消えゆく歩道橋
2019/06/13
今、歩道橋が消えつつあります。
1960年代、こどもも多いところに高度経済成長で交通量が一気に増えて、交通事故が深刻な社会問題となりました。歩道橋はそんな時代を背景に生まれました。
かつて、こどもが渡る幹線道路には歩道橋があるのが当たり前の光景でした。こどもが減り、代わりに階段の負担が大きい高齢者が増え、当時と比べると交通量も減った現在、歩道橋の必要性は大幅に減少しました。新たに建設される歩道橋はごくわずかで、多くの歩道橋は老朽化が進んでいます。メンテナンス不足の歩道橋も少なからずあります。
どの自治体も税収不足に苦しむ中、メンテナンスコストのかかる歩道橋を維持するよりは、撤去して、横断歩道を安全性を高めるように改修する向きで進んでいくでしょう。今は札幌、静岡、京都などで撤去が進められていますが、今後は全国に広がって行くと思われます。
老朽化した歩道橋に注意しましょう
老朽化した歩道橋には、
- フロアの部材が浮いたり、剥がれたりしている箇所につまづいて転倒
- 塗装が剥がれ、触れた時に手などを切る
- 地震発生時に一部または全部が倒壊
などの危険が考えられます。
特に過渡期は要注意
自治体で撤去の方針が決まってから撤去のために使用中止されるまでの期間は、メンテナンスの空白期間が生まれる危険性があります。学校による通学路の検討が遅れる可能性もありますので、常にアンテナを張っておき、必要に応じて学校に要請を行う必要もあります。こどもが塾に通ったり、遊びに行ったりする経路の中にも危険な歩道橋がないか、確認する必要もあります。
歩道橋の代わりにする横断歩道は慎重に選びましょう。
管轄の自治体に連絡しましょう
補修するか、使用禁止にするか、事故防止の対策をとる必要がありますので、管轄の自治体に危険個所を連絡しておきましょう。
地域安全マップに盛り込んでおきましょう
危険な歩道橋が見付かった場合は、管轄の自治体に連絡した上で、地域安全マップに追記しましょう。
安全のためにつくられた歩道橋ですが、今も変わらずに安全かどうかは分かりません。全国的に撤去の動きが出ていますので、改修は見送られる可能性が高く、今後は進む老朽化によって危険度は増すばかりです。過信せずに、自分の身は自分で守るという姿勢で安全確認を行いましょう。こどもと一緒に確認に行くと安全教育もできて、一石二鳥です。
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