花火大会 空からの落下物にも要注意
2019/06/13
7月26日、静岡県富士市の夏祭りの花火で斜めに打ち上がった花火が観客席に降り注ぎ、観客が火傷を負う事故がありました。
神奈川県横浜市で1989年に起きた花火による事故では2名の花火師が亡くなりましたが、安全に細心の注意を払っても事故は起きてしまいます。近年は厳格に保安距離(打ち上げ場所と観客席を離す)を保つなどして事故防止に努めていますが、それでも今回のような事故は起きることがありますので、楽しいイベントですが注意する気持ちは常に持つ必要があります。
注意すべきなのは事故だけではありません
花火は「玉皮」と呼ばれる容器の中に火薬が入ったものを打ち上げます。既定の高さに届いた頃、玉皮が爆発して、花火が開く訳ですが、この玉皮、結構燃え尽きずに落ちてきます。
無風であれば保安距離内に落下するはずなんですが、風があると保安距離の外にも落下してしまいます。中には1キロを超える破片が落下することもあります。実際に落下した玉皮による負傷事故も起きています。僕も当たりはしませんでしたが、2~3メートル離れたところに落ちてきたことがあります。その時は誰も当たらず怪我人はいませんでした。
花火を見る時には、落ちてくる玉皮にも注意しましょう。特に上を向いていると顔に当たる恐れがあるので要注意です。
落下する玉皮による負傷事故を減らす努力
トウモロコシの澱粉から作った生分解性樹脂に木屑やもみ殻を配合した玉皮も開発されています。この玉皮は破裂と同時に非常に細かく細分化されて、大きな塊で落下することがありません。これが普及すれば、落下する玉皮による負傷事故を大幅に減らすことが期待できます。しかも、それだけではなく、従来は落下した玉皮(ボール紙など)を清掃・回収する必要がありましたが、生分解樹脂を使用することで落下後は微生物によって分解され、土に戻るため、非常にエコロジーです。
素晴らしい発明品なのですが、注意しなければならない点もあります。従来のボール紙などで作られた玉皮は大きな破片が落ちてくる恐れがあり危険でしたが、細かく分かれた生分解樹脂が落ちてくる場合はより広範囲に落ちる可能性があり、それは上を向いている人の目に入る危険性が出てしまいます。大きな危険はなくなりますが、危険を分割してばら撒いてしまうような感があります。
仮に花火と一緒に完全に燃焼する玉皮が出来たとしても、燃えなかった時は落ちてきますし、燃えたとしても燃えカスは落ちてきますので、目のケガには注意をしなければなりません。
結局、常に何かが落下してくるかも知れないと注意をしておく必要はなくなりません。
風流ではないですが、保護グラスを掛けて見たいところです
目に酷い怪我を負うような落下物はそれほどないと思いますが、可能性はゼロではありません。また、花火の最中は上を見ているため、怪我はしなくても、目に花火の燃えカスやその他のゴミが入る可能性は十分になります。できれば保護グラス、無理でもだてメガネなどを掛けて目を保護しましょう。
万が一目にゴミが入った場合は、絶対にこすらずに、流水ですすいでください。会場から離れられない場合に備えて、ソフトサンティアなどの人工涙液を持参して、ゴミを流すのも有効かと思います。
火山が噴火した時も、コンタクトレンズを外した方が安全(火山灰が入ると痛いし、眼球を傷付けます)なんですが、花火の時もコンタクトレンズは止めて、メガネにしましょう。花火デートとかだとメガネを避けたいかも知れませんが、目が痛くてトイレを探して人ごみをかき分けて右往左往するよりはいいと思いますよ。
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