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公衆浴場でレジオネラ菌感染

      2019/06/13

盛岡市内の公衆浴場「銭湯岩手山」でレジオネラ菌の集団感染が発生し、肺炎を発症した70代の男性が2日早朝に亡くなりました。市保健所の立ち入り検査では、一部の浴槽から基準の600倍のレジオネラ菌が検出されました。

レジオネラ菌はどこにいる

レジオネラ菌は公衆浴場やプールなんかの特殊な場所にしかいないイメージがありますが、実はどこにでもいます。感染のあった公衆浴場にだけいたんだろうって思いがちですが、どこにでもいて、その数が問題なんです。

感染するのはどんな場合

基準値以内のレジオネラ菌風呂に入っても感染症は起こしません。ある程度の数のレジオネラ菌に対して、高齢者や免疫が落ちたひとが接触すると感染を起こします。

ただし、接触と言っても単に入浴するだけでは感染し難いと言われています。感染にはレジオネラ菌の多い水がエアロゾル(ミスト)化して吸い込まれることが必要です。お湯を循環させている間にレジオネラ菌が増殖して、それが泡風呂やシャワーでエアロゾル(ミスト)化して吸い込まれることによって感染します。

レジオネラ菌に感染する恐れがあるケース

  • 入浴施設などで水を循環させる装置や浴槽表面などで菌が増殖し、泡風呂やシャワーによってエアロゾル(ミスト)化したものを吸い込む
  • 空調の冷却水で増殖した菌が冷却塔から飛散するエアロゾル(ミスト)を吸い込む
  • 超音波式加湿器のタンク内で菌が増殖し、吹き出すエアロゾル(ミスト)を吸い込む
  • 人工の滝や噴水などの水循環装置や流路などで菌が増殖し、発生したエアロゾル(ミスト)を吸い込む
  • 金魚や熱帯魚の水槽内で菌が増殖し、エアポンプによって発生するエアロゾル(ミスト)を吸い込む

などがあります。

エアロゾルではありませんが、自動車のエアフィルターから感染したケースもあるそうですので、エアロゾル(ミスト)だけではなく、増殖する恐れがある場所から飛散するダスト(埃)にも注意が必要です。

注意 レジオネラ菌の殺菌は簡単ではありません

レジオネラ菌は塩素で殺菌が可能です。

しかし、レジオネラ菌は

  • アメーバ内に寄生する
  • 細菌や藻類がつくる粘液状のバイオフィルム(微生物層)に付着している
  • レジオネラ菌自体でバイオフィルム(微生物層)を生成する

ことによって、殺菌成分がレジオネラ菌に届かないようになり、十分な殺菌ができないと言われています。このため、日常的に清掃・殺菌を行わなければなりません。

家庭用の24時間風呂には殺菌機能がついていますが、正しく運用をしなければ菌の増殖を許してしまいます。また、超音波式加湿器や金魚や熱帯魚の水槽は定期的に清掃を行い、レジオネラ菌の増殖を抑えるように努める必要があります。

レジオネラ菌はどこにでもいて厄介ですけど、ぬめりを残さずに定期的に清掃を行い、できれば乾燥をさせると怖い菌ではありません。水が循環する場所には必ずレジオネラ菌がいると思って、清掃を頑張りましょう!

 - 健康, 生活, 病原菌, 育児

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