性癖は治らないのか? キングオブコメディーのT
2020/01/24
キングオブコメディのTが逮捕されて、
- 性的欲求を満たすためだった。
- 20年位前から50~60件やった。
- 約600点もの制服や下着が押収された。
などの事実が明らかになり、芸能界からも彼を非難するコメントがあがっています。「常に相方のことも考えないと。」というさまぁ〜ず三村さんのコメントはもっともだと思いました。ただ、タレントの土田さんが自身の冠番組「日曜のへそ」の中で、盗撮で逮捕されたタレントの田代まさしさんを例に挙げて、
性癖なので治らない
という趣旨の発言をされていましたが、それにはちょっと危険な部分があると感じました。
性癖は本当に治らないのでしょうか?
性にまつわるエトセトラはタブーなので、配偶者やパートナーと共有する人もいるかも知れませんが、ほとんどの人は一生誰にも言わずに生きていきます。
タブーであること、そして誰にも言えない・相談できないことなので、時としてそれが依存症となってしまった場合には、犯罪に繋がってしまったり、罪を償って社会に出ても再犯で逮捕されてしまうのではないかと思います。
そんな背景があってのことなので、「性癖は治らない」と言い切ってしまうことには疑問を感じます。
メディアを通じて、そのような情報を流してしまうと、人と違う性癖を持った人への差別に繋がり、その差別のせいで更に誰にも相談できず、結果として性犯罪が増え、被害者も増えてしまうという結果になると僕は考えます。
困った性癖は治療で治ります
性癖においては「異常」と「正常」の境界線が曖昧です。何が正常で何が異常なのか。ほとんどの人が何かしらの性癖を持っていると思いますが、どれが正常でどれが異常かなんて分かりません。仮に「異常」だとしても、誰にも迷惑や危害が及ばないものであれば問題はありません。
なので、異常か正常かではなくて、
- 他人に迷惑や危害が及ぶ
- 自分の人生を破滅させる恐れがある
ものを何とかしなければなりません。ここでは「困った性癖」と呼びます。
その困った性癖ですが、治るものだと言われています。なぜ「治らない」と言われるかですが、
- タブーゆえに誰にも相談できない
- 刑務所は性癖を矯正・治療する機能を持たない
- 精神科でも性癖を専門にするところが無かった
ために、刑務所でいくら反省しても、根本的な問題が解決されていないため、出所後のストレスの多い生活の中で再び性犯罪を犯してしまう人が少なくないからです。
一般的な刑務所に加えて、
- 交通刑務所:交通事故や悪質な道路交通法違反などを犯して実刑判決を受けた交通事犯の受刑者を収容する
- 医療刑務所:精神または身体上に何らかの疾病・障害がある受刑者を収容し、治療する
といった刑務所がありますが、性犯罪を犯した受刑者には、それ専用の
- 性犯罪刑務所
をつくるべきじゃないかと思います。
そこで専門の治療を強制的に受ければ再犯を防止することもできますし、困った性癖は治療で治るということが 広く知られれば、予防的な治療によって性犯罪自体を大きく減らすことができるのではないかと思います。
自分もいつか犯罪を犯すかも知れないと不安な人は相談してみましょう
性癖の厄介なところは、誰にも相談できないところです。タブー中のタブーです。親なんかには絶対に相談できませんし、親友にも相談は難しいかも知れません。
キングオブコメディのTのしたことを話のネタにして、笑っている人の中には、心から笑えない人もいるはずです。成人してから学校に侵入して制服などを窃盗した経験のある人は余りいないと思いますが、小学生・中学生・高校生の頃に似たことをしたり、しようと思った男性は少なくないかも知れません。
確かに、思春期の過ちと成人してからの過ちには大きな違いがありますし、思うだけと実行に移してしまうことにも大きな違いがあります。ただ、違いはありますが、物理的な壁や溝がある訳ではなく、境界線のない状態で繋がってしまっています。
今は「バカなことをしたもんだ」と思っているかも知れませんが、仕事で追い込まれたり、家庭生活が荒んだり、酒に酷く酔った時に行動に移してしまう可能性は結構な割合の人(主に男性)にあるかも知れません。
その意味では、全くの他人事ではなく、ある程度自分のことや自分のこどものこととしても考えておく必要があります。
ほとんどの人の場合は、行動に起こすこともなく、一生を終えることになりますが、もし
- 行動に起こしてしまいそうで怖い
- 過去に行動に起こした時はバレずに済んだ
- 夫(または息子)の部屋から夫(または息子)のものではない服が出てきた
などという不安要素がある場合は、専門機関に相談してみるといいと思います。度合いによっては、ホルモン治療や認知療法をする必要があるかも知れませんし、軽い場合は自分で対処する方法をアドバイスしてもらえるかも知れません。
タブー中のタブーであるだけに、相談する相手を間違えると、興味本位で話が広められてしまう恐れもあります。タブー中のタブーであるからこそ、「守秘義務のある他人」に相談する方が安全ですし、安心できますよ。
相談・治療が可能な医療機関は過去記事「キングオブコメディ 女子高生の制服を盗んで逮捕」に書きましたので、参考にしてみてください。
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