こどもを虫歯から守るのは親の役目です
2019/06/13
こどもの頃から虫歯に苦しんできました。なので、虫歯が感染症だと知った時、こどもが生まれたら絶対に虫歯菌を感染させないようにしようと誓いました。実際にこどもを授かってから、小学校に上がるまでは親の唾液と接触するような全ての行為を排除して、虫歯予防に努めました。それだけ頑張ったのに、こどもの歯に虫歯が見付かり、唾液の検査で「虫歯は普通程度にできる口腔内環境」との結果が出た時には卒倒しそうな程のショックを受けました。敗戦です。でも、必ず食後は歯を磨く習慣はついたので、永久歯は虫歯なしで推移しています。
虫歯は感染症です
生まれた瞬間、口の中はまっさらな状態で、菌はいません。でも、生まれた瞬間から様々な菌が移り住んで、口の中の常在菌になっていきます。その常在菌がどんな種類になるかで、虫歯にならない、なりにくい、なり易いなどの環境が決まって行きます。虫歯の原因となるMutans Streptococci(ミュータンス連鎖球菌)が侵入しても繁殖して常在菌になることができない環境ができてしまうとハミガキが不十分でも虫歯ができないということもあり得ます。残念なことに、その逆もあり得ます。
わが家の場合は、6歳まで親の唾液に濃厚に接触することを避けたはずですが、虫歯のできない環境を得ることはできませんでした。その理由にずっと悩んできましたが、漸く最近答が見付かりました。
虫歯菌の唾液の飛沫で感染可能
落ち着いて考えたら分かりそうなことなんですが、これに気付かずにMutans Streptococci(ミュータンス連鎖球菌)との戦争に負けました。
インフルエンザに感染すれば、飛沫感染に備えて、マスクをします。それなのに、なぜ感染症のひとつである虫歯を防ぐのに飛沫感染を防ごうとしなかったのか、理解できません。今から子育てをする皆さんにはわが家と同じ轍を踏んで欲しくありません。飛沫感染を絶対に防いでください。お願い。。。します。ガクッ
Mutans Streptococci(ミュータンス連鎖球菌)の飛沫感染を防ぐには
常時マスクの着用です!
でも、無理ですよね。こどもの成長に適切なスキンシップは欠かせません。それにはスキンシップには飛沫感染のリスクがつきまとう。どうしたらいいの?そんな悩みを解消するいい方法があるんです。(もっと早く知りたかった。。。)
ママとパパが歯医者へ通ってプラークコントロールをするんです。なんでこどもの虫歯を防ぐために、親が歯医者でプラークコントロールをしなければならないのか。不思議ですよね。
こどもの虫歯予防には親のプラークコントロールが効くんです
しかも、ずっとではありません。ある期間プラークコントロールすることで、こどもが虫歯になりにくい口腔内環境を手に入れることができるんです。そんないい話、しない訳にはいきませんよね。
生まれたばかりのあかちゃんの口の中は無菌です。でも、翌日にはもう連鎖球菌などが見られるんですが、これはママなどからの感染です。これが将来の常在菌を形成することに繋がるのですが、まだ虫歯菌と言われるMutans Streptococci(ミュータンス連鎖球菌)はいません。Mutans Streptococci(ミュータンス連鎖球菌)が感染して出現するようになるのは、生後19ヶ月から31ヶ月の間で、ちょうど乳臼歯が生え始めて、生え揃うまでの期間に相当します。この期間に口腔内の細菌の編成に変化が起こるようで、その変化の隙にMutans Streptococci(ミュータンス連鎖球菌)が入り込んで常在化するかどうかが、将来の口腔内環境の良し悪しを決めることになります。
この生後19ヶ月から31ヶ月のちょうど乳臼歯が生え始めて、生え揃うまでの期間を「感染の窓」と呼びます。この期間に濃厚に接触する親がプラークコントロールをすることで、飛沫としてMutans Streptococci(ミュータンス連鎖球菌)がこどもの口の中に入る数が大幅に減り、口腔内で常在化できなくすると考えられています。
感染の窓(生後19ヶ月から31ヶ月)に当たる期間は歯医者に通いましょう
乳臼歯が生え始める頃から生え揃う頃まで、両親で歯科医に通い、プラークコントロールを含めた口腔衛生指導を受けましょう。これによって、こどもの口腔内からMutans Streptococci(ミュータンス連鎖球菌)が検出される率が非常に低くなり、その効果はその後も継続するとの研究結果も出ています。
こどもの虫歯予防と言うと、こどもを歯医者に行かせることだと思ってしまいますが、こどもにインフルエンザを移さないためには、かかった本人が病院へ行き、隔離とリレンザなどの抗ウイルス剤の服用をするのと同じように、虫歯の「感染の窓」が開いた時に親が歯医者に通って、こどもへの感染を防ぎましょう。
わが家はしっかりした知識なしに、とにかく感染を防ごうと努力をしましたが、ほぼ無駄に終わりました。しかも、スキンシップも減ってしまっていました。わが家の失敗から得た教訓を是非活かして頂いて、「感染の窓」が開いている間に短期決戦で虫歯菌と戦って、こどもに歯医者知らずの健康な歯をプレゼントしてあげてください。
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