HEAD 「シャラポアをサポート」と契約継続
2019/06/12
マリア・シャラポワ選手(Maria Sharapova)が全豪OPで実施されたドーピング検査(1月26日実施)でメルドニウムの陽性反応が出たことで、
- ナイキ
- ポルシェ
- タグホイヤー
などのビッグブランドが契約停止を表明しています。
その中でのHEAD(ヘッド)の契約継続表明には驚かされました。
HEADはマリアを応援して契約を継続
3月10日、ラケットメーカーのHEADは、マリア・シャラポア選手を応援して、契約を継続すると発表しました。
3月7日のシャラポア選手の記者会見は、テニス界に衝撃を与え、既に
- ナイキ
- ポルシェ
- タグホイヤー
というビッグブランドが契約を停止(まだ破棄はしていない)を発表していますが、その中でのHEADの発表はシャラポア選手によっては金銭以上の心強いものであったと思います。
ただ、HEADはナイキやポルシェなどを比べると、テニス以外のウエイトが高く(ポルシェとタグホイヤーは関連性はほぼゼロ)、今回のドーピング案件で悪影響が出る可能性が高いという判断もあるとは思います。
それでも、HEADがこのタイミングで「応援」すると発表することは、経営的には勇気がいることだと思いますので、今後HEADを見る目が変わりそうです。
HEADのエリアシュ会長は
「マリアをサポートすることに誇りを持っており、今もこれからも契約を継続するつもりでいる。彼女との関係を続け、新たな契約を交わすことに期待している。」
とコメントをしていますが、胸が熱くなります。
HEADのエリアシュ会長のコメント
HEADのエリアシュ会長は、
シャラポワ選手は、明らかなミス(メルドニウムの追加登録を見落とした)を犯したものの、故意に自身の能力を高めたり、不正に有利に働く目的で使用した証拠はない。
シャラポア選手は、これまでも、そして今でも自身が述べたように健康面での問題に対処している。2016年に入る前は、WADA(世界アンチ・ドーピング機構)が禁止している薬物や、不正な薬物をテニス人生で摂取したことは一度もなかった。
シャラポア選手が服用していたメルドニウムの量は、パフォーマンスに影響を及ぼすほどのものではない少量で、明らかにパフォーマンスを向上させるレベルにはほど遠いもの。
彼女が見せた、自身の過失を公表し、認めたことへの誠実さと勇気は称賛に値する。マリアは過ちを犯してしまったかもしれないが、我々は彼女との契約を継続する。
出典:tennis365.net
とコメントしています。
HEADのためにも、シャラポア選手のドーピング案件が、
- 医療目的のみでの服用
- 服用していた量ではパフォーマンスに効果はない
- WADAからの通知を見落としたという単純なミスしか存在しない
ことが証明されることを祈っています。
仮にそれが証明され、国際テニス連盟(ITF)が異例の措置(短期間の出場停止)をとったとしても、WADAが処分軽減措置の撤回を求めてスポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴する可能性を示唆していますので、いずれにしても長期間は出場ができなくなる可能性が高く、恐らくこのままキャリアを終えると見るのが妥当かも知れません。
メールの添付ファイルをチェックしないだけでトップ選手が引退に追い込まれるということは酷い気もしますが、それが「ルール」ですから仕方がないとも思います。「ルール」で泣く選手は彼女が初めてではありません。どのスポーツでも昔から大勢存在しています。
そんな状態に陥ると、今までチヤホヤしていた取り巻き(スポンサー含む)が手の平を返したように態度を変え、離れていくだけではなく、中傷するというのはよく目にすることです。
なので、それをしてもそれほど企業イメージが下がったりはしませんが、今回のHEADのエリアシュ会長のように、信頼や誠意を見せることで、選手を人間として救うものですし、企業としての株も上げるものだと思います。
なんでも直ぐに「リスクヘッジ」を考えてしまうビジネス界ですが、それが逆に株を下げたり、その逆の態度をとることがビジネスにとって大きなチャンスになる可能性があることも忘れてはいけません。
シャラポア選手にとっても、HEAD社にとっても、良い結末になりますように。
関連記事
-
リオ五輪公園で空中カメラの落下事故
毎晩見逃せない試合が続いて、昼夜逆転生活が続いています。 五輪公園で空中カメラが …
-
増毛パウダーで黒い汗
毎週通っているテニススクールはインドアで夏は冷房が入るのですごく快適です。 実は …
-
全仏オープンの放送中に心霊現象か
昨日からウィンブルドンが始まりました。 錦織選手はサーブ最速記録保持者のグロス選 …
-
シャラポア選手への処分が取り消しか メルドニウム事件
シャラポア選手などへの処分取り消しの可能性 メルドニウム事件 過去記事 シャラポ …
-
車いすテニスの国枝慎吾選手 準々決勝で敗退
リオデジャネイロ・パラリンピックで3連覇が期待された車いすテニスの国枝慎吾選手が …
-
ユニクロ ブロックテックフリースパーカ(長袖) 暖かいけど加水分解にご注意を
ずっと買おうと思っていましたが、漸く買いました。 初BLOCKTECH製品。 で …
-
こどものテニスは芋ジャッジに要注意
テニスを始めてみて、一番衝撃を受けたことはジャッジ制度。 スクールはともかく、よ …
-
「で」から「が」へ UNIQLO SPORTS
最近CMで目にするようになった「UNIQLO SPORTS」 実際どんなものなの …
- PREV
- シャラポア選手は筆舌に尽くしがたいほど無思慮なのか
- NEXT
- 3.11から今日で5年が経ちました