校庭の白線はもう安全だという噂の真相
2019/06/13
学校の白線は消石灰から安全なものに切り替えたからもう安心という話を聞きますが、実際はどうなんでしょう。消石灰だとすると目に入れば失明する恐れがありますが、本当に大丈夫ですか?
白線に使われる安全な「白い粉」
校庭のライン引きには消石灰(水酸化カルシウム)が使われていましたが、目などに入る事故が減らないため、炭酸カルシウムに切り替えるという動きがあります。
炭酸カルシウムは、消石灰と違って中性の水には殆ど溶けず、人体への害も殆どないと言われています。非常に身近な物質で、ベビーパウダー、チョーク、歯磨き粉、食品添加物、入浴剤などにも幅広く使用されています。
平成19年に文部科学省より「運動場のラインなどに使用する石灰の取り
扱いについて」という課長通告が出され、消石灰から児童への安全性の高い炭酸カルシウムへの切り替えが進んだ経緯があります。
切り替えが完全はないという実態
目に入ると危険な消石灰から安全な炭酸カルシウムへ切り替えが進んでいるという情報ひとり歩きして、いつの間にか
校庭の白線は炭酸カルシウムを使用しているから安全
という認識が保護者やこどもの間に出来てしまっています。
しかし、実際には現在も切り替えを進めている最中で、
- コストが高い
- 臭いが気になる
- 風で飛びやすい
という理由で消石灰を使用し続けている学校は存在していますし、一旦炭酸カルシウムに切り替えたものの、消石灰の方が扱いやすい・低コストなどの理由で消石灰に戻した学校もあるそうです。
日本眼科医会学校保健部が平成24年に実施したアンケートでは、消石灰が強アルカリ性で、万が一眼に入ると結膜や角膜を損傷して、視力に影響を及ぼしたり、失明する恐れがあることを全く理解していない学校関係者がいることが明らかになっています。消石灰を使い続ける、または炭酸カルシウムに戻す学校関係者の中には、無知ゆえの誤判断もあるようです。
校庭の白線は消石灰の可能性があります
消石灰の危険性については認知が広がっていると思いますが、現在も消石灰を使用している学校が存在している可能性はあります。ラインマーカー用の消石灰を販売しているところが余り見当たりませんので、学校が炭酸カルシウムなど安全なものに切り替えている可能性が高いのですが、納入業者が自社の在庫を激安で処分していたり、学校が持っている在庫を使っていたりする可能性が考えられますので、注意をした方がいいでしょう。
幼稚園、保育園、学校などは使用頻度も高いので在庫もよく循環しますが、こども会や町内会などで持っている在庫が消石灰であったりする可能性があります。イベントの時には確認をすると安全です。
炭酸カルシウムであったとしても目に入れば眼球を傷付ける恐れもありますので、取扱時には保護メガネを着用する習慣をつけて、こどもにはいたずらに触らないように注意しましょう。そうすれば、万が一消石灰が混入しても事故を起こすリスクを低減できますよ。
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