ペットの犬猫は約2万匹が流通過程で死亡
2019/06/13
朝日新聞とAERAの調査により、2014年度中に国内で販売用に流通した犬や猫は75万匹で、その約3%の2万3千匹が流通過程で死亡していたというショッキングな事実が明らかになりました。
朝日新聞デジタル「犬猫2万匹、流通過程で死ぬ 国内流通で初の実数判明」
死んだ犬猫は環境庁の推計の33倍
2013年9月に施行された改正動物愛護法で、「犬猫等販売業者定期報告届出書」の提出がペットショップやブリーダーなどに提出義務が課せられるまでは、実態が分かりませんでした。その状態で、環境庁は死亡した犬は約450匹、猫は約80~240匹にとどまると見ていましたが、実態ははるかに悪いものでした。
2014年度には23181匹(流通数の3.08%)が死亡しています。
流通過程で死亡するとは
どんなに注意しても流通過程で死亡することは避けられません。病気にかかったり、運送中の自動車が事故にあったり、色々避けるのが難しい原因もあると思います。
しかし、23181匹(流通数の3.08%)は余りも多く、ペット産業の闇の存在を示唆しています。
- 売れ残りなどの殺処分
- 劣悪な環境で運送・販売することによる衰弱死
これも色々な人間が関わる以上は避けられない(犯罪ですが)事でもありますが、それでも数が多過ぎます。
このことは今まで動物愛護団体などから指摘をされてきましたが、環境庁などはその数を1/33程度に見積もるなど甘く見ていましたが、これで漸く重い腰を上げることになりそうです。
犬猫などのペットを扱う業者への正しい規制が必要です
愛情を持ってペットと新しい飼い主との間を取り持っているペットショップやブリーダーさんが多いのも事実です。しかし、ペットを物のように扱う代わりに安く販売・仲介する業者の台頭は、正しいことをしているペットショップやブリーダーさんのビジネスが成り立つのを妨害します。
ビジネスで淘汰されたペットショップやブリーダーさんの廃業に伴って、新たな犬や猫の犠牲が生まれてしまいます。
国が過剰に介入して、既存ペットショップやブリーダーさんの利権を保護するのは正しくないですが、許可制にするなどして、既存店にも新規参入店も一定の基準でふるいにかける必要があります。
また、動物を物のように扱い、売れ残りを殺処分するような業者を淘汰するためにも、より詳細な報告を義務化して、常に監視する必要もあると思います。
結果としてペットの価格が上がったとしても、ペットが流通過程においても健康に過ごし、新しい家族のもとへ元気に行けるようにして欲しいと思います。
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