毒はなくても水中毒

のどが渇いた時に飲む冷たい麦茶。ガブガブ飲んで、冷たさがのどから胃に落ちて溜まっていく感じが、たまらんのですけど、実はちょっと危険だったりします。「水中毒」って知ってます？知らないひとが多いかも知れませんが、すごく身近な中毒ですし、気付いてないだけで過去に軽い水中毒になったひとも結構いるかもですよ。

水を飲み過ぎると死にます

それは麦茶でも同じ。

そもそも水中毒って、なんでしょうか。

「水中毒とは、過剰な水分摂取により引き起こされる中毒症状。具体的には低ナトリウム血症やけいれんを起こし、重症では死に至る恐れがある。腎臓の最大利尿速度は16ml／分であるため、これの速度を超える水分摂取によって体内の水分過剰で細胞が膨化し、低ナトリウム血症に陥る。」

とあります。要は、水分をとり過ぎて、血液の中のナトリウムが薄まったことによる中毒です。ナトリウム濃度による症状は以下の通りです。

• 130mEq／L – 軽い疲労感
• 120mEq／L – 頭痛・嘔吐・精神症状
• 110mEq／L – 性格変化や痙攣・昏睡
• 100mEq／L – 神経伝達が阻害されて呼吸困難などで死亡

これを見ると気を付けようと思います。

スポーツドリンクでも水中毒になります

成人やある程度大きくなった子供の場合、スポーツの水分補給にはスポーツドリンクで問題ありませんが、酷い下痢による病的な脱水時にスポーツドリンクで水分補給すると、特に乳幼児の場合は水中毒を起こす恐れがあります。スポーツドリンクは経口補水液よりも電解質濃度が低く、糖質濃度が高いことが多いためです。

健康時の常識的な量の水分補給はスポーツドリンク、下痢や熱中症など、病気の時の脱水状態には経口補水液。上手く使い分けたいですね。