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自然分娩と帝王切開

      2019/06/13

出産前には色々悩むと思います。妻も色々調べながら悩んでいました。

入院した先の先生が「絶対自然分娩!」派でしたので、結構な難産でも帝王切開はしてくれませんでした。初産の時、分娩室隣の部屋に移されてから、出産まで三日三晩かかりましたが、結局自然分娩で産みました。「赤ちゃんの心音が落ちたら帝王切開に切り替える」とは言ってくれていましたが、心臓が強いらしく、全く心音は落ちず、母子共に頑張り抜きました。なかなか出てこなかった理由は、僕に似て頭蓋骨の横が張っているので、そこが引っかかっていたそうです。本当に大変な出産でしたが、今となっては本当にいい思い出です。

その先生が自然分娩にこだわる理由は「出産時、赤ちゃんには負荷がかかった方が呼吸器系が強い子になる」というものでした。凄く信頼できる先生でした(今でも信頼しています)ので、その言葉はそのまま受け取って、悩める妊婦さんに機会があると伝えて来たんですが、どうも最近そうじゃないかもって思うんです。

自然分娩のいいところはどこなんでしょう

人生の最初の試練を乗り越えるとその後の健康を得られるというのは、人生訓のようで、自然分娩を頑張る女性の背中を押す効果があると思いますが、そこが引っかかります。繰り返す試練で鍛えられて、次第に強くなっていくのは分かりますが、一度きりの負荷で肉体が大きく変化するというのが少し考えにくく。精神的なものはあり得ると思いますが、赤ちゃんの場合はちょっと違うと思います。

自然分娩は苦しいし、出産後も結構それなりに大変なんですが、帝王切開をした友人に聞くとそれはそれで大変だと聞きますので、どっちがいいかと決めることは難しいです。

自然分娩でこどもが強くなる理由で考えられること

どっちでもいいのかなと思っていた時期もありますが、最近気付いたことがあります。調べたらきっと論文も出ていると思いますが、余り聞いたことがないので正しいのかどうか分かりません。なので、読まれた方は一度産科の先生に尋ねられることをお勧めします。

その理由とは

腸内フローラの種をもらう

ことです。

腸内フローラは最近急によく耳にするようになり、スーパーへ行くとプロバイオティクスと書かれた多くの製品を目にします。腸内フローラがひとの免疫系に重要だということは間違いのない事実のようなのですが、その腸内フローラの種がどこから来たのか、どうすればいい種を受け継げるのかについては、余り情報がありません。

ただ、考えてみると、こどもがお母さんの胎内にいる時には腸内フローラの種をもらう機会はありません。生まれてからもらい、生後8ヶ月位までに概ね菌が定着すると言われています。そうなると、一番濃厚に母子で種の受け渡しを行うチャンスは、分娩時に産道を通っている時ではないかと思います。その時に口に入ったり、体に付いたお母さんの常在菌が種として赤ちゃんに受け継がれ、皮膚などの常在菌は勿論、腸内フローラになっていくと考えるのが自然です。

これが帝王切開ですと、お母さんとの濃厚な接触がなく、タオルで包まれた状態での抱っこになってしまうため、どうしても種の受け渡しが上手く行きません。分娩室や手術室の空気中の菌の影響も自然分娩の赤ちゃんよりも強く受けてしまいます。

この考えでいくと、母乳で育てる方がより多くの常在菌を赤ちゃんが取り込むことが出来るので、その後の免疫系の発達にプラスになると思います。もし母乳が出ない場合も赤ちゃんがお母さんのおっぱいを吸うことにも意味があるかも知れません。この辺りのことは、今後色々はっきりしてくるのだろうと期待しています。

あと、これ以外にも自然分娩の良さというのは見付かるでしょうし、逆に(新しい技術などによって)帝王切開のメリットも増える可能性もあります。なので、どっちがいいかっていう答は見付からないかも知れません。

帝王切開のこどもにも腸内フローラの種を渡す方法

赤ちゃんの健康が許す場合は、出産後にはできる限り赤ちゃんと濃厚な接触をすることがいいかも知れません。

日本では認可されていないそうですが、アメリカでは腸内フローラをごっそり入れ替えてしまう治療法も行われていると聞きます。腸内細菌は一度定着すると殆ど変化がないと言われてはいますが、方法はあるみたいです。今後もっと手軽で安全な方法が日本で認可されれば、大きくなってから腸内細菌をいいものに入れ替えたり、いいものを補充したりすることも簡単にできるようになるはずです。また、帝王切開で生まれた赤ちゃんにはお母さんの種の中から選りすぐりのいい種を人工的に送り込むことも可能になるのではないかと期待しています。様々な病気の予防に繋がれば、国民の幸福度を上げることにもありますし、なによりも膨らんだ医療費を削減できる可能性があります。きっと近い将来に実現すると思っています。

それまでの間は、母子共に健康で自然分娩が可能な場合は自然分娩を選び、母子の健康上帝王切開が安全な場合はそちらを選択して、出来る範囲で常在菌を受け渡す努力をすることで、赤ちゃんにより健康な未来を送ってあげられたらいいですね。

 - 健康, 生活, 育児

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