三重県松阪市マックスバリュ学園前店の駐車場で乳児置き去り事件

深夜に乳児の置き去り事件が発生しました。何事もない間に発見されたのが幸いでした。

マックスバリュ学園前店で生後間もない乳児が裸で置き去り

9月10日午前0時20分頃、マックスバリュ学園前店（三重県松阪市駅部田町1011-1）の駐車場で、生後間もない男の乳児が近くを通りがかった男性に発見され、119番通報で駆けつけた救急隊員によって保護されました。

発見された当時、乳児は裸で駐車場に横たわっていましたが、搬送された病院で検査を受けたところ、命に別状はないということです。発見された男児は、生まれて数日から１週間程度経っているそうです。

マックスバリュには24時間営業のところもありますが、今回乳児が発見されたマックスバリュ学園前店は、9：00～23：00営業なので、発見された午前0時20分は営業時間が終了していましたが、偶然通りがかった男性に発見されて本当に良かったです。

現在、三重県警松坂署が保護責任者遺棄の疑いで置き去りにした人物を探しています。

裸で置き去りにした理由次第では殺人未遂にもなり得る事件です

現状、警察は

保護責任者遺棄事件

として動いていますが、裸で置き去りにした理由次第では

殺人未遂

にもなり得る事件でした。

9月上旬は昼間こそ暖かいというよりも暑い日が続きますが、三重県松坂市では夜間20℃程度まで気温が下がるため、裸で放置されれば低体温症を起こして、最悪の場合は命を落とします。

置き去りにした事自体が十分に無分別ですが、

• 夜も死ぬほど寒くならないだろう
• 誰かに見付けてもらえるだろう
• 服を着せたままでは身元が分かってしまうかも知れないから裸にしよう

と考えたのであれば保護責任者遺棄に当たるとは思います。ですが、万が一「死んでも構わない」と考えたのであれば、殺人未遂にも当たる酷い行為です。罪もない、無力な乳児にこのような酷い行為をするとは鬼畜です。

男児にとっては、親と一緒に暮らすのが幸せだとは思いますので、考え直して、名乗りでてくれることを願う反面、もし「死んでも構わない」と裸で駐車場に放置したのであれば、こんな親とは縁を切った方が幸せなのかも知れないとも思ってしまいます。ただ、この男児が経験するだろう苦難を考えると、悲しく、そして辛くなる事件です。

万が一、置き去りにしたのが親ではなく、親から男児を奪った第三者であるとすれば、一日も早く男児が両親に引き合わせられることを祈っています。

乳児は裸にされてしまうと身元の特定がほぼ不可能だという現実

自分のこどもが生まれて、新生児室に入っている時、あるドラマのワンシーンが思い出され、ちょっと怖い思いをしました。それは韓国ドラマの「秋の童話」。

このドラマは、裕福な家庭と貧しい家庭の乳児が新生児室で取り違えられるところから始まります。乳児の兄が新生児室に入った時に、保育器に付けられた名札を2枚落としてしまい、それを戻す時に付け間違えてしまい、それが2人の乳児の人生を翻弄していきます。

そんな簡単に取り外しができてしまう名札を使っている病院はないと思います（祈ります）が、

• 足の裏にマジックで書く
• 足にバンドを巻く

などで対応して、取り違いが起きないように努力をしていますが、これも絶対にヒューマンエラーが起きない保証はありません。また、病院関係者に悪意があれば、取り違いを故意に起こすことも出来てしまいます。

それを考えた時、恐ろしくなりました。

大人の場合、免許証などの本人を証明する全てのものを奪われて、しかも記憶を失った状態で、裸で放置されたとしても、長く生きているだけに、

• 写真
• 指紋
• 歯型・歯の治療痕
• 身体の傷やホクロなどの特徴

など、「その人」であることを確認・証明する様々な証拠が残っています。

ですが、この世に生まれて数日の乳児の場合、そんな証拠が残っていません。裸で放置されてしまうと誰であるか分からなくなってしまいます。

仮に今回発見された男児が、両親から犯人が略取・誘拐し、駐車場に放置されたとした場合、本当の親の名乗り出たとしても、本当にその両親のこどもがどうかを確認するのはなかなか難しいと思います。（ただ、DNA検査が出来ますので、間違いなく「可能」ではあります。）

親が名乗りでない場合、警察が乳児の身元を特定することはほとんど不可能かも知れません。DNA検査をしようにも、照合する親の情報がなければ意味がありません。

生まれた病院で乳児の指紋を記録して、データベース化すれば今回のような事件で威力を発揮するはずですが、指紋のような非常にセンシティブな個人情報をデータベース化することが認められることはないでしょう。（※しかも、この指紋を登録する際にヒューマンエラーによって取り違いを起こせば元の木阿弥。。。）

仮に丸裸の状態であったとしても、赤ちゃんが「誰」なのかが分かる方法は、今回のような事件への抑止力にするためにも、またヒューマンエラーによる取り違え事故を無くすためにも、何とか開発して欲しいと願っています。

出産直後の顔・全身の写真を病院側が記録し、一定期間保存するだけでも効果があるのではないかと個人的には思っています。とは言え、今の方法で発生してしまう

• 病院での取り違い事故
• 悪意のある第三者による取り換え事件
• 今回のような置き去り事件における身元照合不能

の件数を考えると、全国の病院にシステムを導入するコストが見合うことはあり得ませんので、導入される可能性はゼロでしょう。

自分のこどもが生まれた時、生まれた直後から写真を毎日撮って、万が一の場合であっても、自分のこどもであることを証明することができるだけの証拠を揃えておくしかありません。でも、そんなこと、多くの親がしていることなので、余り神経質にならなくてもいいのかも知れません。（自分のこどもかどうかを証明するのであればDNA検査もあります。）

ただ、幸せではないこどもは写真も撮られたりしていない可能性もあり、その子が誰であるのかを知る・証明する方法はありません。

親が出生届を出してもいない場合は、役所（児童相談所など）の方から追跡していくこともできません。

現在問題となっている「戸籍のないこども達」の問題の解決の緒を見付けるためにも、出生のタイミングで病院が何らかの届け出をする制度が必要なのではないでしょうか。

そんなことを色々考えさせられる事件です。

この男児にとって一番良い方向に事態が進むことを祈っています。