組み体操で6名が重軽傷を負う事故　大阪府八尾市の中学校

9月27日、大阪府八尾市の中学校で行われた運動会の組み体操で10段ピラミッドを無理やり実施させた挙句、事故を起こし、1年生男子が腕を骨折し、5名の生徒が軽い怪我を負いました。校長は「練習で一度も成功していないにも関わらず、伝統だからと実施してしまった。生徒には申し訳ない。」と謝罪しました。

組み体操の事故は学校側の過失傷害ではないのでしょうか

2014年度には年間8500件の事故が起きている組み体操。隣の大阪市では教育委員会が組み体操の高さ制限を取り入れ話題になっているにも関わらず、何も対策を取らず、今回の事故を招きました。

組み体操に高さ制限などを取り入れることに関しては、賛否両論ありますが、事故の件数や深刻度を考えると現在の状態を放置することは不可能です。9段でも高いと思いますが、今回事故を起こした中学校では10段に挑戦していますし、同じ関西の学校で11段を実施するところもあります。

事故の起きた学校の校長は、「ピラミッドのまわりに教員を11人配置するなど安全に配慮していたつもりだが事故が起きてしまい子どもたちに申し訳ない。今後、運動会での組み体操をどうするか検討したい。（NHK NEWS WEB）」

と言っているそうですが、そもそも11人がどのように導き出されたのか、それで安全が確保できるのか、疑問があります。しかも、今回の11段ピラミッドは練習で一度も成功していないのを無理やり実施したうえで事故を起こしており、学校の過失が問われるべきだと思います。

仮に生徒たちが独自に企画して、自らの意志で実施しようとしたとしても、学校としての安全配慮義務から中止を命じるべき内容だと思います。それを学校自身で企画し、無理やり実施させるとは明らかに間違っています。

ニュースで事故を動画で見ましたが、寒気がしました。1年生が腕を骨折する酷い事故になりましたが、被害が命に関わらずに済んだのは不幸中の幸いだと思います。腕ではなく、首に力が掛かっていたら折れて死んでいたかも知れません。

組み体操について八尾市教育委員会が注意喚起

大阪市に大きく遅れて、今回の事故を受けて八尾市が市内の学校に注意喚起しました。しかし、市内の中学校は運動会を終えてしまっているので、小学校に対してのみの注意喚起となります。

小学校でも組み体操を取り入れているとこがあるかも知れませんので、少しは意味があると思いますが、遅すぎます。大阪市の発表を受けて、直ぐに判断するべきでした。

仮に八尾市の教育委員会が大阪市にならって組み体操に高さ制限を掛けたとしても、多くの学校が9段、10段、11段というピラミッドをこれからも実施するのでしょう。多くの乗り気がしない生徒たちを巻き込んで。

組み体操への本格的な規制は誰かが死んでからなのでしょうか

過去にも酷い事故が起きていますし、今回の一人の生徒が腕を骨折しました。それでもこの中学校を管轄する八尾市から注意喚起がされただけです。

ストーカーという言葉が聞かれるようになって間もない頃、被害者が警察に相談してもまともに取り合ってもらえず、殺害されてしまうという事件がありました。それも1件ではありません。命を落とされた何名もの方の犠牲があって、法整備もされて、警察の対応も変わりました。

ストーカーだけではなく、イジメでも犠牲者が何名も出ないと制度は変わりませんでした。それもゆっくりと。しかも、不十分に。

この先、組み体操で死者が何名も出ないと今の状態が続くのでしょうか。

文部科学省が動いてくれることを期待するしかありません。