排水溝からスカートを覗いて連続逮捕されるのも窃視症の仕業です
2019/06/13
商店街の排水溝に潜んでスカートの中を覗く
2年前、排水溝に身を潜めてスカートの中を覗いているところを逮捕された事件があり、世の中を驚かせました。小中学生が考えそうなことですが、まさか大人が実行して、しかもそれで逮捕されるとは。
その犯人が、前回逮捕されたのとは別の場所の神戸市東灘区岡本の商店街にある排水溝に身を潜めているところを逮捕されました。髪が排水溝の蓋から飛び出ているのを不審に思った女性が発見したそうです。
午前3時に排水溝に潜り込み、発見されたのが午前8時前と言いますから5時間ずっと息を潜めて待っていたのかと思うと、気持ち悪いやら、怖いやら。ただ、その執念を考えると、単に性的な興奮を得るためだけではなく、病的な強迫観念的なものの存在を感じます。
一度逮捕されても覗きを止められない場合は窃視症という病気かも知れません
2年前の事件で逮捕され、十分な制裁を受け、十分に反省したはずです。しかし、それでもたった2年で再犯です。性犯罪は再犯率が高いと言われていますが、色々報道される事件を聞いてみても、自分の周りで起こった事件からも、それを実感します。
社会的な地位のある方や芸能人が手を出してしまい、逮捕された後に再犯で逮捕されるといったニュースも過去にありました。
窃視(いわゆる覗き)が犯罪で、見付かって逮捕されるリスクが高いにも関わらず、再び罪を犯してしまう。不思議に思いますが、これは覗きが単なる覗きではなく、窃視症という病気になってしまっているからです。精神科できちんとした治療を受けない限り、自然に治る可能性は高くありません。犯罪を繰り返すうちに、社会復帰が不可能なレベルにまで落ちてしまう恐れもあります。また、社会復帰への道が閉ざされる中で、精神的な苦しみから逃れるために薬物に手を出してしまうケースもあると思います。
窃視症については、過去記事「のぞきや盗撮を繰り返すひとは病気です」にも書いたことがありますので、良かったら読んでみてください。
窃視症は病気ですから、正しく治療を受ければ治ります
罪を憎んで人を憎まずと言いますが、人を病的なレベルで窃視に追い込むのは窃視症という病気であって、その人の人格ではありません。病気が原因だと言って責任が無くなることはありませんが、その人の本当の人格が起こしていないとすると社会復帰の可能性も高くなると思います。また、高くならないといけません。
自分の身近な人や、もしくは自分自身が窃視を止めることが出来ずに悩んでいる場合、勇気を出して精神科に相談してみましょう。
「窃視」や「覗き」はタブーな臭いがして、誰にも相談できない類のものですが、これは誰にでもある衝動だと僕は思います。その対象が性別や性格・嗜好によって異なりはしますが、穴があったら覗きたくなってしまいたくなります。源氏物語にも覗きのシーンがあったように思います。勿論、人が不快に思う場面を覗くのは犯罪であって、許されることではありません。でも、覗きたい衝動があるところまでは正常で、その衝動は衝動のまま抑えておく必要があります。それを衝動のまま抑えきれなくなったところからが病気です。
分かっているのに抑えきれない、我慢すると仕事や家事が手に付かなくなってしまう、そんな状態になったら病気の可能性大です。同じ悩みで病院に通う人もいる訳ですから、恥ずかしいと思う必要はありません。正面から向き合って対処しようとする自分に自信を持って精神科に相談しましょう。
現在既に窃視を常習的に行っている場合、相談することで警察に通報されてしまい、逮捕されることにならないか不安かも知れません。相談を受けた医師は原則通報はしないと思いますが、通報を禁止する法律がありませんので、通報する可能性はゼロではありません。もしそれが不安で精神科にどうしても行けないという方は、衝動が強くて他の事が手に付かないと相談するのはどうでしょう。窃視を常習的に行っていることを隠すことで治療に若干の影響が出る可能性もありますが、医師に相談しないことに比べれば微々たる影響に過ぎません。
折角積み上げてきたキャリアや信頼を病気で失ってしまうのは余りに勿体ないと思います。ちょっと人に相談し難いことでもあり、病院へ行くのも腰が重いと思いますが、病気が治れば厄介な強迫観念からも解放され、元の生活にも戻れます。
このニュースの話題を同僚や奥さんに振られ、笑って話を聞いたものの顔が少し引きつってしまったあなた、一度精神科に相談することを検討してみてください。もっと早く相談すれば良かったって、きっと思うことになりますよ。
警察や裁判所も通院で治ることを知って、治療を勧めてください
罪は罪として処罰する必要はありますが、社会復帰のために病気が病院で治療できることを知って、窃視を犯して逮捕された人に治療を勧めてもらえたら、再犯が減って、被害者も加害者も少なくて済みます。是非検討して頂きたいです。
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