アメリカの爆撃機 朝鮮半島に出動の緊張感
2019/06/12
日々の心配事は、南方で発生した台風の進路と今治療中の虫歯の神経を抜くことになるかどうか位で、平和な毎日を送っていますが、ふと不安に思う時があります。
アメリカの爆撃機B-1B・B-52が朝鮮半島に出動
北朝鮮の度重なる核実験に対して、アメリカが爆撃機を朝鮮半島に送ることになるかも知れないと韓国メディアが報じました。
「グアムのアンダーセン空軍基地に展開しているB-1BかB-52が朝鮮半島に向けて出動する」という文字だけを見るとそれほどの緊迫感も感じません。
この2機種は、偵察用の戦闘機ではありません。爆撃機です。しかも戦略爆撃機。B-1Bにいたってはステルス性も持ち合わせる音速爆撃機。核実験の強行に対しては核の脅威で対抗するという姿勢、冷戦時代を思い起こさせます。
B-52 戦略爆撃機
ボーイング社が開発した戦略爆撃機。愛称はストラトフォートレス(Stratofortress:成層圏の要塞)。まさに要塞という迫力。米ソ冷戦時代にソ連を核攻撃するために作られましたが、ベトナム戦争では第二次世界大戦で投下された爆弾を大きく上回る量の絨毯爆撃を行い「DEATH BIRD(死の鳥)」とも呼ばれました。
B-1B 戦略爆撃機
ロックウェル社が開発した戦略爆撃機。超低空侵攻による核攻撃/通常攻撃、通常の戦略爆撃だけではなく、巡航ミサイルプラットホームなどの任務をこなすため、地形追随レーダーや赤外線監視装置など各種の電子機器を搭載しています。ステルス性を向上させたため、最高速度が犠牲になりましたが、それでもM1.25(音速の1.25倍)で飛べる超高速爆撃機です。
韓国メディアは「早ければ12日にも朝鮮半島に出動する」と報じましたが、この報道自体にも牽制の目的があると思いますので、牽制はこれに留まり、不要に朝鮮半島の緊張感が高まらないことを祈ります。
ただ、今年の1月10日にはB-52が韓国上空を飛行していますので、B-52が飛行する可能性は低くありません。
冷戦期には磁気嵐によるレーダー故障を旧ソによる妨害と勘違いして戦争寸前に
米ソ冷戦の最中、アメリカのICBM(大陸間弾道ミサイル)監視レーダーが、 1967年5月に発生した地球における観測史上最大の磁気嵐によって故障したことを、ソ連(ソビエト連邦)の妨害であると誤認(要は”勘違い”)して、ソ連に対して攻撃準備態勢を取っていたそうです。冷戦は既に一触即発状態でしたので、そこから更に一歩踏み込んで戦争寸前。回避出来たことは幸運でした。
現在は1960年代よりも科学は進歩して、誤認の可能性は減っていますが、どんなに科学が進んでも、誤認をゼロにすることはできません。また、兵士が司令部の命令に反して行動を取る可能性もあり得ます。
今回のような牽制の応酬を繰り返すうちに、不測の事態が生じて、戦争が起きないことを心から祈ります。
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