュースになったばかり。不適切業務は、約4年間で633件、広告主111社、金額が約2億3000万円に上ると言われています。そのニュースでも電通ブランドに大きく傷が付きましたが、今回の過労自殺の実態が明るみに出ることで、電通には新たに「ブラック」のイメージがつきました。
電通は僕の時代でも憧れの存在でしたが、最近はそんな輝きをすっかり失った感があります。
電通へ東京労働局の強制調査 過労自殺を受けて
2015年4月に新入社員として電通入社して、2015年12月25日に自殺した高橋まつりさんは、最長で月130時間を超える残業をしていたことが明らかになっています。
「仕事量の著しい増加で、残業時間が(前月の2.5倍以上に)増大してうつ病を発症し、自殺に至った。」
として、先月三田労働基準監督署によって労災(過労自殺)の認定がされました。
電通では1991年にも入社2年目の男性社員が過労で自殺していましたが、この時の反省が活かされていない点を東京労働局は重く捉え、東京労働局と三田労働基準監督署による臨検監督(強制調査)を行うことを決めました。10月14日午後1時頃、東京都港区の電通本社に対し臨検監督に着手しました。
これによって、電通に対しては是正勧告がなされるものと見られていますが、より悪質だと判断される場合は刑事処分も検討されることになります。
電通は時間外労働を少なく報告するように指導
電通の労使協定では月間の残業時間の上限は70時間に定められていました。
しかし、亡くなった高橋まつりさんの遺族の代理人弁護士によりますと、
電通は月70時間を超える時間外労働を報告書に記載しないように社員に指導
していたそうです。
亡くなった高橋まつりさんも、この指導に従って、
- 10月:69.9時間
- 11月:69.5時間
に減らして報告をしていたそうです。
東京労働局はこの点に関しても実態を調査することになります。
これを聞いて驚く人の方が少なくないかも知れません。
僕が以前働いていた会社も、月間の残業時間は最高で10時間に制限されていましたので、「残業」として報告し「残業代」として支給されるのは最高で10時間までで、残りは全てサービス残業になっていました。何十時間残業させられても、残業に認められるのは10時間のみ。(もっとも10時間認められることはほぼありませんでした。。。)
そんな会社、多いのではないでしょうか。
電通での実態が臨検監督で明らかにされ、全国の会社へ改善の動きが波及することを期待します。
現在もギリギリのところで一日一日を過ごしている人も少なくないと思います。広告業界以外にも、IT業界や飲食業界などでも事態は深刻だと思います。助けを求める声を挙げられず、毎日「死にたい」と思いながら、働いている人が救われることを心から祈っています。
上司などによるハラスメントも正しく対処されるべきです
高橋さんの事件では、労働時間だけではなく、上司などからの執拗な、そして陰湿なハラスメントがあったことも分かっています。長時間労働で心身が疲弊しきったところに、上司から浴びせられた暴言の数々、本当に辛かったと思います。
高橋さんの事件に関して、「株式会社 電通による不適切な労働管理」だけが問題であったとされることがないように、
- 君の残業時間の20時間は会社にとって無駄
- 会議中に眠そうな顔をするのは管理ができていない
- 髪ボサボサ、目が充血したまま出勤するな
- 今の業務量で辛いのはキャパがなさすぎる
など、上司などによる不適切行為についても、責任を追求して頂きたいと思います。
電通ではハラスメント対策活動を取りまとめる部署として「ハラスメント対策課」を設置しているようですが、うまく機能していないようです。
また、健康管理体制も機能していない可能性もあります。
見た目と実態が異なるのは「広告」の常かも知れませんが、インターネット広告における不正(不適切業務)の件もありますので、ここは全社を挙げて実態を改善するべきかと思います。
ハゲタカ「弁護士事務所」が次に狙うパイ
ハゲタカと書きましたが、余り悪い意味じゃないです。
弁護士事務所も生き残りに必死で、ここ数年間は「過払い金」案件を盛んに取り扱って来ていました。ただ、ここに来て、大型の「過払い金」案件を対応し尽した感があり、CMも減って来ました。
そこで、次は
未払い残業代
を是非取り扱って頂きたいと思います。(というか、既に競争が始まっているとも聞きます。)
本来は支払われるべき残業代を取り戻せれば最高ですが、仮に取り戻せなくても、それが労働環境の見直しに繋がり、過労自殺に追い込まれる人が無くなることを期待しています。
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